TREND-CORE(トレンドコア)の価格は?機能、事例も紹介
はじめに
建設業界では近年、設計から施工、維持管理に至るまで、デジタル技術を活用した業務効率化や品質向上が求められています。特に、i-Constructionの推進やBIM/CIM(Building Information Modeling/Construction Information Modeling)の導入が加速しており、3次元CADやBIMソフトウェアへの関心はかつてないほど高まっています。
本記事では福井コンピュータが提供する「TREND-CORE」に着目し、価格や導入メリット、主要な機能から利用事例までを詳しく解説します。記事を読み進めることで、まずはどのような製品かという概要を理解し、次に価格と購入オプションに関する情報を得られます。それに加え、施工手順の“見える化”を可能にする4D施工ステップ機能や、BIM/CIMコミュニケーションシステムとしての活用事例を把握しながら、導入にあたってのサポート体制や教育プログラムの概要を知ることができます。ぜひ、本記事の情報を検討の一助としてください。
TREND-COREとは
画像引用: 福井コンピュータ株式会社「TREND-CORE サービスページ」
https://const.fukuicompu.co.jp/lp/corelp/index.html
現在の建設業界では、例えば橋梁やトンネル、法面の施工管理を含む土木施工案件において、i-Constructionを採り入れた効率的な手法が重視されています。そうした背景の中で注目されているのが、福井コンピュータの3次元CADソフトウェア「TREND-CORE」です。長年国内の建設業向けCADをリードしてきた同社の技術を凝縮し、土木施工現場での3Dモデリングから施工計画の高度化、そして合意形成に役立つビジュアル化ソリューションを数多く備えています。特に、「BIM/CIMコミュニケーションシステム」という位置付けであり、建設プロセス全体における情報のやりとりを円滑にする機能が充実しているのが特徴です。
また、VR建設シミュレーションや、4D施工ステップを可能にするツールとしても注目度が高く、3Dモデルの分割機能や数量算出機能など実務で必要とされる機能が段階的に拡充されています。さらに、点群データ活用や法枠計画支援なども取り込まれ、現況地形の正確な把握や複雑な法面の施工をスムーズに計画することができます。最新の土木基本IFC検定2022の認証を取得しており、CIMソフトウェアとしてはお墨付きを受けているといえるでしょう。
価格と購入オプション
価格とオプション
2025年2月13日現在、TREND-COREの基本パッケージは、本体価格720,000円(税別)から提供されています。これは導入企業がまず必要とする3次元CAD機能やBIM/CIM対応の基本的な機能を含んでおり、土工シミュレーションや施工管理システムとの連携など、主要なフローをすぐに実践できます。さらに、オプションとしてPDF取り込みアシストや3D設計データ作成モジュールなどを組み合わせることで、より高度なデータ作成や既設図面との照合作業を効率化することができます。
大手販売代理店である大塚商会のサイトによると、主要なオプションプログラムの価格は以下の通りです。
<参考・表引用>CADJAPAN「TREND-CORE 価格」
https://www.cadjapan.com/products/items/trendcore/price.html
TREND-CORE基本部 | 720,000円(税別) |
PDF取り込みアシスト(オプション) | 120,000円(税別) |
3D設計データ作成(オプション) | 360,000円(税別) |
TREND-CORE(測量)法枠計画支援(オプション) | 360,000円(税別) |
TREND-CORE(土木)施工履歴連携(オプション) | 240,000円(税別) |
例えばPDF取り込みアシストを利用すれば、既存の図面や資料をトレースする手間を最小限にして、短時間で3次元モデル化することが可能になります。また、3D設計データ作成を追加すると、より複雑な土工モデルの構築や細かな施工手順の設定がスムーズになります。さらに、法枠計画支援や施工履歴連携などを利用すれば、点群データや施工ステップの履歴を活かした高水準の施工管理を実現できます。
こうした多彩なバリエーションにより、顕在ニーズである施工手順の見える化や価格対効果の向上はもちろん、潜在ニーズである作業効率化やリスク回避を実現しやすくなるでしょう。いずれのオプションも導入企業の実務に合わせた追加が可能なため、業務内容や規模に応じて自由にカスタマイズしやすいというメリットがあります。
無料体験版の提供
TREND-COREは30日間の無料体験版が提供されています。導入を検討する際にまず重要なのは、“自社の環境できちんと動作するか”“操作性はどの程度か”という部分です。建設業向けCADは専門的な機能が多いため、使い勝手やシステム要件を事前にチェックしておくことが、後のトラブル回避やスムーズな運用に直結します。TREND-COREの無料体験版を使えば、3次元モデリングや土工シミュレーションといった主要な機能の一部を実際に操作してみることができ、試験的に小規模案件の設計照査を行って仕様を体感することも可能です。導入を検討のさいには、ぜひ活用してください。
<参考>福井コンピュータ株式会社「TREND-CORE サービスページ」
https://const.fukuicompu.co.jp/lp/corelp/index.html
※ページ中にTREND-CORE無料体験版のダウンロードリンクがございます。
TREND-COREの主要機能
本ソフトウェアは、単なるBIMソフトウェアという枠を超え、複数の機能を統合的に提供することで、施工計画の全行程を幅広くカバーします。特にi-Constructionに代表されるように、現場では3次元モデルを駆使して建設バーチャルリアリティや4D施工ステップを検討するなど、従来の2次元図面では難しかった高度な見える化が求められています。
TREND-COREは、このようなニーズにこたえる形で、土木施工に必要な機能をバランスよく搭載しており、データ共有クラウドサービスとの連携による遠隔臨場支援など、現代の働き方にフィットした仕組みも整備されています。さらに、本ソフトウェアの強みでもあるCIMビューア機能や数量算出機能、3Dモデル分割機能などにより、複雑な構造物を段階的に把握したり、施工コストを把握したりすることも容易になっています。
結果として、顕在ニーズの「BIM/CIM対応3次元CADの導入」と「価格とオプションプログラムの明確化」を超えて、潜在ニーズである「施工ミスの削減」「技術優位性の確保」「最新のBIM/CIM技術を駆使したプロジェクト(期待する効果)」の実現に貢献するのです。
3次元CADの基本情報
最も基盤となるのが3次元CADの機能です。TREND-COREでは、施工現場における各種構造物のモデル化を容易に行うことを重視しており、道路やトンネル、橋脚などの複雑な形状についても、設計段階から詳細な3Dモデリングを実施できます。従来の2次元図面と合わせてチェックするための“2D図面と3Dモデルの整合確認”機能や、設計照査機能も備わっているので、最初の企画・設計段階において、設計ミスや作図上の干渉などを発見しやすくなるメリットがあります。また、点群データ活用を面倒な手順なく組み込めるように設計されており、既存の地形データを読み取って正確な現況モデルを整理するといった作業を、わずかなステップで進めることが可能です。これらの統合的な3Dモデリングは、BIM/CIMコミュニケーションシステムとして関係者へ共有しやすいフォーマットにも対応しているため、関係機関とのやりとりや住民説明会などでも有用です。さらに、VR体験や3Dプリントとも連動させやすい点は、単に画面上で見せるだけでなく、立体模型やバーチャル空間での利用によって、より深い理解と合意形成を促せる仕組みになっています。
施工手順の見える化とデータ作成支援
BIM/CIM導入の動機のひとつとして、プロジェクトチーム内外での“コミュニケーションの円滑化”が挙げられます。TREND-COREでは4D施工ステップ機能が用意されており、工事工程を時系列に沿って3Dモデルと連動させることで、施工手順がどの段階でどのように進むかを直感的に把握できます。この機能によって、施工管理者だけでなく、発注者や現場作業員、さらには地元住民など非専門家の方々も、いわゆる“施工手順の見える化”を通してプロジェクトの全体像やリスクを理解しやすくなります。
また、データ共有クラウドサービスと連携した遠隔臨場支援にも役立ちますので、本社から施工現場へ出向かずに意見交換できたり、別の拠点のエンジニアが気軽に参加して検討を深めたりすることも可能です。加えて、法枠計画支援機能を使えば、法面など複雑な立地条件についての施工ステップを効率的に検討できるため、プロジェクト全体を通じてスムーズな合意形成に導きやすいでしょう。さらに、モデルデータから数量算出機能を使って施工コストを見積もったり、工事規模を正確に把握したりする際にも非常に役立ちます。こうした機能群がそろうことで、計画立案から実際の施工、検査、そして引き渡しにいたるまで一元的な管理と連携が可能になり、業務効率化と安全性向上を同時に実現します。
BIM/CIMとi-Constructionへの対応
TREND-COREは、国土交通省が推進するi-ConstructionやBIM/CIMの基準に合わせたデータ作成・運用がしやすいよう設計されています。具体的には、土木基本IFC検定2022を取得していることからわかる通り、IFCファイルをはじめとする多様なデータ形式の入出力に対応しており、他のソフトウェアやシステムとのデータ連携を円滑に進められます。さらに、施工管理システムとの連携や、NETIS登録技術として認められている点も、大規模インフラ工事や官公庁案件において大きなアドバンテージとなるでしょう。
加えて、3Dモデル分割機能を利用した分割施工の検討や、複数の工区に分けて段階的に工事を行うケースにも柔軟に対応できるため、複雑な構造物でも実際の施工手順に即したシミュレーションを実施できます。公共事業におけるCIMモデルの作成では、竣工段階での3次元成果物の納品が求められるケースが増えており、結果として業務を短期間かつ効率的に進めたいという潜在ニーズにも合致します。最新技術の導入による競合他社との差別化や、発注者からの信頼確保という観点でも、こうしたBIM/CIMが標準装備されたソリューションは非常に価値が高いといえます。
導入事例から見る、導入メリット
ここからは実際にTREND-COREを導入した企業の事例を通じて、どのようなメリットが得られるのかを見ていきます。建設業で働くBIM担当者にとって、自社が目指すプロジェクトの成功事例を知ることは大きなヒントになります。施工手順の見える化や点群データ活用など、単にツール導入だけでは終わらない実践的活用がいかに効果を生むのかが明確になることで、導入の検討段階で抱えていた不安を解消できるでしょう。
さらに、導入後に期待する効果としての“プロジェクトのデータ管理とコミュニケーション改善”を実際に実感している事例を参考にすれば、プロジェクトメンバーや経営陣への説得材料ともなります。各事例では、工期の短縮や設計変更の減少、あるいは住民説明会での同意形成スピードアップなど、数値としてのROIだけでは測りきれないメリットが数多く報告されています。すでに多くの現場がCIMビューアを使った共有や、計画検討段階でのVR建設シミュレーションを活用しており、施工計画高度化と安全性の確保を見事に実现している事例も少なくありません。
1. 鈴与建設株式会社…構造物も積極的に3Dモデル化!
鈴与建設株式会社の事例では、橋脚の拡幅や巻き立てに関する工事で活用され、事前の干渉チェックや埋設物確認において大きな成果をあげました。例えば、既設橋脚へ追加の支保工を組む際、従来は2次元図面だけで検討していたために、現地とのわずかなずれや高さ調整の問題が見落とされる可能性がありました。しかし、TREND-COREによる3次元モデリングと土工シミュレーションを組み合わせた検証によって、事前に地中の情報管路移設が必要になることを発見し、施工開始前に適切な対応を取ることができたのです。
さらに、鈴与建設では必ずしもICT活用工事として指定されていない案件でも、このソフトウェアを積極的に取り入れて“出来ばえ評価”を自主的に行い、発注者との合意形成をスムーズにしました。一方、3Dモデルの作成には相応の時間がかかるものの、一度しっかりとモデルを作成しておけば、以降の検討や計画再編成が大幅に楽になります。同社の若手技術者が3Dモデルの作成を担当し、経験を積むことでさらなる省力化を期待しており、まさに人材育成と技術優位性の確立を同時に進めている好例といえるでしょう。
2. 株式会社大林組…国交省ガイドラインに沿った本格的CIM現場へ挑戦
大林組が挑んだ鬼怒川の整備工事でも、TREND-COREは本格的なCIM活用の中心として位置づけられました。設計段階で作られた2D図面とCIMモデルを重ね合わせ、合致しない部分や干渉が生じる部分を網羅的に洗い出すことで、大規模工事に多発しがちな設計変更や工期遅延を抑える効果が得られました。さらに、点群データを取り込み、既設構造物や周辺施設と新設する河川堤防の接続部を正確にシミュレーションした結果、設計想定とのずれを早期発見できたため、発注者への報告と補正案の提示をスピーディに行うことができました。
国交省ガイドラインに完全準拠した形での納品や工程管理を実践したことで、施工計画の精度向上だけでなく、管理フロー全体の合理化や施工ミスの削減にも成功しています。結果的に、設計情報と施工情報を一貫して扱えるCIMデータが構築され、将来の維持管理フェーズでも大きな強みを発揮する下地が整ったのです。こうした事例は特に公共事業を担うゼネコンにとって、先行事例としての価値が非常に高く、同ソフトウェアの導入メリットを象徴的に示しています。
現場事務所でTREND-COREを使用する様子
画像引用: 福井コンピュータ株式会社「株式会社 大林組 TREND-POINT&TREND-COREをフル活用して国交省ガイドラインに沿った本格的CIM現場へ挑戦」
https://const.fukuicompu.co.jp/constmag/info/129
3. 東洋測量設計株式会社…点群データ&3次元を幅広く活用し地域を牽引
測量会社として多くの公共測量を請け負う東洋測量設計株式会社では、UAVレーザー測量による点群データをTREND-COREに取り込み、3次元モデルと組み合わせて土木設計や法面管理など幅広い用途に使っています。特に大面積の河川整備や災害復旧現場で、現場の現況地形を詳細に把握するため、地上レーザースキャナーなどで収集した点群データをベースに設計モデルを作成することで、多角的な検討や正確な土量算出を行っています。結果として、従来の2次元測量や現地確認に比べ、観測時間や工数を大幅に削減できています。
また、施工後の検査や効果測定に3次元モデルを用いて、竣工後の地形や構造物が計画どおりになっているか、さらには想定外のゆがみや沈下が発生していないかをレビューするなど、今までにない角度での検証が可能になっています。現状では“モノをつくるための3次元”として使われる場面が多い一方で、今後の展開としては既存構造物の管理や補償コンサルタントの業務にも3D技術が応用可能と見込まれており、地域のインフラDX推進に大きく貢献している事例です。
画像引用: 福井コンピュータ株式会社「東洋測量設計株式会社 点群データ&3次元を幅広く活用し地域を牽引 新たなビジネスフィールドを切り拓いていく」
https://const.fukuicompu.co.jp/constmag/info/127
導入にあたってのサポートと教育プログラム
どれほど高機能なソフトウェアでも、実際に使いこなせなければ投資対効果は限定的になってしまいます。そこで注目したいのが、TREND-COREの導入後サポートや教育プログラムです。導入企業が安心して運用できるよう、リモートサポートや電話対応だけでなく、専門的な研修コースも提供されています。特にBIM/CIMが初めての担当者や、3次元CADにまだ慣れていない技術者にとっては、短期間で基本操作から実務的な応用スキルを身につけられる仕組みがあるのは非常に魅力的です。
i-ConstructionやCIM関連の指針に詳しいスタッフが、現場視点に合わせたサポートを行うため、効率的に運用ノウハウを学ぶことができます。こういったサポート体制は単に操作方法を教えるだけでなく、潜在ニーズである“導入後の定着化”や“最新バージョンへのスムーズな移行”など、長期的なメリットをもたらしてくれます。結果として、業務の一環として自然にBIMソフトウェアを使いこなし、複数のプロジェクトを並行して管理するなどの高度な活用へつながる可能性が高まるでしょう。
結論:TREND-COREで実現する施工管理の革新
以上のように、福井コンピュータのBIMソフトウェア「TREND-CORE」は、単なる3次元CADにとどまらない幅広い機能を備えています。価格面では基本パッケージとオプションプログラムを組み合わせることで、自社の施工規模や業務フローに最適化しやすいと言えます。また、無料体験版ダウンロードが可能であるため、操作性や導入効果を事前に検証できるのも大きな魅力でしょう。
4D施工ステップやVR建設シミュレーションなどの先進的な手法に対応しつつ、土工シミュレーションや法枠計画支援を含む実務向け機能を強化している点は、積極的に施工計画の高度化を目指す企業にとって見逃せません。さらに、BIM/CIMコミュニケーションシステムとして設計されていることから、点群データ活用や数量算出機能、CIMビューアを通じた合意形成の効率化など、多方面での活用余地があります。
導入事例に見るように、いずれの企業も施工手順の見える化による工程管理や、干渉チェックによるトラブル未然防止、そして発注者や地域住民への説明の円滑化という成果を得ています。NETIS登録技術や土木基本IFC検定2022への対応も踏まえれば、今後さらに重要性が高まるi-ConstructionやCIM案件での活躍が期待できます。
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参考情報:
・福井コンピュータ株式会社「TREND-CORE」
https://const.fukuicompu.co.jp/products/trendcore/index.html
・福井コンピュータ株式会社「【ニュースリリース】2025年2月18日 TREND-CORE Ver.10発売」
https://const.fukuicompu.co.jp/sys_img/tp_of_detail/_DL_861.pdf
・福井コンピュータ株式会社「TREND-CORE サービスサイト」
https://const.fukuicompu.co.jp/lp/corelp/index.html
・CADJAPAN「TREND-CORE 価格」
https://www.cadjapan.com/products/items/trendcore/price.html
・福井コンピュータ株式会社「鈴与建設株式会社 構造物も積極的に3Dモデル化!若手技術者がけん引する建設DX」
https://const.fukuicompu.co.jp/constmag/info/147
・福井コンピュータ株式会社「株式会社 大林組 TREND-POINT&TREND-COREをフル活用して国交省ガイドラインに沿った本格的CIM現場へ挑戦」
https://const.fukuicompu.co.jp/constmag/info/129
・福井コンピュータ株式会社「東洋測量設計株式会社 点群データ&3次元を幅広く活用し地域を牽引 新たなビジネスフィールドを切り拓いていく」
https://const.fukuicompu.co.jp/constmag/info/127
※本記事は2025年2月13日現在の情報を元に作成しています。
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