BricsCADで面積を簡単に求める方法|初心者でもわかる計算手順とコツ
1. はじめに
BricsCAD(ブリックスキャド)は、AutoCADと高い互換性をもつ汎用CADです。建築・土木・設備など幅広い現場で使われており、部屋の床面積や造成区画の面積など、日常的に「面積」を正確に求める場面が多くあります。
一方で、はじめての方がつまずきやすいのも面積計算です。たとえば、
- AREA コマンドの使い分けがわからない
- 図形が“閉じていない”ため面積が出ない
- 図面は mm 単位なのに、結果を m² だと勘違いしてしまう
といった小さなミスが、後の再計算ややり直しにつながります。
本記事では、BricsCADで面積を正しく・手早く求める基本を、初心者にもわかりやすく解説します。具体的には、
- 単位と精度(UNITS / INSUNITS / 表示設定)の確認
- AREA コマンドの基本操作とコツ(合算・差し引きの考え方)
- プロパティパレットやハッチを使った面積確認
- 設計変更に強い“自動更新(フィールド)”の活用
- よくあるトラブルの見分け方と対処
を順に紹介します。
この記事を読み終えるころには、面積計算で迷わない“型”が身につき、設計変更や数量集計にもスムーズに対応できるはずです。BricsCADの操作はAutoCADに近いため、基本を押さえれば短時間で作業の質とスピードが上がります。では、ステップを追って見ていきましょう。
2. BricsCADでの面積計算の基本
ここでは、BricsCADで面積を計算するときにまず押さえておきたい基礎知識を説明します。初心者の方が最初につまずきやすいのが、単位設定や「閉じた図形」としての扱い方です。これらの基本を理解しておけば、後々のトラブルを大きく減らすことができます。最初に設定を正しく整えるだけでも、面積計算の精度は格段に向上しますので、ぜひ一度しっかり確認しておきましょう。
BricsCADは建築・土木・設備など、幅広い分野で利用されているCADソフトで、AutoCADとの高い互換性でも知られています。そのため、AREAコマンドやUNITSコマンドといった主要な操作が共通しており、AutoCAD経験者なら直感的に使える点が大きな強みです。既存の知識をそのまま活かせるため、初心者でも操作を覚えやすく、導入のハードルが低いのも特徴です。
BricsCADでは、ポリライン(Polyline)やハッチ(Hatch)などで囲まれた閉じた領域であれば、AREAコマンドを使って面積を算出できます。もし線がずれていたり隙間があったりすると正確な値が出ないため、PEDIT(ポリライン編集)やJOINコマンドを使って図形をきちんと閉じておくことが重要です。図形を正しく仕上げておけば、後述する面積計算の操作もスムーズに進められるでしょう。
また、単位(ユニット)の設定も非常に重要です。表示単位はUNITS、図面全体の基準単位はINSUNITSで確認します。さらに、面積の表記はPROPUNITS(面積ビットON)とAREAUNITSの組み合わせで、m²やmm²などに自動フォーマットできます。建築図面をmm単位で作成しているのに、m²で理解してしまうと大きな誤差が発生します。UNITS、INSUNITS、PROPUNITS、AREAUNITSをあらかじめ確認しておくことが、正しい面積計算の第一歩です。
2.1. BricsCADの概要と面積計算の重要性
BricsCADは、建築・土木・設備などの設計分野で幅広く活用されている汎用CADソフトです。特に初心者やCAD教育の分野でも注目され、多くの企業で導入が進んでいます。建築設計では、建物の床面積を算出して積算や申請資料に利用することが多く、土木では造成地や道路計画などで正確な面積を把握することが欠かせません。
面積計算を正確に行うことで、材料費や工事費を正しく見積もることができ、法規上の制限確認や報告書作成もスムーズに進みます。特に、設計変更に応じて面積を何度も再計算する必要がある場面では、BricsCADの操作に慣れておくことで作業効率を大きく高めることができます。
また、正確な面積を算出するためには、図形の管理も非常に重要です。わずかな隙間や閉じ忘れたポリラインがあるだけで、計算結果が正しく表示されないことがあります。こうしたミスを防ぐためにも、AREAコマンドの基本操作を理解し、フィールド機能などを活用して自動的に面積を更新できるようにしておくと安心です。BricsCADの各ツールを上手に使うことが、信頼できる図面作成への近道です。
2.2. 面積を求める前の必要な設定
面積計算の前に、まず確認しておくべきなのが図面の単位設定です。UNITSで表示単位を、INSUNITSで基準単位を確認し、ズレがないかチェックします。単位が一致していないと、面積結果に大きな誤差が生じるため、社内でチェックリスト化しておくのも効果的です。既存の図面で単位整合が崩れている場合は、-DWGUNITSコマンドを使って一括整合(必要に応じてモデル/ペーパー空間のスケール調整)を行うと安全です。
次に、「閉じた図形」になっているかを確認しましょう。線が一本でも途切れていると、BricsCADでは正しく面積を計算できません。PEDITコマンド(ポリライン編集)を使えば、複数の線分をJOINで結合し、閉じたポリラインに変換できます。ハッチを作成する際も、境界がしっかり囲まれているかどうかを確認しておくことがポイントです。
さらに、座標系やスケールが乱れていると、面積値にも影響が出る場合があります。特に他の図面を取り込んだ場合などは、座標設定とスケールを一度見直しておくと安心です。単位設定・閉じた図形・座標スケールの3つを確認しておくことで、面積計算に関する多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
3. 面積計算の基本手順
ここからは、BricsCADで実際に面積を求める代表的な方法を順を追って紹介します。最も基本となるのは AREA コマンドを使った計算手順ですが、図形を選択してプロパティパレットから確認したり、ハッチングを活用して面積を把握する方法もよく使われます。設計事務所や建設会社などでは図面が複雑になることも多いため、状況に応じて複数の方法を組み合わせて使い分けるケースが一般的です。
とくに「BricsCAD チュートリアル」や「CAD 面積 計算」などのキーワードで検索してみると、AREA コマンドには大きく2つの使い方があることがわかります。ひとつは閉じた図形をオブジェクトとして指定する方法、もうひとつはまだ閉じていない図形の頂点を順番にクリックして囲む方法です。あらかじめ図形をポリライン化しておけば、オブジェクト指定の方が簡単で、作業効率も高くなります。ここでは、基本的な操作の流れを具体的に見ていきましょう。
3.1. AREAコマンドでの基本操作
AREA コマンドを使った面積計算は、非常にシンプルです。まずコマンドラインに AREA と入力して Enterキーを押します。次に、面積を求めたい図形が閉じた形状(ポリラインやハッチなど)であれば、コマンドオプションから Object を選択し、対象の図形をクリックします。これだけで、面積と周長が自動的に表示されます。
複数の図形を合算したい場合は、Add オプションを使って、1つ目・2つ目・3つ目…と順にクリックしていくと、合計面積が算出されます。逆に、特定の領域を除外したい場合は Subtract オプションを使うことで、差し引いた面積を求めることができます。
また、図形が閉じていない場合でも、BricsCADの AREA コマンドは開いたポリラインやスプラインを Object として選択し、面積と長さの両方を返すことが可能です。線分の集合など、完全な境界になっていない場合は、四隅や頂点を順番にクリックして囲む方法を選びましょう。頂点を手動で指定する方法は少し手間がかかりますが、オブジェクトスナップ(OSNAP)機能を使えば正確な位置を指定でき、高い精度を維持できます。
3.2. プロパティパレットを利用した面積確認
もうひとつの便利な方法が、プロパティパレットを使って面積を確認する手法です。閉じたポリラインを選択すると、画面右側などに表示されるプロパティパレット内に「Area(面積)」の値が表示されます。
この方法の利点は、いちいち AREA コマンドを実行しなくても、クリックするだけで面積を素早く確認できる点です。複数の図形の面積を比較したい場合や、図面をチェックしながら進めたいときに特に便利です。また、ロールオーバーヒントを有効にすると、カーソルを図形に重ねるだけで面積などのプロパティがポップアップ表示されます(主な制御変数:ROLLOVERTIPS/SELECTIONPREVIEW)。操作の手間を減らし、確認作業を効率化できます。
ただし、表示される数値を読み違えないように注意が必要です。たとえば図面の単位がミリメートル(mm)設定の場合、面積は mm² で表示され、m²換算すると100万分の1になります。数値が極端に大きく感じられる場合は、単位設定がスケールと一致しているかを再確認しましょう。
3.3. ハッチを使った面積計算
複雑な形状や複数の線で囲まれた領域の面積を手早く求めたいときは、ハッチングを利用するのも効果的です。HATCH コマンドで領域を塗りつぶすと、そのハッチオブジェクトが持つプロパティに「Area(面積)」が自動計算されます。
ハッチを使うメリットは、視覚的にわかりやすく、図面の整理にも役立つ点です。建築であれば部屋の“内法(うちのり)”範囲をハッチで示し、フィールド機能を組み合わせることで図面上に面積を自動表示できます。さらに、“自動更新(フィールド更新)”を有効にしておけば、設計変更に合わせて面積表示も自動で再計算されるよう設定可能です。
ただし、ハッチングを使う際は閉じた境界線が必須です。図形にわずかな隙間があると、ハッチを作成できなかったり、正しい面積が反映されない場合があります。事前にポリライン化や境界修正を行い、図形を完全に閉じておくことが、スムーズな面積計算のコツです。
4. 面積計算のコツと注意点
基本操作を身につけたら、次はより正確かつ効率的に面積を算出するためのコツを押さえましょう。BricsCADで安定して正しい結果を得るには、事前に最適な設定を整えておくことが重要です。ここでは、精度設定のポイントや、初心者がよく直面するトラブルの原因と対処法をまとめて紹介します。
面積計算においては、単位や小数点以下の桁数(精度)、図形の囲み方などを、プロジェクトの種類や求める精度レベルに応じて調整する必要があります。単位の認識を誤ると、図面上では合っているように見えても、実際の面積値が大きくずれることがあります。たとえば、図面がミリ単位で描かれているのに、平方メートルとして計算してしまうと、結果が100万倍も異なってしまうことがあります。
また、よくある操作ミスとして「ポリラインが実は閉じていない」「端点がわずかにずれている」といった問題が挙げられます。この場合、AREA コマンドで面積を求めようとしても、値が表示されなかったり、極端に大きな数値が返ってきたりします。こうしたトラブルを避けるためにも、作図後に図形の状態を点検し、必要に応じて修正しておくことが大切です。以下では、それぞれの注意点と対処法を詳しく解説します。
4.1. 正確な面積計算のための設定
まず確認しておきたいのが、表示精度と単位フォーマットの設定です。
長さの表示精度は LUPREC、面積の表示精度は AREAPREC で変更できます。さらに、面積の単位形式は PROPUNITS(面積ビットON)と AREAUNITS の組み合わせで制御され、m² や mm² といった表記に自動変換されます。これらを適切に調整しておくことで、数ミリ単位の精度が求められる設計でも、数値の読み取り間違いを防ぐことができます。
また、プロパティパレットやフィールドで面積を確認するときに見やすくするため、必要に応じて表示単位を切り替えるのもおすすめです。たとえば、レイアウト空間ではm²表示、モデル空間ではmm²表示にするといったように、用途に合わせて設定を変えることで、図面をより直感的に読み取ることができます。
さらに、“CAD 面積 自動表示”に関連するフィールド機能を活用すれば、設計変更の際に自動で数値が更新され、手作業による再入力を省けます。正確さと省力化を両立させるためにも、BricsCADの設定項目を理解し、プロジェクトに合った状態に整えておくことがポイントです。
4.2. 一般的なエラーとその対処法
BricsCADでよく見られるエラーの多くは、図形が正しく閉じていない、または単位やスケール設定が一致していないことに起因します。
たとえば、端点がわずかに離れているだけで、面積が計算できなかったり、異常に大きな値になったりすることがあります。このような場合は、PEDIT コマンドを使って線分を選択し、JOIN オプションで結合して閉じたポリラインに修正します。
次に、「値が異常に大きい/小さい」ときは、UNITS コマンドを確認してください。図面が実際にはミリ単位で描かれているのに、単位設定がメートルになっていると、面積が100万分の1になってしまいます。逆に、m単位の図面をmmとして扱うと、面積が過大表示されます。単位とスケール設定を一致させることが、最も基本的な防止策です。
また、フィールドの値が更新されない場合は、UPDATEFIELD コマンドで手動更新できます。自動更新の挙動は FIELDEVAL 変数で制御でき、保存・再生成・印刷時など、どのタイミングで更新するかを指定可能です。これにより、図面の状態に合わせた柔軟な運用ができます。
BricsCADはAutoCADとの高い互換性を持つため、AutoCADで作成された図面を開いた際にも同様の現象が起こる場合があります。そのような場合も、単位設定や図形の閉じ方を再確認すれば、ほとんどのトラブルは解決できます。基本を丁寧に見直すことが、正確な面積計算への最短ルートです。
5. 応用例と実務での活用

ここでは、BricsCADを使った面積計算が、実際の設計・施工現場でどのように活かされているかを紹介します。たとえば、建築分野では部屋ごとの床面積を算出してクライアントに提示したり、土木分野では道路拡張や造成工事の区画面積を検討したり、設備設計では機器レイアウトや機械室のスペースを調整したりと、多様な業務で活用されています。
また、CADの効率化という観点からも、同じ手順を自動化するフローを構築すれば、担当者の作業コストや計算ミスを大幅に減らすことができます。
特に、宿泊施設や商業施設など多数の部屋や区画を扱う設計では、ハッチやフィールド機能を使って面積を「見える化」しておくと非常に便利です。図面上に数値を常時表示しておくことで、複数の担当者が同じ図面を編集しても一貫したデータを参照でき、再計算の手間や入力ミスを防げます。
ここでは、特定の図形に対する応用方法と、実務での代表的な活用シーンを具体的に見ていきましょう。
5.1. 特定の形状の面積計算
設計では、単純な長方形だけでなく、円(サークル)や多角形、さらには円弧を含む複雑なポリライン形状など、さまざまな図形が登場します。BricsCADでは、円形の場合でも AREA コマンドでオブジェクトを指定するだけで、簡単に面積と周長を表示できます。
また、多角形や不規則な形状の場合は、AREA コマンドに加えてプロパティパレットを利用するのが効果的です。閉じたポリラインを選択すれば、右側のパレット内に面積値が自動で表示され、即座に確認できます。設計変更が頻繁に行われる場合には、ハッチを作成してフィールド機能を活用すると便利です。これにより、図形を変更するたびに面積が自動的に再計算され、手動での修正作業を省けます。
さらに、円弧を含む複雑な曲線も、PEDIT コマンドを使ってポリラインとして結合し、閉じた形状にすれば、AREA コマンドで一括計算できます。この方法を覚えておくと、特殊な形状を扱う際にも効率的に作業を進めることが可能です。特に「ポリライン 面積」をキーワードに調べている方には、この一連の流れを習得することで、作業スピードと精度の両方を向上させられるでしょう。
5.2. 建築図面や土木工事図面での活用例
建築設計の現場では、各部屋の床面積や階ごとの平面積を集計して「建築面積」や「延べ床面積」を算出する作業が頻繁に発生します。こうしたデータは、クライアントへのプレゼン資料や行政への申請書類にも利用されるため、正確さが求められます。設備設計でも、ダクトや配管が通る専有スペースを正確に把握する必要があり、BricsCADを使えば同様に閉じた図形から面積を算出できます。
一方、土木分野でもBricsCADによる面積計算は多くのシーンで役立ちます。たとえば、造成地の区画割り、道路拡張時の用地面積確認、法面(のりめん)工事の施工範囲の把握などです。こうした場合、ハッチを色分けしてエリアを視覚的に区別すれば、関係者間での共有や数量確認がスムーズになります。合計面積をすぐに算出できることで、コスト見積もりや進捗管理の効率化にもつながります。
また、設計途中で区画寸法を変更するケースも少なくありません。その際、作業をスムーズに進めるために、AREA コマンドや PEDIT コマンドにショートカットキーを割り当てておくと便利です。こうした小さなカスタマイズが積み重なることで、作業スピードが向上し、実務全体の効率化につながります。BricsCADはこうした柔軟な操作性を備えているため、現場に即したワークフローを構築しやすいのが大きな強みです。
6. トラブルシューティング
面積計算でつまずいたときは、焦らずに原因を一つずつ確認していくことが大切です。ここでは、BricsCADでよく発生する代表的なトラブルと、その解決方法を整理して紹介します。ほとんどの場合、原因はBricsCADの不具合ではなく、初期設定の不整合や図形の作り方に起因しています。図面の状態・単位・スケールを順に確認すれば、問題の多くは自力で解決可能です。
6.1. 面積計算での一般的なトラブルと解決策
1)面積が表示されない
- 原因:図形が完全に閉じていない、または線分が厳密に接していない可能性があります。微小な隙間があるだけでも、BricsCADは閉じた領域として認識できません。
- 対処法:PEDIT コマンドを使用し、線分やポリラインを結合(JOIN)して隙間をなくします。ハッチを作成してみて、境界が正常に認識されるか確認するのも有効です。ハッチが正しく作成できない場合は、どこかに開口や重なりがあるサインです。
2)値が異常に大きい・小さい
- 原因:図面のスケールや単位設定の不一致が原因であることがほとんどです。たとえば、実際にはミリメートル(mm)単位で作図しているのに、UNITS 設定がメートル(m)になっていると、面積値が100万倍ずれてしまいます。
- 対処法:UNITS コマンドで単位を確認し、図面全体のスケールを適正な単位に合わせます。必要に応じて再スケーリング(図面全体の拡大・縮小)を行い、実際の寸法感覚と表示値を一致させましょう。
3)フィールドが更新されない
- 原因:フィールドの自動更新機能が無効になっている、またはリンクが途切れている可能性があります。面積の自動表示や集計を行っている図面で特に起こりやすいトラブルです。
- 対処法:UPDATEFIELD コマンドで手動更新を実行し、数値を再取得します。さらに、FIELDEVAL の設定値を確認し、「保存」「再生成」「印刷」など、どの操作時に更新を行うかを指定しておくと安定します。図面を保存して再度開き、更新が自動で反映されるかどうかも確認しておきましょう。
上記の対策を一通り試しても問題が解消しない場合は、図面データ自体に内部エラー(オブジェクト破損など)が生じている可能性があります。その場合は、図面を部分ごとに分割し、どの領域で異常が起きているかを特定するのが効果的です。原因箇所を切り分けることで、修復作業を最小限に抑えられます。BricsCADでは、複雑な図面ほど構造的な不整合が起きやすいため、定期的な図面の整理とバックアップも欠かせません。
7. まとめ
ここまで、BricsCADで面積を正確かつ効率的に求めるための基本操作と、実務に活かせるコツを解説してきました。重要なポイントは次の3つです。
① UNITS コマンドで単位設定を正しく確認すること、
② ポリラインやハッチを使って「閉じた図形」を作成しておくこと、
③ AREA コマンドやプロパティパレットを活用して面積を参照すること。
この3点を押さえておけば、初心者でも正確な面積計算を行えるようになり、作業中のミスを大幅に減らすことができます。
さらに、ハッチやフィールド機能を組み合わせて使えば、設計変更時にも面積が自動で更新され、再入力の手間を最小限に抑えられます。こうした設定を整えておくことで、BricsCADは「手動で数値を計算するツール」から「自動で正確な情報を提供する設計支援ツール」へと進化します。特に、建築図面の床面積計算や土木図面の区画面積集計など、繰り返し計算が発生する業務において、その効果は非常に大きいでしょう。
また、こうした操作を習得しておくと、実務の現場で突然「このエリアの面積をすぐ出して」と依頼されても、落ち着いて迅速に対応できます。精度の高い作業をスピーディにこなせることは、CADオペレーターや設計担当者として大きな信頼につながります。新入社員や若手技術者にとっても、スキルをアピールする絶好の機会になるでしょう。
BricsCADはAutoCADと高い互換性を持ちながら、軽快な動作と柔軟な機能カスタマイズを備えた強力な設計ツールです。本記事で紹介した手順と設定を実践し、面積計算を日常業務に組み込むことで、作業時間の短縮と精度向上を同時に実現できます。
ぜひ、今日からBricsCADの面積機能を活用し、よりスマートで効率的な設計ワークフローを構築してみてください。これまでの「手間のかかる作業」が、「自信を持ってこなせる得意分野」へと変わるはずです。
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<参考文献>
AREA [面積] – BricsCAD Lite & Pro | Bricsysヘルプセンター
https://help.bricsys.com/ja-jp/document/command-reference/a/area-command
入力単位設定 – BricsCAD Lite & Pro | Bricsysヘルプセンター
https://help.bricsys.com/ja-jp/document/bricscad/drawing-accurately/unit-settings
PEDIT [ポリライン編集] – BricsCAD Lite & Pro | Bricsysヘルプセンター
https://help.bricsys.com/ja-jp/document/command-reference/p/pedit-command
-HATCH [ハッチング] – BricsCAD Lite & Pro | Bricsysヘルプセンター
https://help.bricsys.com/ja-jp/document/command-reference/h/-hatch-command





