Apple Watchが健康センサーチップで狙う市場は500兆円?


iPhoneを皮切りに様々な分野に進出し続けるAppleですが、ここにきて大きな市場を狙うような動きが出てきました。現在、健康・ヘルスケア・フィットネスといった分野は運動不足を解消したい社会人や、ワークアウトにハマっている人、あるいは50代60代でも運動をしたいと思うような人が増えている関係で、今後の発展が大いに期待できる分野です。この分野に、Apple Watchを利用して参入しようと動き出しています。果たして、どのような形でAppleは参入しようとしているのでしょうか。

 

 

AppleWatchが健康センサーを付ける話は以前から出ていた

 

そもそも、AppleWatchに健康センサーを付けるという計画は、以前より噂されていました。24時間配信を続けている経済専門チャンネルCNBCが報じていたAppleの求人情報の中に、ASIC(特定用途向け集積回路)の開発者が求められていたのです。当初は、新型iPhoneに搭載されるセンサーなのか、あるいはAppleWatchなのかわからず、議論を呼んでいましたが、新作のAppleWatchの健康センサーが大幅にグレードアップしているところからすると、AppleWatchを中心とした開発だったといえるでしょう。AppleWatchはもともと腕に着けれる関係で脈が取りやすく、また優れたGPS機能で運動のデータを数値化しやすいという特徴がありました。この特徴を大いに活かして、本格的なヘルスケア関連機能を搭載するという話も出ていました。この本格的な健康センサーが、まさにApple Watch Series 4で搭載された新しいECG(心電図)です。

 

 

Apple Watch Series 4で搭載された新しいECG

 

Apple Watch Series 4は、日本では2018年9月13日に発表された最も新しいApple Watchであり、最新のwatchOS 5を搭載しているため、様々な新作のアプリケーションが導入されています。通信機能はより発達し、健康分野やフィットネス分野では、更に多くのアプリケーションやシステムが導入されました。
それでは、Apple Watch Series 4で搭載されたECGは何が違うのか、そしてどういった性能がより拡張されているのかを見ていきましょう。分野としては大きく、健康分野とフィットネス分野に分かれています。

 

健康分野

 

「デザインを一新したApple Watch Series 4は、これまで通り通信とフィットネスのパートナーとして欠くことのできない存在であるだけでなく、転倒検出や、消費者に直に提供される史上初のECGアプリケーションといった革新的な機能が加わったことで、人々の健康をインテリジェントに見守ります」というAppleのCOO、ジェフ・ウィリアムズの発言からわかるように、Appleは今回のApple Watch Series 4に相当な自信をもっています。その自身の核となっているのが、健康分野における新しい機能です。Apple Watch Series 4では、新しいECGアプリケーションによって、手首から心電図を得ることに成功しました。この心電図のデータを利用して、ユーザーの様々な健康のリスク要因を探し出すことが出来ます。例えば、心房細動は、重大な合併症を引き起こしかねない、大きなリスクです。しかし、一般的な生活にはそこまで支障がないため、多くの人はこの心房細動に気が付かないでしょう。気が付いたときには致命的に病状が進行していることがあるのです。Apple Watch Series 4では、こうした心臓の微かなリスクを早い段階で察知することが出来ます。また、このECGアプリケーションに蓄積されたデータは、Appleのクラウド上に存在するヘルスケアアプリケーションなどに保存されるため、必要な時には医師がこのデータを活用できるのです。
更に、ECGアプリケーションでは転倒検出能力も高めています。そのため、仮に突然の脳内出血によって意識を失って倒れた時でも、アラートを通知し、このアラートに60秒間ユーザーが反応しない場合は、緊急的な状況と判断され自動的に救急車を呼び、緊急時の連絡先にエマージェンシーを送ることが出来ます。一人暮らしや趣味の多様化、日々の多忙などにより、一人の時間が増えてしまった現代人にとって、こうしたオートエマージェンシー機能は、直接的に命にもつながる重要な機能といえるでしょう。

 

フィットネス分野

 

運動不足の解消やストレスの解消に、現代人は運動を選択することが増えてきました。この運動という分野においても、Apple Watch Series 4は大いに貢献できるでしょう。まず、ユーザー同士の競争という機能があります。これは、例えばランニングを行うという場合でも、他のユーザーと距離や速度を競う、あるいは一緒に運動しているように感じるといった機能が搭載されています。孤独に運動をするというのは、なかなか続かないものですが、こうした機能をうまく利用することで、モチベーションが維持されるでしょう。
また、自動検出という仕組みがあり、日々の活動データから、運動が必要かどうかを判断し、必要があればアラームが鳴るといった機能を内在しています。運動不足解消に大いに役立つのは間違いありません。また、心電図との関係性から燃焼したアクティブカロリーや運動時間を正確に追跡出来るため、ダイエットやスタイル維持のための運動などにも力を発揮します。また、ラップタイムやリズムなどもデータとして検出出来るため、走っている時の姿勢から体のゆがみなどを察知することも出来るでしょう。何よりも、Apple Watch Series 4ではバッテリーがさらに強化された関係で、ECGをフルに活動させていても、5~6時間の連続稼働を保証してくれています。屋外でのワークアウトやランニングなどにも最適な作りとなっているのです。

 

 

健康センサーチップはなんと500兆円規模!

 

Apple Watch Series 4における新しいECGアプリケーションは非常に強力ですが、どうしてそこまでAppleは健康やフィットネス分野に力を入れるのでしょうか。それは、健康センサーチップ周りの経済規模に大きな期待が寄せられているからです。ヘルスケア産業の市場規模は、2013年にはすでに163兆円と莫大な市場となっていますが、2030年にはなんと500兆円規模になるのではないかと予測されています。500兆円というと、日本のGDPとほぼ同じです。日本の経済活動をすべて覆いつくすほどの経済可能性のある分野が、このヘルスケア産業といえます。事実、日本においても、健康分野というものは、「健康・医療・介護」とまとめられていますが、最も投資価値のある有望市場として認識されており、国家戦略をも動かすような市場として期待されているのです。

 

▽Appleのヘルスケアに関する記事はこちら

Apple ヘルスケア vs Google fit、人気の健康アプリを徹底比較

 

 

ビックデータとしての活用でアプリケーションや新しいビジネスの可能性も?

 

現在、Appleは医療分野においても活動を活発にしています。医療の現場は、データをどうとるか、どのように分析してどのように判断するかといった部分で、データの活用方法が大きなポイントとなってきます。このデータに対して、Apple Watchで収集したビックデータを活用できないかという動きになっているのです。すでに、ヘルスケアの分野において、Appleは製品やプラットフォームを提供しています。まだ現在では、病院に通っている人のデータをとる、あるいはデータを素早く適切な形に保管しより使いやすくするといった仕組みに力が割かれていますが、今後Apple Watchやスマートフォンなどで収集したデータをより広範囲に活用できるようになるでしょう。
また、健康に関係している分野として注目されているアプリケーションもあります。例えば、「Apple シューズ」。これは、靴の中に様々なセンサーを取り入れることで、その靴の寿命や歩き方の癖などを見極めるというものでしたが、ここに健康を取り入れることで、その人が将来なりやすい病気などを把握できるようになるかもしれないといった議論が出てきています。足の裏のタコの出来方や力の入り具合から、その人の姿勢や足の骨の強さなどがわかるといった研究も出てきました。近い将来、Apple製品を活用していると、どのくらいの割合で寝たきりになってしまうのか、週にどのくらいの運動を続けると寝たきりを回避できるのかといったことがわかってくるかもしれません。

 

Apple Watch Series 4に搭載された健康センサーから、今後のAppleの動きや将来性、更に活発になる健康分野やフィットネス分野についてまとめてみました。将来市場として500兆円という莫大なお金が動く市場として注目されている健康市場、ぜひ今後も注目してみてください。

 

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