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LoRAは追加学習ツール!学習モデル種類やキャラクター生成以外の応用例を紹介

みなさんは「LoRA」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
LoRAは、画像生成AIやLLMにおける追加学習ツールで、特定のスタイルをテンプレート化でき、同じコンセプトのイラストや文章を生成できるようになります。

今回は、LoRAにはどのような学習モデルがあるか、キャラクター生成以外においてどのように応用できるかなどを紹介します。

この記事を読むと、以下のことがわかります。
1.LoRAとは何か
2.学習モデルの種類
3.LoRAの応用例

LoRAとは

LoRAとは、Low-Rank Adaptationの略で、LLM(大規模言語モデル)や画像生成AI(人工知能)を効率よく調整する手法のひとつです。ある特定のタスクやジャンルに寄せた出力を行う「ファインチューニング」と呼ばれる作業を行う際に用います。

ファインチューニングとは、すでに学習済みのモデルに新たな層を追加し、モデル全体を再学習する手法です。

簡単に言うと、AIで生成する文章や画像のテンプレートのようなものが出来上がるのです。

LoRAは画像生成AIソフトでよく使用され、キャラクター生成を行う方が多いとされています。しかし、今後はキャラクター生成以外の分野でも活用できるのではないかと模索している企業や研究グループがいます。

学習モデルの種類

LoRAには、複数の学習モデルがあり、自分の描きたい雰囲気やパーツ別に使い分ける必要があります。
順番に紹介していきます。

キャラクターLoRA

特定のキャラクターを生成するためのモデルです。企業のマスコットキャラクターや自身のオリジナルキャラクターなどのテンプレートを作成できます。そのため、毎回0からプロンプトを入力する必要がなく、同じキャラクターを生成するのが難しいとされていた課題をクリアしました。

服装LoRA

キャラクターの服装やアクセサリーを生成するためのモデルです。画風や色調をテンプレート化できるので、キャラクター設定がぶれることなく何度も同じキャラクターを生成することが可能です。

ポーズLoRA

キャラクターの特定のポーズを生成できるLoRAです。そのキャラクターならではの特定の動きやポーズを生成するのに向いています。

スタイルLoRA

さまざまな芸術的スタイルを生成できるLoRAです。印象派や抽象派などを生成できるため、自分のスタイルを確立できます。

オブジェクトLoRA

アイテムや物体の生成に特化したLoRAです。たとえば、車、建物、図式などを生成できます。

コンセプトLoRA

特定のテーマに絞った作品を生成できるLoRAです。たとえば、「海外の風景」「未来都市」などのテーマに基づき画像を生成できます。

LoRAの応用例

今回は、キャラクター生成以外のLoRA応用の可能性を紹介します。

教育現場、研究機関

教育ツールとしてのLoRAの活用も期待できます。美術やデザイン教育において、スタイルLoRAを学習させ特定のスタイルを再現することで、学生に学んでもらうのです。

たとえば、ゴッホやピカソのデザインスタイルを再現することで、学生はそのデザインの成り立ちや描き方を学ぶことができます。

研究機関では、複雑で難解な研究結果や資料を図式化することで、視覚的に理解しやすくするのに活用できます。オブジェクトLoRAを学習させることで、図式化のテンプレートを保持でき、さまざまな研究で使うことができるのです。

都市開発

LoRAは都市開発にも活用できるのではと期待されています。

実際に、社会実験を行う学生グループ「Reiwa no Land Reform」がLoRAを使った「京島LoRAプロジェクト」に挑戦しました。

このプロジェクトは、「生成AIを用いて建築や循環型社会を考えてみよう」というコンペに出場するためのもの。

京島は、木造建築の長屋が多く残り、下町ながらのコミュニティが存在する東京都墨田区にある街です。戦時中、奇跡的に戦火を免れ、当時の建造物がそのまま残っています。

しかし、宅地開発や防災対策により、この伝統コミュニティに危機が訪れています。

そこで、プロジェクトチームは「京島の建築スタイルを維持し、京島ならではの建築像を発展させていくことはできないか」と考え、これを実現するために画像生成AIとLoRAを用いたのです。

具体的には、現在の京島の写真数百枚をLoRAに学習させ、「京島っぽさ」を再現するとともに新たなコミュニティスタイルを提案しました。

そのスタイルが評価され、見事ファイナリストに選出されたのです。

このように、ユニバーサルデザインになぞらえた通り一辺倒の建造物や空間づくりではなく、その地域の伝統を守りつつ新たなスタイルを確立する「都市開発」「地域コミュニティ開発」にもLoRAは活用できると証明されました。

参照:ボトムアップの建築設計ツールとしての生成AI “京島LoRAプロジェクト”(1)|suudo

https://note.com/pseudoschiz0/n/n3afb99098500?magazine_key=ma4a6c9f4a661#f9b79f9f-4604-4aca-80b2-76a737e8aa64

まとめ

今回は、LoRAの学習モデル種類やキャラクター生成以外のLoRAの活用例を紹介しました。

新たなAI技術はどんどん登場しており、今は「とにかく使ってみよう」という流れで、個人の趣味の域を出ない技術もたくさんあります。

しかし今後は、新たなAI技術をどのようにビジネスや社会づくりに活用していくかを模索する企業や研究グループが増えるでしょう。

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