Apple WatchによるLTE通信
2017年9月に「Apple Watch Series 3」の発売が開始されました。特筆すべきは、LTE通信に対応するセルラーモデルが登場し、単体でのモバイル通信が可能となり、利便性が大きく向上したことです。ただし、従来通りiPhone が必要であることに変わりなく、セルラーモデルのLTE通信を利用する際もiPhone が必要です。また、NTTドコモ、ソフトバンク、auのいずれかと携帯電話契約をしていることも前提です。
eSIMが搭載された「Apple Watch Series 3」
「Apple Watch Series 3」には、GPSモデルとGPS+Cellularモデルの2種類があります。セルラーモデルにはeSIMが組み込まれており、大手3キャリアで利用している携帯電話と同じ番号で通話することが可能です。利用中のiPhoneからApple Watch の設定をしてeSIMにモバイル通信のためのキャリア情報を書き込めば、単体でLTE通信が可能です。
iPhoneから遠く離れた場所でも電話やメールが可能
Apple Watch単体でモバイルデータ通信が可能になったことは画期的で、利便性が向上したことは明らかです。「Apple Watch Series 3」では、iPhoneと連携していないときや、Wi-Fi 接続していないときでも単独でモバイルデータ通信が可能です。今後は、Apple Watchだけ持ち歩いて、電話をしたりメールをしたりできます。
Apple Watch の Bluetooth 通信とWi-Fi通信
Apple Watchは、Bluetooth とWi-FiによりiPhoneと連携するガジェットで、多くの機能はiPhoneとの連携で成り立っています。Bluetooth通信が遮断されない20mくらいの範囲内であれば、Apple Watch はBluetoothでiPhoneと連携します。Bluetoothでは繋がらないとき、Apple WatchはWi-Fi 接続を試みます。ただし、Apple Watchの機能だけでWi-Fi ネットワークを構成できません。Apple WatchのWi-Fi 接続は、ペアリングをしたiPhoneによって接続したことがある、ネットワークに限定されます。
iPhone の「Apple Watch 」アプリを使って設定する
Apple Watch単体でモバイル通信が可能になってもiPhoneが必要であることは変わりません。iPhoneが親回線でApple Watchが子回線という関係です。Apple Watchに組み込まれているeSIMは、抜き差しすることなく、無線通信で情報を書き換えたり、追記したりできますが、設定するにはiPhoneが必要です。「Apple Watch Series 3」においても、これまで通りiPhoneとペアリングをし、モバイル通信などの設定を行います。ペアリング時もしくはペアリング後に、iPhoneを使って親回線を契約している通信事業者への申し込みと、利用開始設定が必要です。
Apple Watchでモバイル通信をするには
Apple Watch単体でLTE通信をするには、大手3キャリアとの契約が必要です。iPhoneからApple Watch のモバイルデータ通信の設定を行おうとすると、iPhoneに差し込まれているSIMの通信事業の契約画面が自動的に表示されます。Apple WatchでLTE通信をするには、親回線となる携帯電話SIMの契約をしている通信事業者と、Apple Watchセルラーモデル向けサービスプランの契約をする必要があります。月額料金は、NTTドコモ「ワンナンバーサービス」が500円(税別)、ソフトバンク「Apple Watch モバイル通信サービス」とau「ナンバーシェア」が350円(税別)です。また、無料期間が設けられていますので通信事業者の公式サイトなどで確認してください。
MVNOではLTE通信ができない
最後に、補足ですがSIMフリーのiPhoneなどに、契約中の格安SIMを差してもLTE通信を利用できません。Apple WatchのLTE通信は、アップルがNTTドコモ、ソフトバンク、auの3社と契約していることで成り立っています。MVNOがアップルと契約することが難しいため、Apple WatchのLTE通信機能の利用は大手3キャリアに限定されます。
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