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Apple Watchの目玉機能「ECG」こと心電図機能はどうして日本で使えないの?

Apple Watch Series 4では小型化されただけではなく、心電図がとれるということでも注目されています。しかし心電図を取得するのに必要なアプリECGは日本で認可が下りず、使えない状態。多くのAppleファンをがっかりさせています。

Apple Watch Series 4の目玉機能であるECGが使えない理由と、心臓に不安がある人が「今」できることを考えてみました。

この記事では以下の3つのことがわかります。
①Apple Watchの「ECGアプリ」の概要がわかる
②ECGアプリが日本でリリースされない理由がわかる
③心臓に不安がある人が「今」できる対策方法がわかる

▽ヘルスケアに関する記事はこちら

Apple ヘルスケアと Google fit を比較

 

心電図が取れるECGは発表会の目玉だった

 

ECGのしくみについて

 

Apple Watch Series 4からは、それまでなかった電気心拍センサーが搭載されています。

LEDライトと感光性フォトダイオードという技術を組み合わせており、1秒ごとに数百回LEDライトを点滅させることで、手首に流れる血の量をもとに心拍数を計っているんです。

手首と密着するApple Watchの背面と、つまみであるデジタルクラウンに電極が付いていて、心臓の電気信号を受け取ることができます。

ECGアプリがあれば、デジタルクラウンに指を乗せると電気心拍センサーが心拍数を計ってくれるという精密な仕組みになっているんですね。

 

ECGで撮った心電図は「データ」として医師に送れる

 

心拍数が測れる腕時計は、日本にもすでにあります。ですが、今回心電図アプリECGが「すごい!」と言われているのは、ECGアプリで取得した心電図の波形や疑われる症状が、iPhoneに保存される点です。

さらにその保存した心電図データは、PDF形式でエクスポートすることで医師や病院と共有することができるんです。

つまり、Apple WatchはiPhoneの補助的な立ち位置から、医療分野にまで飛躍したのです。

 

身につけて使うApple Watchは心電図測定に最適

 

Apple WatchでECGを正確に使うには、正しい装着が欠かせません。血圧計や体温計と同じですね。手首にきちんとフィットさせることで使いやすさもECGの精度も向上していくというわけです。

「運動する時はApple Watchをきつめに装着したい」という人は、運動中はきつめに巻いて、運動後に少しゆるめれば問題ありません。Appleの公式サイトでも、巻き方についてしっかり説明されていますよ。
Apple公式サイト

▽ECGについてはこちらもチェック

香港やヨーロッパ19か国でApple WatchのECGアプリが利用可能に

目玉機能だからこそ日本非対応は残念

 

心電図が取得できるECGの搭載は医療分野への進出を意味しますし、Apple Watch Series 4の目玉機能でした。日本でも「これはすごい!」と感心した人は多かったことでしょう。

ですが医療機器の認可は簡単なものではなく、いざリリースとなると日本ではECGは使えないというのが現実でした。発表会で大々的に披露しておきながら日本で使えないなんて、ちょっとショックですよね。

「電気心拍センサーが搭載されているんだから、使えるんじゃないの?」と思いがちですが、ECGは心電図を取得するためのアプリなんです。つまり、国の認可が下りていない日本では、アプリ自体がリリースされていません。

Appleの公式サイトでも、ECGアプリのページだけは日本語版がない状態でした。
ECGのアメリカ向けサイト

命に関わる分野ですから、どの国もそう簡単には認可が下りないのでしょう。2019年1月時点でECGアプリが使えるのは、アメリカ以外ならプエルトリコ、グアム、米領バージン諸島のみとなっています。

ECGアプリによる心電図が取得できないものの、心拍数は計測できます。Apple Japanの公式アカウントが、YouTubeで動画を紹介しています。

 

ECGは22歳以下は対象外

 

Apple Watchは若い人にも人気ですが、実はECGアプリは22歳以下のユーザーを想定していません。つまりアメリカであっても22歳以下の人は、ECGアプリを使えても精度は不安定なのかもしれません。

 

日本版は「転倒検知機能」が有効

 

Apple Watchをつけているときに激しく転倒すると、「緊急SOSしますか?」と転倒を検知してSOSをすぐ出せるようになっています。

1分間経っても動きがないとApple Watchが判断すると、自動的に緊急通報サービスを作動させ、119番通報します。また、iPhoneにもインストールされているメディカルIDで緊急連絡先を登録していた場合、そちらにもメッセージは行きます。

「家族に連絡がいくだけだろう」と思って気軽にSOS発信すると、119番につながりますので注意しましょう。

▽Apple Watchが気になってきた方はこちら

Apple Watch 4がついに登場!LTEモデルとGPSモデル、どちらを選ぶ?

 

ECG日本でのリリースは国の認可待ち状態

 

アメリカでリリースできたのはFDA認可を取っているから

 

アメリカでは、ECGの「FDA認可」をちゃんと得ているのでリリースできています。

FDA認可とは?
「アメリカ食品医薬品局」というアメリカの政府機関。日本でいう厚生労働省や総務省のようなもので、医療品や医薬品、化粧品などの取り締まりを行っています。

食品、医薬品、化粧品及び医療機器などの許認可や規制、安全性や有効性の評価、臨床試験の規制、違反事例の取り締まりなどを専門的に行うアメリカの政府機関。

公益社団法人 日本薬学会より引用

ちなみにアメリカではKardia BandというApple Watchの付属品も発売されていて、こちらもFDA認可を取得しています。AI機能も付いているので、装着している人の心電波形のデータを蓄積して異常を検知する機能も持っています。

 

ネックとなるのは日本での認可

 

Appleとしては、ECGアプリをアメリカだけではなく世界中で使えるようにしたいと考えています。日本でもECGアプリをリリースしてもらうためには、日本の認可を取得するしかありません。

ちなみに、ECGアプリがアメリカでFDA認可を取得する時は、2カ月弱でできたようです。日本の場合、化粧品や健康食品が厚生労働省の認可を受けるのには何年もかかります。ECGが日本で使えないのは、この認可が下りるまでの期間の長さがネックであると言わざるを得ません。

 

心臓に異変を感じても「証拠」が見つからないことは多い

 

心房細動は急にやってくる

 

Apple WatchのECGはつけている間心電図をとってくれるので、心房細動の発見に効果的といわれています。心房細動は不整脈につながる危険な状態なのですが、急にやってくる不規則な症状なんです。

「心臓がおかしい!」と思って病院で検査しても、その時に異常なしとなると、医師もなかなか診断できません。つまり脈を常に測って、不調の瞬間を押さえることが重要なんです。

 

ECGで「命を救われた!」というケースは実際にある

 

ECGアプリが使えるアメリカでは、実際にアプリで心臓の不調が見つかり病院で適切に処置してもらえたというケースがすでにあります。
そのため心臓に不安がある人ほど、「ECGアプリが日本でも使えたらなあ」と切望している状態なのです。Apple Watchをスマートに使いながら心臓の異常を検知してくれれば、さらにApple Watchの価値があがりますよね。

 

「今」心電図を取りたいなら別の手を考えるしかない

 

日本の認可が下りていない以上、ECGアプリを日本で使うことはできません。心臓に不安がある人はECGアプリの解禁を心待ちにしながら、別の対策をとっておきましょう。

携帯できる心電計なら、オムロン株式会社の心電計が人気となっています。この携帯型心電計は家庭向けでしっかり日本での認可を取得している心電図ですが、Apple Watchのように腕に巻き付けて使うものではありません。
オムロン公式サイト

ECGアプリはアメリカで精度が高いといわれていますし、早く日本でも使えるようになってほしいものですね。

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