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UnityとAutodeskの提携とその後の余波


3Dグラフィックスの進化は、ソフトウェアの使い勝手とともに進んできた経緯も見過ごせません。

世界で最も使われている3Dソフトウェアを代表するUnityとAutodeskは、2017年に協業する旨を発表しましたが、どのような影響をもたらしてくれると期待できるのでしょうか。

この記事を読むと以下のことがわかります
①汎用性に優れるUnity
②3DCG制作には欠かせないAutodesk
③新サービスであるUnity Reflectも登場

Unityについて

具体的な提携についての話の前に、まずは様々な領域で活躍しているUnityついて見ておきましょう。

ゲームエンジンとして活躍するUnity

Unityは、開発から実行までの全てを一つのソフト上で行うことができる、統合開発環境の一種です。グラフィック面でのツールが充実していることから、特にゲームソフト開発において非常に重宝されています。
2D/3Dでの描画はもちろんのこと、音楽の再生やプログラミングによる制御、データ管理など、あらゆる作業がUnityで完結します。

Unityは公式、非公式を問わない充実のアセットストアを備えている点も魅力です。Unityでは3Dグラフィックをソフト上で作ることもできますが、モデリングに慣れていないユーザーが一から制作するには難易度が高いものです。

そこでアセットストアを活用し、キャラクターデザインや背景、効果音など、ゲーム制作に必要なあらゆるパーツを、Unity経由で購入することができるのです。

制作途中に「あのアクセサリが欲しい」となった時でも、ボタン一つでアセットストアへ行き、必要な材料をそこで調達することができます。

これだけの利便性を備えていながら、基本使用料金は無料であるのもUnityの特徴です。通常、ゲームエンジンは特定のゲーム会社でのみ使用が許可されていたり、一般に公開されたとしても高額であるということがほとんどです。

一方、Unityは営利目的のようなプロ向けの利用でなければ、全ての機能を無料で提供しているというのが大きな強みとなっています。

様々な現場で運用される汎用性を備える

Unityはゲームエンジンとしての知名度の高さももちろんですが、ユーザー数の増加に伴い、多方面での応用的な運用も盛んに行われています。
例えばシネマティックなアニメーション撮影ではすでに第一線で活用しており、軽快かつ滑らかな動作は現場から高い評価を得ています。

2019年に公開された最新CG映画、「ライオン・キング」ではUnityが採用されていました*1。ここでは3DモデリングにAutodeskのMayaも併用されていましたが、この点については後述します。

あるいは自動車業界などの製造の現場です。Unityを使用したVR映像によって、現実に則した物理法則を有する仮想空間に精密なモデルを作り出し、現実世界では実現できないシミュレーションテストを低コストで行うことができます*2。

建築の現場では、現実以上に自由度が高く、かつ安全性も確保された立体シミュレーションによって、まだ見ぬデザインの可能性の追求が行われています。

そしてこの夢のようなプラットフォームとの提携を実現させたのが、他でもないAutodeskという3Dソフトウェアです。Autodeskは、どのようにUnityの可能性を押し広げてくれるのでしょうか。

Autodeskの概要

Autodeskは、もともと図面作成システムであるオートCADの開発で有名になった企業です。現在はオートCAD以外にも様々なソフトを提供しており、用途に応じて異なる特徴を備えているため、幅広いユーザーを抱えています。

用途に応じた3Dソフトを提供

Autodeskで最も人気のあるソフトウェアの一つとしては、Mayaが挙げられるでしょう。Mayaは3DアニメーションやVFXを制作する際に用いられるハイエンドなレンダリングソフトで、プロフェッショナルの現場で運用される、業界標準のプロダクトです。
Unityに搭載されている簡易的な3Dモデリングとは異なり、毛穴の一つ一つを描き出すようなモデリングを行うことができるため、まるで本物の生物や、綿密な都市の景色を表現するのにも耐えうる仕様となっています。

前述のように、映画「ライオン・キング」でもUnityと合わせて各キャラクターのレンダリングに使用されているほか、ドラマ「ストレンジャー・シングス」シリーズに登場するクリーチャーもMayaで作成されました*3。

一方の3DS MAXもMayaとほぼ同じ性能を備えていますが、こちらはプログラミングの知識をほぼ必要とせず、豊富なプラグインを使って拡張させていくことができます。

逆を言えば、Mayaはプログラミング言語への造詣が求められることもあるため、そちら馴染みがないという人には3DS MAXが使いやすいこともあるかも知れません。

何れにせよUnityも合わせて使う場合はプログラミング言語も自然と必要になるため、言語を扱う力は試されます。

プラグインにはアニメーション系のものが目立つため、3Dアニメーションの作業が多い人は3DS MAXを好んで使うケースも見られます。

業種を問わず活躍するAutodeskとUnity

3D技術を使う現場は各業界に偏在しています。現実と違わぬ立体物を、仮想世界でシミュレートできるようになったことで、グラフィッカーやエンジニア、プログラマー、そして3D関連ソフトウェアはその需要をますます拡大させています。
一方、そのニーズが高まったことで、各ソフト間の隔たりが生んだ使い勝手の悪さも指摘されるようになってきました。

統合開発環境としてUnityは優秀でも、3DレンダリングはMayaの方が優れています。

そのため、以前からこれらのソフトは非公式に併用して用いられてきたものの、ソフト間のデータのやり取りはサポートされてこなかったため、度々最適化のために頭を悩ませてしまうユーザーも少なくありませんでした。

UnityとAutodeskの提携の影響

そこで発表されたのが、UnityとAutodeskの提携です。互いにデータのインポート・エクスポートを公式にサポートすることで、よりソフト間の連携を高めてくれるよう、仕様が変更されたというわけです*4。

Unity Reflectの登場

UnityとAutodeskの協力関係が現れたニュースとしては、Unity Reflectのリリース決定も挙げられます。
Unity Reflectは、Autodeskのソフトの一つであるRevitを統合した製品で、建築関係に大きな恩恵をもたらしてくれることが期待されています*5。

特に注目が集まっているのがBIMデータの共有が可能になったという点で、ユーザーに大きな影響をもたらしてくれると考えられています。

BIMデータの活用

BIM(Building Information Modeling)データは、3Dの建築モデルにコストや管理情報など、その建築物に関わるあらゆる情報を統合したワークフローです*6。

BIMデータ一つで建築デザインに関わる全ての情報を知ることができるため、環境性能や仮想空間でのシミュレーションを円滑かつ正確に行えるようになることが期待できます。

Unity Reflectは25を超えるプラットフォームでBIMデータを共有することを可能にし、世界中のどこからでも同じ仮想空間で建築物のシミュレーションを行うことができるようになるでしょう。

エンジニアやデザイナーによって使用するプラットフォームやデバイスが異なるというのは日常茶飯事ですが、Unity Reflectがあれば、情報共有も非常に効率的なものになるはずです。

おわりに

Unity Reflectのリリースに合わせ、Unityではそれに関連するAPIも現在鋭意開発中です。
公式にUnityとAutodeskがパートナー関係となったことで、今後3D関連の技術は積極的に、そして飛躍的にあらゆる産業で活用されていくことになるはずです。

今後も続々とこの関係性を生かした新サービスの登場が期待できますが、3D関連のエンジニアを志す人にとっても、頼もしい追い風となるのではないでしょうか。

参考:
*1 CG Navi 「公開直前『ライオンキング』! MayaとUnityで作られたリアルさとは!?」

*2 Unity「ソリューション」

*3 MAYA

*4 PR TIMES「ユニティ・テクノロジーズがオートデスクとの協業を発表 」

*5 PR TIMES「Unity、建築・製造・建設業向け新製品「Unity Reflect」を発表 」

*6 Autodesk 「BIMとは?」

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