1. TOP
  2. ブログ
  3. Googleのグレース・ホッパーが米・英・西を結ぶ

Googleのグレース・ホッパーが米・英・西を結ぶ

私たちが世界中の国とインターネットでつながれているのは、なぜでしょうか。そのヒントは、海の中にあります。

今回は、Googleの新しい海底ケーブル「グレース・ホッパー」と、海底ケーブルについて紹介するので、参考にしてください。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります

①Google グレース・ホッパーの概要 ②海底ケーブルとインターネットの関係 ③グレース・ホッパー以外の海底ケーブル建設計画

Googleのグレース・ホッパーとは*1 *2 *3 *4 *5 *6

はじめに、Googleのグレース・ホッパーについて簡単に説明していきます。

海底ケーブルの名称

「グレース・ホッパー」とは、Googleが整備している海底ケーブルの名称です。
2022年の完成を目指して、整備を進めていくことになっています。
海底ケーブルは民間企業が共同して設置することもあります。
しかし、今回の「グレース・ホッパー」は、Googleが海底ケーブルプロバイダーと提携し、単独で整備します。

アメリカとイギリス・スペイン間を結び、Googleサービスの充実を図る

出典:Google

グレース・ホッパーの経路は、上記図の通りです。
アメリカのニューヨークから、イギリスのブード・スペインのビルバオを結びます。
新型感染症の影響で、インターネットの通信量は増加しています。
Googleでは、より高品質で安定した通信を行えるよう、グレース・ホッパーの整備を進めていくのです。

グレース・ホッパーは、Gmail・Meet・Google Cloudのサービス強化に用いられます。
そのほか、スペインのマドリードには、Google Cloudのリージョンが開設される予定です。
マドリードでのサービス提供のためにも、グレース・ホッパーは活用されます。

合計32本のケーブルで、通信の信頼性を強化

グレース・ホッパーでは、光ファイバーが16ペア備えられています。
合計32本の光ファイバーで、通信の信頼性を高めていくことになる予定です。
グレース・ホッパーの敷設が終われば、アメリカ・イギリス・スペイン間の通信のみではなく、世界中の通信の信頼性を高めていくことになるでしょう。

既存の海底ケーブル「キュリー」「デュアン」「エクイアーノ」と接続予定

グレース・ホッパーは、これまでGoogleが整備してきた下記海底ケーブルと接続される予定です。

Curie(キュリー) Dunant(デュナン) Equiano(イクイアーノ)

Curie(キュリー)

 出典:Google

キュリーは、アメリカと南米を結ぶ海底ケーブルです。
2019年11月に敷設やテストが終わっています。
アメリカのロサンゼルスと、チリのバルパライソをつないでいる、1万500kmにも及ぶ海底ケーブルです。
また、途中で分岐させパナマのバルボアにも接続することになっています。
パナマに接続することで、中央アメリカのインターネット接続も強化される予定です。

Dunant(デュナン)

出典:Google

デュナンは、アメリカとフランスを結んでいます。 大西洋を隔てたアメリカとヨーロッパ間は、インターネット通信の中でも、最も混み合うルートの1つです。 アメリカとヨーロッパの間の通信を強化する目的で作られています。 2020年の工事完了予定とされています。

Equiano(イクイアーノ)

出典:Google

エクイアーノは、ポルトガルとと南アフリカをつなぐ海底ケーブルです。
途中でナイジェリアも経由することになっています。
これまでアフリカ地域に敷設されたケーブルのよりも、20倍の容量をもつものとされています。
エクイアーノは、2021年に整備完了予定です。

「グレース・ホッパー」は、女性プログラマーが由来

今回発表された「グレース・ホッパー」は、人物名が由来となっています。 グレース・ホッパーは、プログラミング言語のCOBOLを開発した、女性プログラマーです。 また、デバッグということばを広めたともされています。

海底ケーブルとインターネット通信の深い関係*1 *7

インターネットで通信するときには、Wi-FiやWiMAX、スマートフォンなど電波で通信していることが多いでしょう。
しかし、インターネット通信のほとんどは海底ケーブルを介して行われている場合がほとんどです。

国際的なインターネット通信の98%は、海底ケーブルが使われている

Googleによれば、世界のインターネットの98%は、海底ケーブルを介して行われています。 その上、総延長は、地球の30周分ともいわれています。 今回発表されたグレース・ホッパーをはじめ、今後もケーブルは敷設されていくでしょう。 そのため、ケーブルの総距離はより増えていくと考えられます。 出典:Submarine Cable Map

画像は、海底ケーブルの経路を表したものです。
アメリカとアジア間、アメリカとヨーロッパ間は特にケーブルの本数が多いことがわかります。
日本も、海底ケーブルの経由地や終着地となっている場合が多くあります。

Googleの海底ケーブルの今後*9 *10 *11

最後に、Googleの海底ケーブルにかかわるニュースを紹介します。

ロサンゼルスと香港をつなぐ「PLCN」は、経路変更を余儀なくされた

海底ケーブルを整備していく際には、国と国の関係性や政治に影響を受けることがあります。 ロサンゼルスと香港をつなぐ予定であった「PLCN」は、米中関係の悪化により計画が変更されました。 出典:Pacific Light Data Communication

当初のルートでは、ロサンゼルスと香港を直接つなぐ予定でした。
しかし、米中関係の悪化から香港ルートは破棄され、アメリカから台湾・フィリピンをつなぐルートに変更されたのです。

Google・Facebookが計画を続行し、香港企業は計画から外れる

また、計画時にはGoogle・Facebook・香港の企業でケーブルを敷設していくことになっていましたが、香港企業は中国本土とのつながりが深いとされ、計画から外されてしまいました。
海底ケーブルは、設置国間の信頼関係が築かれているからこそ敷設されているといえるでしょう。

◆まとめ
今回は、Googleの海底ケーブル「グレース・ホッパー」を紹介しました。
普段私たちが何気なく利用しているインターネット通信は、海底ケーブルを介して行われています。日本では、海底ケーブルは千葉県や三重県などに設置されるケースがほとんどです。
その2箇所から、世界につながっているといえます。

今後もインターネットの通信量が増加するにつれて、海底ケーブルはますます整備されていくでしょう。

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX

▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

▽Googleについてはこちらもチェック
Googleが開発したVR描画アプリ「Tilt Brush」で新感覚イラストレーション!
https://www.capa.co.jp/archives/32361
GooglePixel4はなぜ自社開発?スマホ参入の目的とは
https://www.capa.co.jp/archives/32611
GoogleがFitbitを買収?Apple Watchに対抗できるか
https://www.capa.co.jp/archives/32642

◆参考URL
1)Announcing Google’s Grace Hopper subsea cable system
2)Announcing the Grace Hopper subsea cable
3)Google’s Curie private subsea cable is ready for service between the US and Chile, with a branch to Panama
4)Meet Curie, Google’s international fiber optic subsea cable
5)Delivering increased connectivity with our first private trans-Atlantic subsea cable
6)Introducing Equiano, a subsea cable from Portugal to South Africa
7)Submarine Cable Map
8)総延長は地球30周分! 日本と世界の国際通信をつなぐ『光海底ケーブル』のヒミツ
9)グーグルらの海底ケーブルが異例の計画変更、米中対立で大動脈分断
10)Google, Facebook Dump Hong Kong Cable After US Security Alarm
11)Pacific Light Data Communication Co. Ltd. |

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP