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Google FitとApple ヘルスケアを比較

リストバンド型活動量計の流行からはじまり、個人の健康状態をデジタル機器で計測して管理する人々が増えました。現在、ヘルスケアのアプリは多数あります。そんな健康管理アプリの中から、Googleのフィットネスアプリである「Google Fit」とAppleのiOSの機能として搭載されている「Apple ヘルスケア」の2つを比較します。

 

 

Google FitとAppleヘルスケアを2つの観点から比較

 

結論から言ってしまうと2つの違いは、Google Fitはいわゆる普通のフィットネスアプリであり、AppleヘルスケアはiOS上で可動するヘルスケアアプリのプラットフォームといえるのではないでしょうか。Appleヘルスケアの方が、総合的な健康管理が可能で、本格的な医療機器への可能性を秘めています。

サードパーティー製の健康管理アプリを登録できることが、双方ともに活用の範囲を広げる鍵です。Appleヘルスケアでは「アクティビティ」「マインドフルネス」「栄養」「睡眠」というカテゴリーで、おすすめアプリが表示されます。さらに健康診断を受けたときの血糖値などのデータのほか、血圧・呼吸数・心拍数・体温など「バイタル」の情報を管理できます。ただし、Google Fitも「ジャーナル」によって連携したヘルスケアアプリの情報を一覧できます。

それぞれのアプリの公式サイトと、Google Fitのダウンロード先は以下になります。

■Google Fit: 運動を記録して健康的な生活を
公式ページ
https://www.google.com/intl/ja_jp/fit/
アプリのダウンロード
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.apps.fitness

■Appleヘルスケア
公式ページ
https://www.apple.com/jp/ios/health/

 

比較1:計測できるデータ

 

まず、計測できるデータの比較です。

Google Fitは日常生活の健康を計測する指標として、世界保健機関(WHO)とアメリカ心臓協会(AHA)と共同で2つの運動値を設定しました。第1に「通常の運動」で、長時間座ったままではなく、立ち上がって動く日常生活の運動です。この運動は、Appleヘルスケアでも計測できます。第2に「強めの運動」。心拍数を上げて健康を維持する運動です。これらの運動値は「ハートポイント」と呼ばれるポイントに換算されます。

Google Fit単体で計測できるデータは、ランニングやサイクリングなどのスピード、ペース、ルートなど、一般的なフィットネスアプリとあまり相違がありません。一方、Appleヘルスケアでは、睡眠時間やマインドフルネス、栄養など健康に関する総合的なメニューを揃えています。サードパーティー製のアプリと組み合わせて、自分が気にしている健康状態を管理できるようにカスタマイズ可能です。

たとえば「睡眠」は、iOS10で時計に追加された「ベッドタイム」の機能を使って計測します。とはいえベッドタイムは、起床時間、曜日、睡眠時間、リマインダーなどを設定し、いわば目覚まし時計に自己申告する方法です。自動的に眠っている状態を検出する機能はありません。しかし、加速度センサーやマイクを使ったアプリと連携させる拡張性があります。

以下、2つのアプリで計測できる情報を表にまとめました。

Google Fit Appleヘルスケア
  • 通常の運動(分)
  • 強めの運動(ハートポイント)
  • ランニング、ウォーキング、サイクリングの統計情報(スピード、ペース、ルート)
  • アクティビティ(立ち上がる頻度、エクササイズの回数、1日の消費カロリーなど)
  • 睡眠時間
  • マインドフルネス
  • 栄養
  • 心臓
  • 身体測定値
  • リプロダクティブヘルス
  • バイタル

 

比較2:目標管理と心の健康管理

 

がデジタルヘルス関連アプリは「目標管理」が重要です。目標値を設定して運動量をトラッキング(追跡)します。そこで次は管理機能を比較します。

「健康のためには1日5000歩(1万歩)を歩くのがいい」と聞いたことがあるかもしれません。しかし、その根拠は歩数メーカーがなんとなく決めたともいわれます。Google Fitの健康管理では、アメリカ心臓協会(AHA)の「毎週150分間、中程度の運動を推奨」という運動量に基づいてポイントで目標管理するハートポイントを採用しています。

ハートポイントは、心臓に負荷をかける激しい運動の方が高くなります。たとえば30分のウォーキングが30ポイントとすれば、同じ時間のランニングは倍の60ポイントです。デフォルトのハートポイントは10に設定されていて、この目標値は変更可能ですが、達成したかどうかでアドバイスが表示されます。

こうした科学的なアプローチのGoogleに対して、Appleヘルスケアの「マインドフルネス」はAppleらしいユニークな機能です。身体の健康というより心の健康を支援する機能になります。

「マインドフルネス」という言葉自体は古くからありましたが、2016年頃から話題になりはじめました。「いまここ」に意識をフォーカスして、瞑想をすることでストレスを軽減し、集中力をアップさせます。さまざまなアプリがありますが、目をつぶって波の音を聴きながら「呼吸に意識を向けていきます」などの音声に合わせて、数分間の瞑想でリラックスするものです。

Google Fitにマインドフルネスの機能はありませんが、ちょっとしたTipsをお教えします。ブラウザのGoogle検索で「深呼吸」を検索してみてください。「1分間の呼吸エクササイズ」ができます。難しい仕事をむちゃぶりされて、カリカリした気分のときは「深呼吸で検索」です。

 

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デジタルヘルスの動向

 

ところで、Apple Watch Series 4が9月21日に発売されました。心拍センサーが改良され、心電図計測機能の追加が注目を集めました。デジタルクラウン(通常の時計で針を合わせるための竜頭)にセンサーを搭載し、手首に装着したまま突起に指を置いて計測します。さらに転倒して1分以上ユーザーに動きがなかった場合、緊急通報する機能も追加されました。

ところが、残念ながら日本では、心電図計測機能などは使えないようです。

「心電図」として利用するには、薬事法で第三者機関である独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)の審査を受けなければならないからです。米国では、日本の厚生労働省に該当するFDAに認可されましたが、日本で心電図計測機器として使うには「クラスⅡ」という領域で、厳しい審査が必要になります。これまでにない健康に関わる消費者向けデバイスのため、慎重に扱われることは当然といえるでしょう。

大規模な医療施設のIT化、遠隔医療、個人の健康管理など「デジタルヘルス」は大きなビジネスチャンスです。富士通総研によると、デジタルヘルスビジネスの市場規模は年々拡大傾向にあり、世界市場では現在1,180億ドルですが、2020年には2,060億ドルに達し、特にウェアラブルにおける成長が見込まれています。

参考:デジタルヘルス時代における大企業とスタートアップの関係性(2018年1月30日)
http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/column/opinion/2018/2018-1-5.html

「睡眠報酬制度」という画期的な福利厚生制度も話題になりました。結婚式のプロデュースを行う株式会社CRAZYでは、1週間に6時間以上の睡眠を5日以上とった社員には6万円が支給されるそうです。「airweave Sleep Analysis」というスマートフォンのアプリを枕元に置いて計測します。

モバイルのデバイスを使ったデジタルヘルスは「mHealth(モバイルヘルス)」といわれていますが、個人の健康管理はもちろん、企業における社員の健康管理にも活用の機会がありそうです。

 

 

結論としてAppleに期待したい、その理由

 

GoogleとAppleのヘルスケアに関するアプリを比較した結論として、Appleに期待します。その理由は、Google Fitがフィットネスアプリの領域を越えていないことに対して、Apple ヘルスケアは「本格的なデジタルヘルスのプラットフォームビジネス」として可能性があるからです。心の健康を扱っていることも理由のひとつ。また、個人情報を扱う上で、ハードウェアとOSが一体化したAppleに優位性があると考えられます。

モバイル決済にしてもデジタルヘルスにしても、技術やデバイスは完成しているのに制度が追いつかないことがもどかしいですね。日本における実用化を待つばかりです。

 

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