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ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)の互換性を調査!

この記事でわかること
・ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)の操作面での互換性
・ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)のファイル互換性
・ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)を混在させるときの注意点

ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)の操作面での互換性

ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)はどちらもBIM(Building Information Modeling、ビルディング インフォメーション モデリング)という分野のソフトウェアです。

BIMソフトウェアは従来の3DCADを大きく発展させたものです。具体的には建材や建具、設備機器などの建造物を構築するために必要な部材を「オブジェクト」として定義しています。
このオブジェクトには形状、数量、品番、寸法、素材、性能、価格、組立工程などの情報が含まれているため、コンピュータの中で実際の建造物と同じ情報を用いて建造物を構築することができます。
現在のBIMソフトウェアは企画から基本設計、実施設計、施工管理、維持管理までをトータルで行えるものが主流になっています。
BIMソフトウェアで建造物を構築することで、必要な図面を必要な時に出力することが可能です。
また、修正を加えた場合は瞬時にすべての情報が書き換わることも特徴の一つです。

BIMソフトウェアの中でも、ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)はシェア上位に位置しています。
一般社団法人日本建築士事務所協会連合会の調査によると、BIMソフトウェアの国内シェアはArchiCAD(アーキキャド)が43.0%、Revit(レビット)が33.2%とこの2つのソフトウェアで国内シェアの約3/4を占めています。*注1

ArchiCAD(アーキキャド)はGRAPHISOFTが開発しているソフトウェアです。BIMの概念をもった先駆的なソフトウェアとして初期バージョンはMacintosh用で販売されました。
2022年8月現在、Windows版とMac版が発売されています。特にMacユーザには大きな支持を得ています。

Revit(レビット)はAutodeskが開発しているソフトウェアです。
AutoCADを開発している会社でもあるので、AutoCADユーザがRevit(レビット)を使うケースが多いようです。
こちらも2022年8月現在、Windows版とMac版が発売されています。

では、ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)の操作性について、どのくらい互換性があるかをみてみましょう。

メニューやコマンド、オブジェクトの選択などはどちらのソフトも一般的なCADソフトを操作したことがある方ならば、それほど難しくなく扱えます。
また、BIMという概念は同じなのでオブジェクトを選択したり基本的な作図をしていく操作はさほど変わりはありません。

ただ、ArchiCAD(アーキキャド)は一般的なCADと同じ「レイヤ(画層)」を持ってるのに対し、Revit(レビット)はレイヤがありません。
そのかわりオブジェクトは「カテゴリ」という区別に振り分けられます。
他にも、ArchiCAD(アーキキャド)にはオブジェクトを汎用的に扱う機能があります。
例えば壁の属性を変更して床にすることができるのに対し、Revit(レビット)はオブジェクトの情報を汎用的に変えることができません。
そのため、次に説明するデータ変換時に修正が必要になることもあります。

ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)のファイル互換性

次はArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)のファイル互換性についてみてみましょう。

基本的に、ArchiCAD(アーキキャド)もRevit(レビット)も標準で出力されるファイルはそれぞれのソフトウェア専用です。

しかし、これでは使い勝手がよくないので、buildingSMART*注2という団体がIFC(Industry Foundation Classes)*注3という中間ファイルを提唱しています。

buildingSMARTには様々なソフトウェアメーカーが参加しています。
ArchiCAD(アーキキャド)の開発者元であるGRAPHISOFTやRevit(レビット)の開発者元であるAutodeskも参加しているので、ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)もIFC形式のファイルを読み書きできるようになっています。

イメージ的にはCADで汎用的に使えるDXF形式と同じようなものです。
こちらはAutoCADを開発したAutodeskが提唱し、仕様を公開しています。
この公開された情報を元にして各CADメーカーが自身のCADソフトウェアで読み書きできるようにしています。

このIFC形式ファイルによって、それぞれのBIMソフトウェアでファイルの互換性をある程度維持することができるようになりました。

ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)の互換性についての注意点

さて、今まで操作の互換性とファイルの互換性についてみてきました。
ArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)について、ある程度の互換性を保つことが可能であることはおわかりいただけたと思います。

「ある程度」としたのは、特にファイルの互換性については中間ファイル(IFC形式)を介してのやり取りになります。
それぞれのソフトウェア独自の構成やオブジェクトの属性についてはうまく移行されないこともあります。
そのため、移行されなかった部分はIFC形式でファイルを読み込んだあとに、そのソフトウェアで修正を加える必要があります。

まとめ

今回は国内シェア1位、2位を占めるArchiCAD(アーキキャド)とRevit(レビット)の互換性について説明しました。

どちらも優れたBIMソフトウェアであるため、その選定には悩むところです。

BIMは従来のCADと違い、企画・設計から施工管理、維持管理まで建築プロセスの全てにおいて活用できる概念です。
この概念を実現するためにBIMソフトウェアが必要になります。

テスト環境で様々なBIMソフトウェアを評価することは必要ですが、その中からプロジェクトに最適なBIMソフトウェアをひとつ選択することが大切でしょう。

プロジェクトは自社だけではなく、取引先や外注先、施工主など様々な人々が関係します。
ソフトウェアの選定はもちろん、技術者や管理者の育成、運用コスト、運用環境の構築など考慮する点は数多くあります。

プロジェクト全体でどのBIMソフトウェアを使い、導入したBIMソフトウェアの運用をいかに効果的に行っていくかがBIMを成功させるカギとなるでしょう。

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参考文献
注1
建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査 報告書(WEB版)
http://www.njr.or.jp/pdf/BIM_report_web.pdf
注2
buildingSMART
https://www.buildingsmart.org/
注3
IFCとは
https://technical.buildingsmart.org/standards/ifc

2022年8月31日 情報更新

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