SolidWorks2022の新機能一覧と参考コンテンツ紹介
SolidWorksは毎年メジャーリリースアップを行っています。
この記事では、2021年12月にリリースされたSolidWorks2022はどのような新機能があるかをUX、部品設計、アセンブリなど分野ごとに一覧化しています。
あわせてSolidWorks2022の新機能を直感的に体感できるコンテンツもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
SolidWorks2022の新機能一覧
SolidWorks2022では、「Work Smarter,Work Faster,Work Together」を開発テーマに掲げ、以下のような新機能を追加しています。(*1)(*2)
UX(ユーザーエクスペリエンス)の強化
操作面では以下の新機能があります。
・Qキーショートカット
・コマンド検索
キーボードの[Q]キーにショートカット操作が割り振られ、非表示の参照ジオメトリを一時的に表示できるなど、構成部品の参照ジオメトリ選択を素早く表示可能です。
また、[S]キーでショートカットバーを呼び出して、任意のコマンドの検索や実行、コマンド追加が可能です。
・Pack and Goプログレスバー追加
Pack and Goは、モデルの作成に関連する部品やアセンブリ、図面などすべての要素を1つのフォルダやzipファイルに集約する機能です。
新しいプログレスバーでエクスポートの進行状況が追跡しやすくなっています。
3次元部品設計の効率化
3次元設計では以下のような機能が強化されました。
・ドラフト機能強化:両側へ1コマンドでドラフト追加
・部品構成パターン改善:位置づけに関する洞察をもとにインスタンスを作成
・断面の機能強化:円筒面と軸から断面図を作成
・ハイブリッドモデリング機能:非ネイティブジオメトリにフィーチャーを簡単に追加
・コネクタ用バックシェル:SolidWorks Routingにバックシェルのサポートが追加
金型を考えるとパーティングラインの全周に抜き勾配が必要ですが、従来のドラフトでは、2コマンド分の操作が必要でした。
ドラフト機能強化では、パーティングラインの両側に抜き勾配を同時に作成できます。
同じ径のねじ穴を複数作成する場合のパターンを配置する際は、点を定義して配置する必要がありました。
部品構成パターン改善では、構造から機能を推測して自動インスタンス化が可能です。
アセンブリの効率化|大規模データ表示の改善
複雑な構造の読み込みにも対応しています。
・大規模デザインレビューモードからディテイリングモード画面を表示
今までのSolidWorksでは、解除済みモードとツリー構造だけを読み込むモードとの使い分けができませんでした。
解除済みモードでは、すべての構成要素の寸法や履歴などが読み込まれるため、ロードに時間がかかりメモリも多く消費される課題がありました。
SolidWorks2022では、いったん構造のみでアセンブリが読み込めるようになったため、大規模な構成部品画面でも数秒で作業が開始できます。
アセンブリの効率化|コンフィギュレーション強化
コンフィギュレーションとは、形の異なる複数の部品やアセンブリをまとめて1つのファイルに保持する機能で、サブアセンブリの管理に便利です。
・コンフィギュレーションテーブル
コンフィギュレーションに、コンフィギュレーションテーブル機能が追加されたため部品のバリエーション管理が効率化できます。
例えばコンフィギュレーションを複数作成した場合、コンフィギュレーションテーブルが自動生成されて各々の差が明示されます。
ここまでは以前からある設計テーブルと同等ですが、コンフィギュレーションテーブル上では、チェックやプロパティの変更を行った場合にもコンフィギュレーションに反映されます。
図面の作業性向上
作図関連機能では以下が追加されています。
・ディテイリングモードで標準ビューの作成
・ディテイリングモードで穴テーブル作成
・寸法線の半径、直径、直線の表示切替
・対象線形直径の寸法省略表示
・寸法値の大きい順に並び替え
ディテイリングモードで標準ビューの作成では、事前定義が必要ではあるものの決まった図面を複数作成する場合に効率化が可能です。
SOLIDWORKS Simulationの機能強化
シミュレーションでは以下の機能が追加されています。
・解析時間を短縮
・リンクロッド機能の追加
解析時間を短縮し作業の高速化が図られています。
例えば、強度解析で使われるボンド解析では、計算時間が35%向上しています。
リンクロッド機能では、強度解析時におけるせん断力や軸力、曲げモーメント、トルクなどをまとめて定義できるため解析前の要件定義の効率化が可能です。
SOLIDWORKS Visualizeの機能強化
SOLIDWORKS Visualizeは、CADモデルからリアルな画像や映像を作成する製品です。
新機能は以下などです。
・カメラに適合:背景と3Dモデルを重ね合わせる際にパース表示を使用した自動配置、影の調整
・Visualizeのパターン機能を改善
クラウド版SolidWorksの機能強化も行われている
3DEXPERIENCE Worksは、クラウド版のSolidWorksで、設計の一部を担う中堅・中小規模の企業での導入が進んでいます。
CADの使用環境は、デスクトップ版に加えてクラウド版も増加していくことが考えられます。
SolidWorks2022は、デスクトップ製品としてのポートフォリオ自体に大きな変更はありません。
一方、クラウド版のSolidWorksである3DEXPERIENCE Worksでは、以下の機能強化が行われました。
・クラウドベーススカルプティング
・クラウドベースのデータ管理
・無制限のシミュレーション
SolidWorks2022の新機能一覧|おすすめコンテンツ5選
SolidWorks2022の新機能は、ソフトウェアベンダーからトライアルとしてライセンスを貸与されるほかに、いくつかの方法で体験できます。
ここでは代表的な方法をピックアップしてご紹介します。
SolidWorksヘルプ

用語を調べたい場合には、公式のSolidWorksヘルプがおすすめです。
SolidWorksはリリースごとにファンクションの内容や用語が変わる場合があるため、必要に応じて確認しておくと役立ちます。
SolidWorksのヘルプでは、バージョンを指定するプルダウンで2022を選択すると、SolidWorks2022に関する情報が一覧可能です。
ebook

SolidWorks2022に関するebookはメールアドレスなどを入力するとダウンロードできます。
機能拡充しているコンテンツの内容がpdf形式でまとめられているため、自社に活かせる技術がないかさっと確認する場合に向いています。
YouTube

YouTubeでは、What’s New 2022というプレイリストで新機能が総括できるようになっています。
英語のコンテンツですが、具体的に機能を使う状況がわかるため直感的に新しい機能の概要を動画で確認したい場合に便利です。(*3)
MySolidWorks|トレーニングカタログ

ポータルサイトのMySolidWorksでは、無制限のオンライントレーニングやサンプルファイルを使ったビデオ学習など多様なコンテンツが用意されています。
SolidWorks2022の各機能に注目して詳細を確認したい場合に活用できます。(*3)
MySolidWorks|SolidWorks 体験版

SolidWorks2022を持っていないけれど、とにかく使ってみたいという場合には、MySolidWorks内にあるSolidWorks 体験版がおすすめです。
利用の際には、メールアドレスなどを登録してSolidWorks IDの取得とログインが必要です。
体験版では、さまざまなフィーチャーを直接操作可能です。
ユーザーのモデルは、ブラウザを経由してローカルマシンにダウンロード可能です。
Webブラウザ上で操作できるため、自宅や会社のパソコンからはもちろん、スマートフォンやタブレットなどからでも、実際に自分で操作をしてSolidWorks2022が試せます。(*4)
ただしローカルに保存したファイルは、セッション終了またはタイムアウト時に消去されます。
まとめ
SolidWorks2022は毎年さまざまな機能が追加改善されています。
ここで紹介したのは一部の機能のため、詳細は公式コンテンツやSolidWorks体験版などでぜひ実際に確かめてみましょう。
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参考URL
*1 https://www.solidworks.com/ja/product/whats-new
*2 http://help.solidworks.com/2022/Japanese/SolidWorks/sldworks/r_welcome_sw_online_help.htm
*3 https://www.youtube.com/watch?v=SQxS_szXMWs&list=PLiKqXuECiKNKdsszT5ec7rrvNuZMZd8VO&index=4&loop=0