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建設業のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは

インターネットが普及したことで、さまざまな業界・職種で変化が起きています。
その中でも建築業界は「職人技」も多く、アナログで対応せざるを得ない状況があるといえるでしょう。
今回は、建築業界におけるDXについて紹介します。
記事の最後には、「DX銘柄2020」*1にも選出された2社の事例も整理したので、参考にしてください。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
②建築業でDXが進むと変わること
③建築業のDX事例

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは*2

まずは、DXの意味や誕生の背景について確認します。

スウェーデンの大学教授が提唱

DXという概念は、スウェーデンの大学教授であるErik Stolterman氏が提唱したとされています。
同氏の論文である「INFORMATION TECHNOLOGY AND THE GOOD LIFE」では、DXについて以下のように言及されています。

The digital transformation can be understood as the changes that the digital technology causes or influences in all aspects of human life.
引用元:45 INFORMATION TECHNOLOGY AND THE GOOD LIFE

引用部分を翻訳すると、「デジタルトランスフォーメーションは、デジタル技術が人間のあらゆる生活で引き起こしたり影響を与えたりする変化として理解できます」となります。
この論文が出された2004年の時点では、影響や変化については具体的に触れられていませんでした。
あくまでもDXの概念について提案したのみで、具体例までは想定されていなかったのでしょう。

業界によってさまざまな定義がある

DXの提唱をもとに、DXについてはさまざまな解釈がなされています。
そのため、統一された定義はないのが現状です。
ここでは、経済産業省の「『DX推進指標』とそのガイダンス」から定義を紹介します。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタルを活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
引用元:「DX 推進指標」とそのガイダンス 令和元年 7 月 経済産業省

この定義から考えると、DXはデータとデジタルを活用して、業務全般や企業風土まで変えていくことになります。
Erik教授の定義の変化の対象が、より具体的に示されたのが経済産業省の定義だといえるでしょう。

もちろん経済産業省のほかにも、さまざまな定義がなされています。
DXについては以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
デジタルトランスフォーメーションとは?意味や背景について解説

コロナ禍とDX

DXの定義を聞くと具体例が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
新型感染症の影響で、自宅で出前館やUber eatsを利用する機会が増えたという方もいるでしょう。
出前館やUber Eatsなどの配達アプリもDXの一つだといえます。
これまでは、出前というと、あらかじめお店メニューをもらっておくか、ポスト投函されたチラシを保管しておく必要がありました。
また、電話注文をして支払いは現金で行う場合も多かったはずです。
それが出前館やUber Eatsなどを利用すれば、アプリで注文から支払いまで完結します。
これも、デジタル技術による生活の変化だといえるでしょう。

建築業でDXが進むことによる変化

続いて、建築業でDXが進むとどのような変化が起きるのか紹介していきます。

工事会社の受発注を一元管理

建物を建てる際には、元請けから下請けに仕事を委託していくことが多いのが建築業界です。
このような過程でDXが進むと、元請けと下請けの情報共有システムが構築されるでしょう。
下請けはどの程度仕事を受けられるかを共有しておき、元請けとのマッチングを図ります。
これまで人伝いや過去の取引などで決めていた委託が、スムーズに進むようになるでしょう。
下請け側は、これまで取引がなかった企業ともつながる機会も増えるはずです。

顧客情報の一元管理

DXが進めば、顧客情報を社内全体で管理できるようになるでしょう。
デジタル技術を活用すれば、顧客の情報をデータとして蓄積・分析できます。
そのため、より顧客のニーズを把握しやすくなるでしょう。
営業担当者による、顧客のニーズを把握力の差も少なくなっていくはずです。

設計から施工までのプロセスをデジタルベースで管理

建築では、設計段階から施工、維持・管理まで大きなプロジェクトで動いています。
DXが進めば、プロジェクト管理もデジタルベースになり、進捗が把握しやすくなるといえます。
チャットなどを利用すれば、現場と本社で連絡をとることも簡単になるでしょう。
プロジェクト管理の負担が軽減します。

建築・施工の一部を機械が代替

DXが進めば、これまで人が行っていた施工の一部を機械が代替することになるでしょう。
人が行うよりも安全で、より効率的に作業が進む可能性も高まります。

建築業におけるDXの事例*3*4*5

最後に、建築業におけるDXの事例を紹介します。
今回は、DX銘柄2020にも選ばれた、鹿島とダイダンの事例を取り上げました。

株式会社鹿島

鹿島では、DXを推進しています。
建物管理システムとして、「鹿島スマートBM」を開発しました。
鹿島スマートBMでは、複数の建物の中央監視装置や、エネルギーの管理システム、IoTで取得したデータをクラウド上で収集します。
それをAIに学習させることで、エネルギーの消費予測を立てたり、設備の異常が検知できるようになりました。
また、オペレーションの標準化を行ったりすることで、コストの削減や管理の品質の向上を実現しています。
今後も鹿島スマートBMは進化を続けていくでしょう。

ダイダン株式会社

ダイダンでは、「現場支援リモートチーム」をつくっています。
WEB会議や共通のCADシステムなどを利用することで、工数管理や図面作成を場所を問わず共同で行えるようになりました。
たとえば、現場と本社・支店が離れている場合でも、ベテランの経験を若手に伝えることができます。
また、育児などの時短勤務にも柔軟に対応できるようになりました。
リモートチームでは、勤務場所がどの現場や事務所でも良いため、職住近接が図れます。
このように、ダイダンはDXにより本社・支店と現場がスムーズにつながったり、働き方が柔軟になっています。

◆まとめ
今回は、建築業のDXのについて紹介しました。
2020年から続く新型感染症の影響を受け、建築業でも今後はさらにDXが加速していくでしょう。
さまざまな企業の事例から学び、自社でもDXを進めてみてはいかがでしょうか。

◆参考URL
*1 「DX銘柄2020」「DX注目企業2020」を選定しました (METI
*2 45 INFORMATION TECHNOLOGY AND THE GOOD LIFE
*3 新たなプラットフォームを活用した建物管理サービスの提供を開始| プレスリリース
*4 小石原川ダム本体建設工事で次世代の建設生産システム「A4CSEL®」による本格盛立を実施 | プレスリリース
*5 「ダイダンがDX銘柄2020に選定」

 

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