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Apple Watchは富裕層向け?巨大テック企業の販売戦略とは

今やスマートウォッチの代表格として愛されているAppleの「Apple Watch」ですが、その売れ行きや販売戦略を見ていると、富裕層志向に寄せた商品であることも見えてきています。

これまで、テクノロジー商品は大衆向けと思われてきましたが、Appleのブランディングはラグジュアリー路線に舵を切りつつあります。今回は、Apple Watchの動向や、今後のApple製品がどのような層に向けて展開されていくのかについて、考えていきます。

①Apple Watchの販売動向
②なぜApple Watchが富裕層に人気なのか
④Appleが目指す商品開発の展望

Apple Watchの販売動向

まずは、Apple Watchの実際の販売動向から見ていきましょう。同製品は定期的にアップデートを重ね、複数回のバージョンアップを経て、多くのユーザーを獲得してきました。しかしそのユーザーを紐解いてみると、一定の所得レベルに人気が偏りつつあることがわかっています。

アナログ時計を凌ぐのシェア拡大に成功

Apple Watchはスマートウォッチの代表格とされていますが、実は購入ユーザーの割合として、富裕層の存在が重要な位置を占めています。リサーチ会社の調査によると、2019年のApple Watchの出荷台数は前年と比べて36%増加し、3,070万台に到達しています*1。この数字はスイスの全時計ブランドの同年出荷台数である2,110万台を大きく上回る数字であり、大衆メーカーはもちろん、老舗の高級ブランドの出荷台数をも大幅に凌いでいます。

また、日本経済新聞が独自に行なったアンケートによると、部長以上の上級管理職に就いている読者の16.3%がApple Watchの存在を購入したいブランドとして挙げています*2。この数字は高級ブランドであるロレックス、グランドセイコーに次ぐ3位であり、ラグジュアリー志向のユーザーの心をつかんでいる様子がわかります。

10代富裕層にも根強い人気

Apple Watchの人気は世代を問わず根強く、富裕層の10代にも大いに人気を博しています。アメリカ国内の調査によると、米国44州の10代の若者の30%がApple Watchを所有しており、昨年秋に比べて5%も増加しているということです*3。また、高所得者の10代間でもこれまで憧れの時計はロレックスであったのが、2021年にはApple Watchに転じ、ラグジュアリーの代表格としての地位を確立しつつあるという調査結果も出てきています。

もちろん、iPhoneやワイヤレスイヤホンのAirPodsなど、Apple社製の製品の普及率が現地では高くなっていることから、必然的に時計もAppleにしてしまおう、という流れも考えられます。しかし上記のアイテムに求められている利便性のみならず、嗜好品としてもApple社の製品が選ばれるようになったことは、大きな時代の転換点と言えるかもしれません。

なぜApple Watchが富裕層に人気なのか

ここで、Apple Watchがなぜ富裕層からの人気を博するようになったのか、その理由を見ておきましょう。

フィットネス需要の拡大

1つ目に、フィットネス需要の拡大です。Apple Watchはただのデジタル腕時計ではなく、内蔵チップやセンサーを活用したヘルスケア機能などの高度な処理が行える点に強みを持っています。

フィットネスは富裕層の娯楽やライフスタイルの一環として広く定着しており、高級ホテルにジムやプールが備え付けられているのは当たり前です。前述のアメリカ国内の10代向け調査においても、若者の30%がフィットネスアプリを活用しており、そのうちの50%はApple社製のものだったと回答しています。

自らの生活レベルをより高めてくれる存在として、Apple Watchは普及しつつあります。

洗練されたデザイン

Apple Watchは、発表当初より洗練されたデザインをiPhoneなどと同様に打ち出してきました。実際、Apple Watchには価格帯に合わせたいくつものモデルが展開されており、本体の素材はもちろん、ベルト素材についても消費者が自由にカスタマイズできます。

一方で、価格の違いは本体性能へ大きく反映されることはなく、どちらかといえば装飾部分の仕様変更にお金をかけているのが特徴的です。PCやスマホなどのハードウェアは、外装を変更することなく、内部ユニットやバッテリーの持ち、カメラ性能の違いなどで差別化を図ってきました。しかしApple Watchの場合、アルミニウム合金なのか、ステンレス鋼なのか、それとも18金なのかという、コンピュータの売り方ではない方法でラインナップを展開しています*4。

印象的だったのは、ラグジュアリーブランドである「エルメス」とのコラボレーションです。バンド部分をエルメス製とすることで、既存の高級ブランドと遜色ないラグジュアリーな存在感を世界に発信しました。もちろん値段も通常のモデルと比べて3~5倍の価格に当たる、20万円クラスになってきます*5。それでもエルメスとApple Watchは、本格的なコラボレーションを長期にわたって続けていることから、根強く購入者がいると推測できます。

Appleが目指す商品開発の展望

このように、Appleはただ多くの人にスマートウォッチの体験を届けるというだけでなく、富裕層を意識した販売戦略を選んでいる点で、他のテクノロジー会社とは一線を画しています。今後、Appleはどのような方向性で商品展開を進めるのでしょうか。

更なるハイブランド化を目指すApple

Appleが完全にハイブランド戦略に舵を切った、と言い切ることはまだできませんが、ラグジュアリーを意識した商品販売を進めたいという意思はさまざまなところに現れています。2014年ごろ、AppleはApple Store向けに「ファッションもしくは高級品業界にいたバックグラウンドのある」スタッフを募集中という内部資料を共有していたことがわかっており、高級ブランドのような店頭販売を推進したいという意図が見て取れます*6。

今のところ、店舗スタッフの立ち振る舞いや、ユニフォームなどに大きな変更はありません。日本のApple Storeの立地を見てみても、他のハイブランドと比べて遜色のない場所を確保していることから、いつでも高級志向に方向転換ができる準備は前々から整えていたとわかります。

大衆向け製品の登場機会は減少の可能性も

このように、Appleが本格的な高級志向への方向転換へと舵を切った場合、大衆向けの製品はApple Watchのみならず、スマホやPCからも姿を消す可能性があります。iPhoneの廉価版モデルであるSEシリーズの登場頻度は低く、最新モデルは大型化と高性能化、そして高級化を進めています。

毎年買い換えられるリーズナブルなモデルが外され、何十年も使えるラグジュアリーモデルが店頭に並ぶ日も来るかもしれません。

おわりに

Appleは世界でもトップクラスの時価総額を誇る企業として君臨していますが、その背景には確かなブランディングがあったことは間違いありません。絶大なブランド力を生かし、大衆志向の製品から、高級路線へと舵を切る可能性も十分にあり、今はそのタネを蒔いている段階にあるのかもしれません。

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*1 Engadget「Apple Watchの勢い止まらず。2019年出荷台数がスイス製時計の合計を上回るとの予測レポ」
https://japanese.engadget.com/jp-2020-02-06-apple-watch-2019.html
*2 NIKKEI STYLE「日経読者「部長になったらロレックス」 Apple存在感」
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO68011100Y1A100C2000000
*3 Engadget「Apple Watch、米国富裕層の10代にも最も人気ある時計ブランドに。初めてロレックスを抜」
https://japanese.engadget.com/applewatch-most-popular-brand-082012429.html
*4 週刊アスキー「Apple Watchは「1%の富裕層」をターゲットに」
https://weekly.ascii.jp/elem/000/002/631/2631470/?r=1
*5 Apple「Apple Watch Hermèsを購入」
https://www.apple.com/jp/shop/buy-watch/apple-watch-hermes
*6 Gizmodo「今後のアップルストアはもっと高級志向に? アップルはファッショニスタを募集中」
https://www.gizmodo.jp/2014/12/post_16092.html

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