トラッキング防止アプリを調べたらわかった、安全なVPNアプリの選び方
ホテルやカフェで無料の公衆Wi-Fiを使っていて、「セキュリティ大丈夫かな?」と思ったことはありませんか?または、「海外のネットフリックスでジブリを見たいけど、日本からだと契約できない」と困ったことはないでしょうか。
さらに、「中国に出張するけど、日本のSNSに接続できる?」と悩んでいる人もいるのでは?このすべてを解決できるのが、「トラッキング防止アプリ(VPNアプリ)」です。今回は、トラッキング防止アプリについて調べた結果をご紹介します。
この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①トラッキング防止アプリとはどんなもの?
②トラッキング防止アプリのおすすめと選び方
③トラッキング防止アプリを使わなくてもできるセキュリティ対策
トラッキング防止アプリとはどんなもの?
トラッキングとは、インターネットに接続しているユーザーを追跡することです。ユーザーがどんなサイトを見ているか、どこから接続しているかなどの情報を集め、より精度の高い広告(ターゲティング広告)を出すためなどに利用されます。
トラッキング防止アプリの仕組み
トラッキング防止アプリ(VPNアプリ)とは、ユーザーをトラッキング(追跡)できないようにするアプリです。
トラッキング防止アプリを使うと、ユーザーは、仮想空間にある自分だけの専用ネットワークでインターネットに接続できます。自分だけの専用線になるので、外からはデータを送受信する様子が見られなくなります。つまり、外部からのトラッキングができなくなるという仕組みです。(*1)
トラッキングができないので、たとえば日本に居ながら「アメリカから接続している」と見せかけることもできます。外部からの干渉を防ぎ、セキュリティの高い接続を確保できるため、VPNアプリをリモートワークで使っている人も多いのではないでしょうか。
トラッキング防止アプリは本当に安全?
「本当に100%安全なの?」と聞かれたら、答えはNOです。公式アプリストアからダウンロードできるVPNアプリの80%以上に、データ漏えいが見つかったという報告もあります。(*2)トラッキング防止アプリを使うとデータを暗号化できますが、もしアプリ側に悪意があれば、その接続は安全ではなくなってしまいます。
特に、無料のVPNアプリは安全ではない可能性が高いと考えられます。2017年には、「無料のVPNサービスがトラッキングによる情報収集で得たデータを販売して利益を得ていた」というショッキングなニュースもありました。(*3)
そこでここからは、安全に使えるのはもちろんのこと、実際に使って満足できるトラッキング防止アプリの選び方を見ていきましょう。
トラッキング防止アプリの選び方
まず最初に、今のインターネット接続で改善したい点を挙げてみましょう。
安全第一なら「ノーログポリシー」を
「セキュリティ対策として使いたい」という人は、安全性の高い「ノーログポリシー」を掲げているVPNサービスを選びましょう。
VPNサービスの中には、ノーログを明記していないサービスもあります。「ログを保存しない」と断言しているサービスを選びましょう。
動画のダウンロードやゲームプレイには速度をチェック
VPNアプリを使うと、サーバーを複数経由するので、接続スピードは遅くなります。
動画のダウンロードをするつもりの人や、オンラインゲームに使う予定の人は、速度も確認しておきましょう。時間帯や経由先によっても速度が変わる場合があるので、無料体験期間や返金可能期間のうちにいろいろ試してみるとよさそうです。
低価格帯のサービスは同時接続数が少ない場合も
VPNサービスをこれから使うとなると、今使っているインターネットの接続料金にプラスして、月々の使用料金を支払わなければなりません。となると、より安いほうを選びたくなるところですが、低価格のVPNサービスでは同時接続数が少ない場合があります。
スマホ一台でいいのか、それともPCやタブレットも使えたほうがいいのかなど、自分の接続環境で選びましょう。
トラッキング防止アプリのおすすめは?
トラッキング防止アプリのおすすめを2つご紹介します。海外アプリも豊富にあるのですが、ここでは日本語サポートが心強い日本製をご紹介します。
ノーログポリシーが安心の「Millen VPN」
「Millen VPN」(ミレンVPN)は、データを残さないことでプライバシーを守る「ノーログポリシー」を掲げたVPNサービスです。
50ヵ国以上からサーバーが選べるので、海外のネットフリックス契約や、オンラインゲームのサーバー選びに困っている人にもおすすめです。同時接続は5つのデバイスからなので、自宅のPCやスマホ、タブレットなど、すべてのデバイスを安全に使いたい人にもぴったりですね。
料金は3年契約で月額968円、月ごとの契約で1,628円(2022年1月現在)となっています。30日間返金保証があるので、初めてのトラッキング防止アプリを試してみたい人にも使いやすいのではないでしょうか。
運営会社は、大阪に本社のあるアズポケット株式会社です。早いと人気のレンタルサーバー「mixhost」を運営している会社なので、ブログを運営している人はご存じかもしれませんね。
最初の2か月は無料で使える「セカイVPN」
「セカイVPN」は、最大2か月の無料体験ができるVPNサービスです。
月額1,100円で解約はいつでも可能で、違約金などもありません。(2022年1月現在)ミレンVPNと比較すると、解約しやすいのはセカイVPNでしょうか。無料体験期間内の退会なら、費用がかからないのもうれしいですね。
ただし、サーバーは10ヵ国から、同時接続数は3台と、ミレンVPNよりコストが安い部分の差はあります。「使うのはPCとスマホの2台。海外に行く予定もないから、自宅から使えれば十分」という人に向いています。
運営会社の株式会社インターリンクは、1995年からインターネットプロバイダー業務をスタートさせた老舗です。レンタルサーバー業務のほか、「オタク川柳」などのユニークな取り組みも始めています。
お客様の声では、「接続が不安定」という声もありましたが、「セカイブラウザ(セカイVPNが提供する専用ブラウザ)を使ったら改善した」という方も。(*4)接続の安定性はユーザー環境によっても違いが出るため、無料体験で試せるのが助かりますね。
トラッキング防止アプリを使わなくてもできるセキュリティ対策は?
インターネットの安全性を高めたいだけの場合は、トラッキング防止アプリを使わなくてもできる対策もあります。ここでは、今すぐできる方法を2つご紹介します。
ブラウザのプライベートモードを使う
インターネットのブラウザには、端末にアクセスログを残さないプライベートモードがあります。使い方をそれぞれご紹介します。
・iPhone
1. Safariの画面で、右下の四角をタップ
2. 「プライベート」をタップ
・Android
1. Chromeの画面で、右上のメニューボタンをタップ
2. 「新しいシークレットウィンドウ」をタップ
これで、いつも通りにサイトを見ても、履歴がブラウザに残らなくなります。
ブラウザを変える
トラッキングの不安からとにかく逃れたいなら、思い切ってブラウザを変えるのもおすすめです。
AppleのSafariやWindowsのMicrosoft Edgeにもトラッキング防止設定がありますが、ここではどちらのOSでも使えるアプリをご紹介します。
・Firefox
カスタマイズをするのが好きな人におすすめなのが、赤いキツネのアイコンでおなじみのFirefoxです。
Firefoxブラウザは、規定の状態でサードパーティーcookieをブロックします。さらに広告トラッカーもブロックするので、余計な読み込みで速度が落ちることがありません。(*5)
Chromeのようにアドオンや拡張機能が充実していて、Google製品にも対応しているので、今までChromeを使っていた人は近い感覚で使えるでしょう。
・DuckDuckGo
「ユーザーの個人情報を収集しません」と掲げているDuckDuckGoは、Googleに次ぐ世界第二位の検索エンジンです。白いアヒルのアイコンが目印です。
Chromeと比較して、ユーザー情報をほとんど収集していないことを公表したTwitter投稿も話題になりました。(6)最近ではデスクトップブラウザを開発中とのことで、今後ますます拡大していくことが期待されます。(7)
Chromeの拡張機能もリリースされています。「DuckDuckGo Privacy Essentials」は、Chromeのトラッキングを防止できる機能です。ブラウザを変えるのは気が進まないという人も、Chromeのアドオンなら手を出しやすいかもしれませんね。
まとめ
トラッキング防止アプリは、ほかのサービスと同じように、「導入すれば100%安心できる」というものではありません。信頼できる会社が提供している、安全なVPNサービスを選びましょう。
導入後の後悔を防ぐには、トラッキング防止アプリを使う目的を見極めて、自分に合ったアプリを選ぶことがポイントです。
VPNサービスの利用だけでなく、OSやアプリのこまめなアップデートもセキュリティ対策になります。この機会に、いつものインターネット環境を更新してみてはいかがでしょうか。
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*1 Lifehacker「データを暗号化? 今さら聞けないVPNの基礎知識」
https://www.lifehacker.jp/2017/12/171212-the-beginners-guide-to-vpns.html
*2 ITmedia エンタープライズ「Google Playで配信されているVPNアプリの84%でデータ漏えい? その恐るべき理由」
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1704/19/news013.html
*3 GIGAZINE「ユーザーのプライバシーを守るはずのVPNサービス「Hotspot Shield」がアクセスデータを売っていたと糾弾される」
https://gigazine.net/news/20170810-hotspot-shield-spy-user-traffic/
*4 株式会社インターリンク「お客様の声」
https://www.interlink.or.jp/voice/service/sekai.html
*5 Mozilla サポート「強化型トラッキング防止で Firefox がブロックするトラッカーとスクリプト」
https://support.mozilla.org/ja/kb/trackers-and-scripts-firefox-blocks-enhanced-track
*6 iPhone Mania「ブラウザDuckDuckGo、「プライバシー成分表示」でGoogleを非難」
https://iphone-mania.jp/news-354144/
*7 TechCrunch Japan「プライバシー重視を追い風に快進撃中の検索エンジン「DuckDuckGo」がブラウザとしても使えるデスクトップアプリ開発」
https://jp.techcrunch.com/2021/06/19/2021-06-16-on-a-growth-tear-duckduckgo-reveals-it-picked-up-100m-in-secondary-investment-last-year/