1. TOP
  2. ブログ
  3. デジタルファクトリーは製造業のDX!仕組みやメリット課題を解説

デジタルファクトリーは製造業のDX!仕組みやメリット課題を解説

製造業のQCD向上には、工場のDX化が非常に重要です。

工場のDX化の実現手段としてデジタルファクトリーがあります。

DXは注目が集まっている内容ではあるものの、関連用語が多く、何がどんな要素なのか曖昧になっている場合も多くみられます。

この記事ではデジタルファクトリーの関連用語を押さえつつ、デジタルファクトリーの実現に必要となる技術や導入メリット、課題についてご紹介します。

デジタルファクトリー関連の用語解説

まず、デジタルファクトリーとは何かをみていきましょう。

デジタルファクトリーとは

デジタルファクトリーとは、製造業をDX(デジタルトランスフォーメーション)化することです。

デジタルトランスフォーメーションでは、今までやってきたビジネスモデルの変革や効率化を図ります。

デジタルファクトリーの場合は、現実の工場にある生産機器に設備やセンサーを取り付けて情報を取得します。

各々の情報を分析・解析することで作業のシミュレーションを実施して効率化に役立てるのです。

事前検証する内容は、生産順・中間の在庫管理・ロボットプロセス・作業プロセス・組み立て順序・RIPS(Robot system Integration Process Standard)の実装計画など多岐にわたります。

なお、シミュレーションには、実施にあたりクラウドやドローン、バーチャル検証技術、APIなど、近年登場したさまざまなIT機器を用いるという条件を加えています。

あらゆる工場の工程がデジタルファクトリーに置き換わる余地があるのです。

デジタルファクトリーの関連用語

製造業のDXには関連用語が多いため、各々を押さえておきましょう。

デジタルツイン

ツインとは双子のことです。

デジタルツインでは、現実からさまざまな情報を取得してコンピュータ上のデジタル空間で再現して予測に役立てます。

デジタルツインで検証するものは工場の工程に限らず、渋滞予測など幅広い要素が対象です。

バーチャルファクトリー

バーチャルファクトリーとは、仮想空間上に作られた仮想工場のことです。

デジタルファクトリーを実現するにあたり、実際の工場の生産活動を事前にシミュレーション・評価するために構築されます。

デジタルファクトリー

スマートファクトリーは、ドイツが提唱を始めたインダストリー4.0(第4次産業革命)に関連する用語です。

IoTやAI技術を用いて各種データの活用・分析を行って、製造プロセスの改善や実際の稼働内容を効率化する工場のことです。

それぞれの用語をまとめると以下のようになります。

スマートファクトリーの構想を実現するためには、まずデジタルファクトリーの構築が必要です。

生産管理や稼働管理のデジタルツインを構築して、バーチャルファクトリー側で課題の抽出やシミュレーション・対策立案を行います。

デジタルファクトリーに必要なシステムやサービス*1*2

ここでは、デジタルファクトリーの発展に必要となる代表的なシステム・サービスを一覧化しています。

設計・販売・計画システム・ソリューション

・PDM/PLM(技術データ・情報管理システム)

・機械系3D CAD・CAM

・ラインシミュレーター

・IoTプラットフォーム

・MES(製造実行システム)

・ERP(基幹業務システム)

・統合計画ソリューション

・ローコードプラットフォーム

生産現場システム・ソリューション

・ダッシュボード

・SCADA(産業制御システム)

・生産スケジューラー

・AIシステム

・スマートグラス

・ARプラットフォーム

・ロボット遠隔ソリューション

PA(プロセスオートメーション)システム・ソリューション

・DCS(統合生産制御システム)

・安全計装システム

・プロセスシミュレーター

・LIMS(実験室情報管理システム)

・QMS(品質管理システム)

・設備保全管理システム

・安全対策ソリューション

ネットワーク・セキュリティ

・FAフィールドネットワーク

・FA無線システム

・PAフィールドネットワーク

・FA UTM/次世代ファイアウォール

・工場向けセルラー基地局

・制御システム向けファジング(脆弱性対策)ツール

デジタルファクトリー関連サービス

・クラウドサービス

・設備リスクアセスメント策定受託サービス

・工場向けBCM/BCP策定・訓練サービス

・工場シェアリング

・オンデマンド部品調達プラットフォーム

デジタルファクトリーではサプライチェーン全体の効率化を図る

デジタルファクトリーでは、自社や自部門が管理する特定の工場の工程や業務フローを個別に改善するのではなく、顧客ごとの最適化やサプライチェーン全体を踏まえた効率化を行います。

今までの工場は各生産内容に合わせてラインを作り、各々に産業ロボットや人を配置して作業を行っていました。

一方、デジタルファクトリーでは、システムにセンサーやAI、ビックデータを用いてシミュレーションを実行します。

結果をもとに、IT機器を使って個別最適を図り製造や生産を行います。

例えば、製造物を載せたAGV(無人搬送機)が自ら各作業工程に向けて移動するという従来とは逆の発想で工場のデザインが可能です。

製品ごとのラインが不要になれば実際の工場にラインを作り安定化させる作業が不要になります。

また、シミュレーションには人以外のものが作業にあたることが前提で検討される部分もあります。

ドローンを用いれば、危険箇所など人が目視しづらい場所の可視化や遠隔対応が可能です。

デジタルファクトリーの実現には専門家の協力も重要

製造、生産現場では、人材不足のなかで技術継承や需要への対応、生産性向上などさまざまな課題を抱えています。

IT化により改善が図れる部分もありますが、現場のIT知識が不足していると、単に機器を導入しただけになり生産性向上が図れなくなる場合があるのです。

昨今、業務上の情報を分析して新商品やサービスの創出や業務効率化に繋げる役割として、データサイエンティストという職種が生まれています。

同様に、工場のデジタル化をサポートする役割として、新たにファクトリーサイエンティスト*3の役割にも注目が集まっています。

ファクトリーサイエンティストは「現場起点でIoT等を活用したデジタル革新を経営陣へ提案し実装できる人材」と定義され、データエンジニアリング、データマネジメント、データサイエンスの能力が求められる職種です。

例えば、工場の現状を把握したうえで、IoT機器やセンサなどを導入するサポートを行います。さらに取得した各々のデータを分析してナレッジ化を行ったりチームの合意形成や戦略立案、チームビルディングなどのマネジメントも行うのです。

工場をデジタル化しなければならないという目標があっても、実現にはさまざまな仕組みを変える必要があります。

企業によっては、現場にITに詳しい人材が不足している場合があるかもしれません。

専門的なサポートがなければ、機器の選定や導入、単にデジタルファクトリーに向けてIT機器を導入してもうまく使いこなせないという問題が起こる可能性があります。

そのため、今後工場のDX化には、ファクトリーサイエンティストの人材育成や専門家の協力が必要だといえます。

まとめ

デジタルファクトリーは、単にIT機器などを導入して部分的に生産性を改善することではありません。

工場全体やサプライチェーンなど総合的に効率化を図るためにビジネスモデルの変革を行うことが目的です。

近年生まれたさまざまなシステムを用いてシミュレーションを行い、生産現場におけるさまざまな課題の解決を図る仕組みとして注目されています。

自社のDX化に活かせる要素がないかを検討してみてください。

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

参照
*1:https://www.fuji-keizai.co.jp/report/detail.html?code=162105861
*2:https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=22014.pdf&nocache
*3:https://factoryscientist.com/

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP