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AppleがiPhoneなどのハードウェアでサブスクリプションを計画中

動画配信サービスや音楽ストリーミングにおいて、サブスクリプション(以降サブスク)が当たり前となってきました。

最近では、家具や服などでもサブスクで提供するモデルが登場するなど、ネットサービス以外にも広がりを見せています。

そんな中Appleが、iPhoneなどのハードウェアにおいてサブスクを開始するのでは、というニュースが流れてきました。

今回はAppleのサブスクについて、具体的な内容と狙いについてまとめてみましょう。

この記事でわかること

 ・Appleのハードウェアサブスクサービスについて

 ・サブスクのメリットとデメリット

 ・Appleの狙い

Appleのハードウェアサブスクサービスの報道について

Appleはすでに、Apple MusicやiCloudストレージなどのネットサービスで、サブスクを導入しています。Bloombergなどのニュースサイトでは、ネットサービスに加えて2022年中にハードウェアにもサブスクを導入するのでは、との情報が流れました。*注1

報道によると、対象となるハードウェアはiPhone・iPadなどで、Apple IDとApple Storeアカウントで購入できるようになるということです。

注意すべき点は、ハードウェアの所有権は持たないということです。あくまで使用権をサブスクで得るということですので、契約を解除した時点でハードウェアの利用ができなくなります。

契約解除時点でハードウェアを返却するのか、何らかの方法で使用できなくなるのかについての具体的な説明は、現時点ではありません。

開始時期については、2022年末もしくは2023年、または完全にキャンセルされるかもと、ややあてにならない予測がでています。

Appleの広報は、この件についてのコメントを避けているということですので、現時点では「ウワサ」レベルということではないでしょうか。

しかし、Bloombergは具体的なソースを明らかにしていませんが、少なくとも「Appleの中の人」からの情報とされていますので、「かなり信頼度の高いウワサ」であるとも考えられます。

Appleはこれまでに、Apple TV+・Apple Care・Apple Arcadeなどでサブスクサービスを展開しており、さらに複数のサブスクのバンドルサービスである「Apple One」を提供しています。この「Apple One」に、ハードウェアサブスクをプラスしていく可能性があります。

Appleが提供するオンラインサービスとハードウェアを統合して、トータルで利用できる状況を提供することができれば、Appleユーザーにとって、メリットも大きいでしょう。

実はAppleのハードウェアサブスクについては、以前にも話題になったことがありました。

Sanford C. Bernstein&Coのアナリストである「Toni Sacconaghi」が、2016年にそのアイディアを提案し、もし実現したらAppleは市場価値を1兆ドルに押し上げる可能性があるとしていました。

しかしAppleは、結局ハードウェアサブスクを採用しないまま、現在2.84兆ドルもの市場価値を得るまでに成長しています。アナリストの提案がなくとも、圧倒的な数値を叩き出しています。

しかし今回、市場環境の変化などもあり、Appleとしても内部的にはハードウェアサブスクの導入を本気で検討しており、いよいよ現実味が増してきた。。。というのが今回の報道です。

真実味が高まってきた理由として、BloombergのMark Gurman記者は続報で、モデルごとの月額料金を具体的に紹介しています。

■モデルごとの月額料金

 ・iPhone13 35ドル/月

 ・iPhone13 Pro 45ドル/月

 ・iPhone13 Pro Max 50ドル/月

ハードウェアサブスクが、所有権のない事実上レンタルに近いサービスであるという点から、分割払いの金額に比べて多少安い設定なのでは、というのが金額の根拠として紹介されています。*注2

サブスクのメリットとデメリット

Appleがハードウェアサブスクを導入した場合、私たちユーザーにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

基本は一般的なサブスクサービスと同じですが、その具体的な内容について列挙してみましょう。

サブスクのメリット

・サービスへの登録・解約の自由度が高く、初期費用を抑えることができる。

iPhoneを新規で購入した場合、トータルで10万円程度の初期費用がかかってしまいます。 日本国内では、通信キャリアとの契約で分割払いにしたり、軽減措置などがあるため、いきなり一括で支払うということはありませんが、結果的に機種代全額を何らかの形で負担する必要があります。

もし、購入はしたけれど機能や性能に納得できなかった場合、返却することはできず、支払いの義務も残ります。

これに比べてサブスクであれば、使用する分だけ費用を支払えば良いため「3ヶ月だけ試しに使ってみる」などといった、短期間の使用も気軽にできるようになります。

ただし通信キャリアとの契約については、別の話ですので注意が必要です。

・常に最新バージョンを利用することができる

新規の端末が発売された時、普通なら改めて購入しなければなりません。新機種は毎年のように発売され、その都度機種代を支払うのは負担が大きくなります。そのためマイナーバージョンアップ版は見送り、2〜3年のサイクルで買い直している方が多いのではないでしょうか。

サブスクであれば定額料金を支払うことで、常に最新版の端末と最新のサービスを利用することができます。

・他のサービスとの連携でトータルコストを抑えることができる(かも?)

これはAppleの料金設定次第ですが、もしApple Oneとバンドルする形で提供されるのであれば、個別に契約するより割安で利用することができる可能性が高いと思われます。

Appleの製品やサービスを複数利用しているユーザーにとっては、トータルコストを抑えることが期待できます。

サブスクのデメリット

ではデメリットについてはどうでしょうか?

・毎月決まった固定費が必要

ハードウェアやサービスを利用していない時でも、サブスクの月額料金は支払わなければなりません。

・ハードウェアの所有権がない

サブスクは「利用する権利」を得るだけであり、「所有権」は得られません。サブスクの契約を解除した場合、手元には何も残りません。

iPhoneなどは、新機種の購入時に使わなくなった端末を中古買取などによって、一定の金額を回収することができますが、サブスクの場合買取などはできません

毎月定額の費用がかかる点については、通信キャリアとの契約でも毎月の利用料金を支払っていますので、それほど気にならないかもしれません。しかし機体を「所有できない」ことには、抵抗を感じる人もいるのではないでしょうか。*注3

Appleの狙いについて

ではAppleにとって、ハードウェアサブスクを導入するメリットについて考えてみましょう。

もしユーザーの多くが、サブスクで継続的にハードウェアを利用してくれるのであればメリットも大きくなることが予想されます。

しかしサブスクの場合、離脱されるリスクが増加する可能性もあるため、このようなリスクをカバーするだけのメリットがあるのでしょうか?

Appleのメリット

・売り上げの増加が期待できる

Bloombergの記事によると、平均的なAppleユーザーは現状3年ごとに、約825ドルをハードウェア購入に出費してます。これが月額35ドルのサブスクサービスに切り替わることによって、3年間の出費は1,260ドルとなり大幅にアップすることになります。

なんとユーザーにとっては、コストアップになるという試算が出ています。

もちろん、単なるハードウェア使用権だけでなく、他の関連サービスとも連携することで「お得感」は出してくるはずです。

しかしAppleが提案するサービスが、すべてのユーザーに受け入れられるかどうかは不明です。

Appleの思惑通りに進むとしたら、サブスクの導入によって今まで通りにハードウェアを提供するだけで収益増加になるという、おいしい話になります。しかしそううまくいくものでしょうか?

さらに、ハードウェアの所有権はユーザーにはありませんので、定期的に旧端末を回収することができ、それを中古品として販売することでさらに収益ポイントを増やすことが可能となります。

このようなメリットによって、先に述べた「ユーザーの離脱リスク」をカバーできると考えているのではないでしょうか。

・「修理する権利」に対する対抗措置

Appleの製造・販売する端末は、ブラックボックス化されており、故障などの際にはメーカー修理以外の選択肢が、これまで許可されていませんでした。

ユーザーやサードパーティが、勝手に修理やメモリ・バッテリーの交換などのため分解すると、その後は一切の保証が受けられなくなります。

Appleは昔から、このような点には特に厳しいメーカーです。

しかし最近になって「修理する権利」が重視されるようになり、米連邦取引委員会(FTC)が、「メーカー側がこの権利の行使を阻害してはならない」という決定を下しました。

そのため自分の所有物に対しては、自分で修理したりサードパーティベンダーを選択することができるようになりました。

今回、ハードウェアサブスクが導入された場合、Apple側はこの問題に対抗できる可能性があります。 

サブスクの場合、ハードウェアの所有権がユーザーにはないため、「修理する権利」には相当しないと主張することができます。

Appleとしては長年、クローズドなハードウェア戦略をとってきましたが、サブスクによってそのスタンスを継続することができます。*注4

・ユーザーの負担を軽減し複数端末の契約を促す

新型iPhoneを購入したばかりのユーザーが、同時期に発売された新型iPadやMacを購入したいと考えた場合、どうしても負担が大きくなってしまいます。

多くのユーザーは、自分が出せる範囲の費用を考えながら、何を購入するか検討するのではないでしょうか。

これがサブスクにすることによって、複数の端末を利用しても多くの出費が集中することがありません。

また複数同時に契約してみて、それほど魅力を感じなかったサービスを解約することもできます。

このことは「試しに使ってみる」ユーザーを増やすにはとても効果的です。そしてそのまま継続的に使用してくれるのであれば、大きなメリットとなります。

Appleや多くのメーカーは、これまで新製品の発表時期などについても、ある程度集中しないように分散させています。

一度に多くの主力製品を発売しても、ユーザーへの負担が大きく購入に結びつかないため、その辺りも考慮しながら計画的に分散させていたと考えられます。

実はBloombergによると、この秋にAppleは「史上最も豊富な新製品を準備している」と書かれています。

4つの新型iPhoneから低価格MacBook Pro、Mac Pro・MacBook Air・Apple Watch S8、さらに低価格iPadなどが登場予定とされています。

このように一度にたくさん発売されても、とても予算が追いつかず購入を迷ってしまう、、、というAppleユーザーにとって、サブスクは魅力的な選択肢になるのではないでしょうか。*注5

まとめ

特出した技術や独自のデザイン、新しい発想などで次々と製品を生み出し、市場を牽引してきたAppleですが、すぐに他メーカーから同水準の製品が発売されるようになってきました。

現在ではハードウェアのコモディティ化が進み、性能が横並びになることで優位性を確保するのが難しくなっています。

そこで価格競争に走るのではなく、サブスクによって顧客と継続的な関係を構築しながら、関連するサービスをトータルで提供することで収益拡大をめざす戦略が優位になっています。

Appleもこのような流れに沿って、ハードウェアのサブスク化を検討しているというのは、どうやら間違いないようです。提供の時期や内容については、おそらく今後詳しい情報が流れてくることでしょう。

Appleの新たなサービスの可能性について、大いに期待しながら注目していきたいと思います。

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■参考文献
注1
Bloomberg ”Apple Is Working on a Hardware Subscription Service for iPhones”
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-03-24/apple-is-working-on-a-hardware-subscription-service-for-iphones
注2
Get Navi Web 「iPhone本体を使えるサブスクリプション、月額4300円から? 2022年末に発表か」
https://getnavi.jp/digital/721909/
Phone Arena ”Here’s how much it could cost to rent the iPhone with the rumored subscription program”
https://www.phonearena.com/news/iphone-subscription-program-monthly-fee_id139404
注3
SAISON CARD 「サブスクとは?概要やメリット・デメリットについて徹底解説」
https://www.saisoncard.co.jp/credictionary/knowledge/article058.html
注4
WIRED 「米国で「修理する権利」を認める法律が可決、それでもメーカー側の反発は止まらない」
https://wired.jp/2021/07/23/ftc-votes-to-enforce-right-to-repair/
注5
携帯総合研究所 「今年秋にAppleが「史上最も豊富な新製品を準備している」と報道。iPhone 14・AirPods Pro2など発売か」
https://mobilelaby.com/blog-entry-apple-2022-fall-event-jan-24-report.html

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