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デジタルツインの活用メリットと日立の活用事例

日本のビジネス業界全体で求められている、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現のため、膨大なデータ活用の重要性が高まってきています。
この膨大なデータをわかりやすく可視化し、直感的に扱うことができる「デジタルツイン」という技術があります。この記事では、デジタルツインのメリット、活用事例についてまとめていきます。

この記事を読むことで、以下のことがわかります。
1、デジタルツインとは
2、デジタルツインを活用するメリット
3、日立のデジタルツイン活用事例
4、まとめ

デジタルツインとは

デジタルツインとは、現実世界から収集したデータを元に、その現実世界をコンピューター上の仮想空間に再現する技術のことです。
近年のIoTなどのデジタル技術により集めた多数のデータをもとに、コンピューター上の仮想空間に現実と同じ状況、つまり「デジタルのツイン(双子)」を作り、そこで現実の再現やシミュレーションを行うことができます。
デジタルツインを用いた応用範囲は幅広く、災害現場のシミュレーション、都市空間や街の人の動きなどの情報を反映したデジタルツイン、建設現場での人やモノ、車のデータを反映したデジタルツインによりリアルタイムで現場の状況を可視化、など様々なことに応用することができます。
いずれもデジタルツインを用いたシミュレーションにより、複雑なデータ、事象を可視化することで、直感的に理解することが可能です。(※1)

デジタルツインを活用するメリット

デジタルツインを活用するメリットは、複雑なデータを可視化することで、課題を発見しやすくなり、業務の効率化に役立てたり、業務の変革にも役立つことです。
以下にデジタルツインを活用することでのメリットをいくつか挙げていきます。(※2)

遠隔で監視や指示出しができる

デジタルツインを導入することにより、現場、工場などの遠隔監視が実現できます。
スマートフォンやタブレット端末から、デジタルツインにより再現した仮想空間を確認することで、現場にいなくても遠隔で指示等が可能になります。
生産現場や、飲食店、防犯システムなどでも導入令があり、設備や機器の監視が可能になります。

現場作業が効率化される

デジタルツインを用いたAIの自動分析、遠隔監視などを活用することで、現場業務の効率を上げ、無駄を省くことが可能です
前述の遠隔で監視・指示出しと重複しますが、従来ならば現場に行かなければ難しい指示等も、遠隔にて可能なものが増えるので、業務時間の削減につながります。
また、疑問点が発生した場合にはどこからでも、誰とでもデジタルツインを用いて状況の共有、課題解決にも効果を発揮します。

故障予測ができる

デジタルツインを導入することで、製品や製造ラインの故障を予測することができます。トラブルが発生しても、デジタルツインによりどこでどのようなエラーが発生しているかを瞬時に把握し、迅速に対策をすることが可能です。従来通りの方法ではは、トラブルが起きてから報告、対応という流れですが、トラブルが起きる前に収集されたデータを参考に、原因を特定、改善ができるため、これまでよりも問題の解決に時間がかからなくなります。

製品の不具合を特定、品質向上に役立つ

デジタルツインを用いることで、過去に保管されていた膨大なデータから製品の不具合を特定し、品質の向上に役立ちます。
現実世界と比べ、仮想空間では何度も試行錯誤を繰り返すことができるため、収集した口コミ、使用感、アンケート結果、対応したクレームなどの膨大なデータをもとに、無駄なく効率的に改善を実行できるようになります。

コストやリスクの削減につながる

前述の品質向上の部分と重複しますが、仮想空間で何度も試行錯誤が可能になるため、現実空間と比べ、コストが削減できます。
仮想空間での複数回の試作により、開発や製造の過程で発生するリスクや不明点を解決した状態でスタートできるため、無駄なコスト削減につながります。
また、商品製造等のシミュレーションができるため、どの程度のコスト、人員が必要かの試算が可能となり、最小限のコストで開発等が可能になります。

きめ細やかなアフターフォローが可能

製品が顧客の手に渡った後も、製品のセンサーからデータを取得し、状況の把握、寿命の予測が可能になります。
また、製品のセンサーにより、故障時期の予測も可能であるため、メンテナンスなどの提案もタイムリーに可能です。

日立のデジタルツイン活用事例

都市・建物向け xRトータルソリューションでの活用事例

株式会社日立ソリューションズはデジタルツインにより、現実空間の建物や設備を仮想空間に再現し、xR(人工的に作られた仮想空間を体感するVR(Virtual Reality)、現実の環境に付加して現実世界を拡張するAR(Augmented Reality)、現実世界と仮想世界を融合させた複合現実MR(Mixed Reality)などを総称する技術の総称)技術により、建物や設備の維持管理の作業状況を可視化する「都市・建物向けxRトータルソリューション」を2022年9月30日から販売開始しました。
地図や建物・設備のBIM、点群データなどを活用し、仮想空間に現実空間情報に基づいたデジタルツインを構築することが可能です。また、その構築したデジタルツインに架空のオブジェクトをxR技術で可視化することも可能で、そのオブジェクトはユーザーが簡単な操作で配置や移動、削除、サイズ変更を行うことができます。
このソリューションを用いることで、企業は、建物や設備、人や物の位置、行動などをデジタルツインで管理することが可能です。仮想空間上で、設備の維持管理作業を事前にシミュレーションし、現場の水防止や障害発生の抑止、作業効率の向上を図ることができるようになります。
また、作業者ごとの作業進捗や結果をリアルタイムで可視化できるので、管理者は的確な指示を出すことができます。(※3)

大みか事業所の製造現場におけるデジタルツインの活用事例

世界経済フォーラム(WEF)により、第4次産業革命をリードする先進的な工場「Lighthouse」に日本企業として初めて選出された日立の大みか事業所の製造現場では、デジタルツインが活用されています。
工場の進捗管理などの「情報制御システム」のソフトウェアとハードウェアを設計・開発・製造をしている大みか工場では、約8万のRFID(非接触で、人やモノの個々の情報を識別・管理できるシステム)タグと、約450台のRFIDリーダー、ビデオカメラを導入することにより、製造現場での人やモノの流れの膨大なデータを自動収集しています。
この膨大なデータにより、製造ライン上の人とモノの流れを可視化した、「製造ラインのデジタルツイン」を構築し、生産の進捗把握や品質改善、設備不良の自動検出などに活用しています。この仕組みを用いた結果、大みか工場では、代表製品のリードタイム(生産のスタートから出荷までにかかる時間)を50%短縮することに成功しています。
また、大みか事業所では製造現場以外でもデジタルツインを活用しています。日立が開発した列車の運行管理システムでは、走行している全ての電車の位置情報や速度情報、乗車人数などの必要な情報を自動的に取得し、その運行状況を一目で瞬時にわかるように可視化できるデジタルツインを構築しています。(※1)

まとめ
デジタルツインを用いることで、建築現場、大きな工場、鉄道といったインフラ分野など、規模が大きいために直感的に把握が難しいシステムの状況を可視化する際に、大きな力を発揮します。
今後さらにデータ活用のためのloTやAI技術が発展し、取得できるデータが増えることで、デジタルツインをより簡単に導入することができるようになると思います。
さらにデジタルツインの導入が進めば、AIなどによる最適に運用する時代が来ることが期待されています。

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(※1)https://social-innovation.hitachi/ja-jp/article/digital-twin/「いま注目を集める「デジタルツイン」とは?日立の活用事例も紹介」
(※2)https://bizx.chatwork.com/digitalization/digital-twin-case-study/ 「デジタルツインの最新事例6選!業界別の活用法を具体例で解説!」
(※3)https://www.hitachi-solutions.co.jp/company/press/news/2022/0930.html 「デジタルツインとxR技術による可視化で設備管理を効率化する「都市・建物向けxRトータルソリューション」を販売開始」

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