2023年建築基準法改正のポイント|国土交通省の耐震基準や年表解説
「建築基準法改正」についてピックアップします。災害や事件をきっかけに改正を重ねてきた建築基準法は、まさに「生きた法律」です。本記事では2023年の改正のポイントや、これまでの改正履歴年表について簡単にご紹介していきます。
建築基準法とは
建築基準法とは、建築物の敷地・設備・構造・用途について最低基準を定めた法律です。社会状況や災害により適宜改正が加えられ、建物を建てる際にはその時点で定められている基準を守る必要があります。
建築基準法があることにより、「隣家が大きすぎて昼間でも日陰になってしまう」「家の隣に突然24時間稼働の工場が建ってうるさい」といったトラブルが起こるのを防いでいます。それだけでなく、個々の建物の耐震性能を確保することで国民の安全も守られているのです。
2023年建築基準法改正のポイントを解説
ここでは、2023年4月に施行される「建築基準法施行令の一部を改正する政令案」についてご紹介します。
①定期調査の指定可能対象範囲の拡大

2021年の「大阪市北区ビル火災」では、放火によりビルの4階部分(心療内科)が焼損しました。発生から30分後に消火したにも関わらず、27名もの方が犠牲になっています。この原因としては、「階段が一つしかなく避難経路確保が難しかった」ことが考えられます。
これを受け、政府の検討会では「定期調査の指定可能対象範囲を拡大すべき」との指摘がなされました。今回の改正では、「3階以上で延べ面積が200㎡を超える事務所等の建築物について、特定行政庁が定期調査報告の対象として指定できること」等が定められています。
②物流倉庫等に設けるひさしに係る建蔽率規制の合理化

物流倉庫等において、積卸し等が行われるひさしの部分の規制が合理化されます。建蔽率規制を「5mまで不算入」とすることで、物流効率化に資する大規模なひさしの設置が容易になります。
この背景には、「通販」の需要増があります。新型コロナウイルスをきっかけにテレワーク等で在宅する人が増え、今後も物流量が増加することを見越して改正されたと考えられます。
③耐火性能に関する技術的基準の合理化

現行での木造建築物の耐火性能基準(火災時の倒壊防止のために壁、柱等が耐えるべき時間)は、60分・120分の2種類です。今回の改正では木材利用促進のため、新たに「90分」が設けられ精緻化されることになっています。
④無窓居室に係る避難規制の合理化
最近増えている「シェアオフィス」に対応することを想定し、無窓居室の避難規制が合理化されます。具体的には、「主要構造部(壁、柱等)の耐火構造等不要化」、「地上等に通ずる直通階段までの距離を延長(窓等を有する居室と同等化)」が定められています。
建築基準法の履歴まとめ|年表でおさらい
2023年に建築基準法施行令の一部が改正されますが、これまでも繰り返し改正が重ねられてきました。地震をきっかけに大改正されることが多く、その都度新たな基準が検討されています。
続きは、Build App Newsにて公開していますので、是非ご覧ください。
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