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Autodeskが公開したオープンソースのサービス「Open RV」とは?商用RVとの違いも解説

CG領域に特化した製品提供を進めてきたAutodesk社は、2023年1月よりオープンソースの新たなサービス「Open RV」を公開しています。無料で提供されるOpen RVですが、そもそもどのような機能を備えているのでしょうか。

この記事では、Autodeskの新サービスであるOpen RVの概要や、導入メリット、商用RVとの違いなどについて、解説します。

目次:

  1. AutodeskのOpen RVとは
  2. Open RV登場の背景
  3. Open RV活用のメリット
  4. Open RVの主な機能
  5. Open RVと商用RVの違い

AutodeskのOpen RVとは

Open RVは、2023年1月にAutodeskがGithub上で公開した、オープンソースのサービスです*1。元々、AutodeskはRVと呼ばれるメディアレビュー、および映像再生ソフトを提供しており、ハイエンドな高解像度画像や映像を、異なるバージョンと比較検討しながら閲覧ができる機能を備えています。

今回公開されたOpen RVは、そんなRVの標準機能を無料で、誰でも使えるように設計されたサービスです。RVのテクノロジーはTweak Technology社が開発したものでしたが、2015年にAutodeskが同技術の権利を取得し、Autodesk傘下のサービスとして提供されています*2。

Open RV登場の背景

これまで有償提供されてきたRVを、オープンソース版を開発し提供に至った背景として、業界コミュニティにおけるコラボレーションやコミュニケーションの活性化を促すことが挙げられます。業界標準のサービスとして、オープンソースのOpen RVが活用されるようになれば、コスト面の問題を気にすることなく、ハイエンドなレビュー環境を整備することが可能です。

また、Autodeskは無償のOpen RVを提供しユーザー数を確保することで、有償のRVの継続的な開発を行うことを掲げています*3。最新の業界標準のレビュープロセスをRVの開発に適用することで、より業界にとって有益なサービスとして継続的に運用されることを想定しているものです。有償提供にこだわらないサービスのあり方を追求し、業界にとって最大限の利益をもたらそうというのが狙いと言えます。

Open RV活用のメリット

Open RVの活用により、ユーザーは複数のメリットを期待できます。

まずOpen RVは、最先端のメディアレビュー機能を誰でも無料で利用できる点が高く評価されています。有償のRVとは若干の機能の差はあるものの、基本的なスペックについては同等に設計されているため、満足のいく製品体験が得られるでしょう。

無料で機能を利用できるということは、コスト面での導入ハードルを気にすることなく、大規模な導入を進めやすい点も魅力です。高価格な製品を導入したい場合、個人や少人数であれば気軽に導入できても、組織的に導入を進めるとなると予算の都合をつけるのが難しくなります。

Open RVは、そんな予算の心配をすることなく導入を進められるため、速やかな技術活用でテクノロジーの恩恵を迅速に享受できるのが魅力です。

Open RVの主な機能

Open RVは、さまざまな機能を使い分けながら日々の業務の効率化を進めることができます。

Open RVの主な機能は、メディアのレビューやプレイバック機能です。最新版と旧版のメディアを同時に、比較しながらリアルタイムで比較することができ、ディテールにこだわった仕上がりを追求することができます。

また、メディアレビューはオンラインで複数人とコラボレーションしながら実行することができ、情報共有やフィードバックの手間を削減することも可能です。そのほか、ワークフローのカスタマイズやコア機能の変更なども、実際の業務に合わせて実行することができます。

これらの機能は有償のRV製品とおおむね同じであるため、無償のOpen RVでは不安が残るという人でも安心して利用できるでしょう。

Open RVと商用RVの違い

それでは、無償のOpen RVと有償の商用RVでは、どのような違いがあるのでしょうか。基本的な機能面ではこれら2つのサービスに違いはありませんが、小さな変更点は複数存在するため、注意が必要です。

例えばプレゼンテーションモードについてですが、商用RVではSDI、DVI、HDMIに対応している一方、Open RVはSDIに対応していません*4。オーディオ、ビデオコーデックやフォーマットについても、商用RVはあらゆる形式に対応していながら、Open RVではAAC、DnX、Apple ProRes、ARRI、REDなどに対応していないのは気をつけておくべき相違点です。

製品の技術サポートも、商用RVは公式に受けられるものの、Open RVでは得られず、コミュニティへの質問などでトラブルに対応する必要があるでしょう。ただ、すでにAutodesk製品のユーザーである場合、基本的な質問事項についてはAutodeskの窓口からサポートを受けられる可能性があるため、一度利用してみることをおすすめします。

まとめ

この記事では、Autodeskが新たに提供を開始したOpen RVの概要や運用メリット、そして有償の商用RVとの違いについて、解説しました。

RVはエンターテイメントやグラフィック関連の領域に携わる人にとって、新しいオープンスタンダードとなりうるサービスです。元々有償の製品をオープンソース化したという背景もあり、Open RVの信頼性は高く、今後も継続的に機能改善やそのほかのアップデートが期待できます。

無償で利用ができ、機能面も有償の製品と大きな違いはないため、コストを抑えてメディアレビュー機能を導入したいという方にとっては、強力な味方となってくれるかもしれません。ただ、有償のRVとは対応フォーマットなどに微妙な違いがあるので、導入前にあらかじめ確認しておくことは忘れずに行いましょう。

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参考:
*1 CGiNTEREST「オープンソース化された Autodesk のメディアレビュー&再生ソフトウェア Open RV がGitHubで公開」
https://cginterest.com/2023/01/21/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%E5%8C%96%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F-autodesk-%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%EF%BC%86/

*2 CGiNTEREST「Autodesk、メディアレビュー&再生ソフトウェア RV をオープンソース化」
https://cginterest.com/2022/08/09/autodesk%e3%80%81%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%ac%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc%ef%bc%86%e5%86%8d%e7%94%9f%e3%82%bd%e3%83%95%e3%83%88%e3%82%a6%e3%82%a7%e3%82%a2-rv-%e3%82%92%e3%82%aa/

*3 Autodesk「RVを開く:よくある質問」
https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/RV-Open-Source-Frequently-Asked-Questions.html

*4 *3に同じ

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