Navisworksを使った位置合わせの方法!Revitとの相互運用のコツも解説
3Dモデルのレビュー機能が豊富なAutodeskのNavisworksは、豊富な機能を揃えているため、一つ一つの使い方を丁寧に理解しておくことが大切です。
この記事では、Navisworksを使った位置合わせの各種方法について紹介しながら、Revitとの相互運用にも役立つポイントについて、解説します。
目次:
- Navisworksを使った図形の位置合わせの方法
- Navisworksを使った断面の位置合わせの方法
- Navisworksを使った3Dと2Dの位置合わせの方法
- NavisworksとRevitを使った点群の位置合わせの方法
- Navisworksを有効活用するためのポイント
Navisworksを使った図形の位置合わせの方法
まずはNavisworksを使った、図形同士の位置合わせの方法を解説します。図形同士で位置合わせを行う場合、まずは[ホーム]タブから[選択]をクリックしましょう。位置を合わせたい2つの図形の頂点を一つずつ選択し、リボンパネルより[レビュー]タブを開きます。それから[測定]ボタンの下半分を選んで[ポイントライン]を選びます。
位置合わせのために動かしたい図形、位置合わせの軸となる図形の順にクリックし、リボンパネルの[測定]から[選択された項目を変換]を選ぶと、指定した位置に図形が移動します。これで図形の位置合わせは完了です。
Navisworksを使った断面の位置合わせの方法
Navisworksはモデルの断面図を使った位置合わせにも対応しています。この際、まずは断面化を有効にする手続きが最初に必要です。断面化の有効化は
- [ビューポイント]タブを開く
- [断面化]パネルを選ぶ
- [断面化を有効]を実行する
という手順で行うことができます。
断面化を有効化した後、選択ツリーから[断面化ツール]タブを選び、[変換]パネルの選択、そして[選択にフィット]を実行します。[断面の設定]パネルから[サーフェスに位置合わせ]を実行すれば、断面図の位置合わせが可能です。断面は取り扱いの柔軟性が高く、自由に移動させたり、回転することもできます。
Navisworksの断面機能は非常に便利で、他にも断面の数を増やせる機能なども付属しています。断面の数を増やすには、
- [断面化ツール]タブを選ぶ
- [断面の設定]パネルを展開する
- 「断面の設定」ウインドウを開く
- プルダウンから増やしたい断面を選択する
ことで実行可能です。例えばプルダウンにて上面を選択すると、対象のオブジェクトの上面が断面化され、違う角度から検証を行うことができます。
Navisworksを使った3Dと2Dの位置合わせの方法
3Dモデル同士の位置合わせのみならず、Navisworksでは3Dと2Dの位置合わせも行うことができます。実行に当たっては、まず新規ファイルを作成し、3Dモデルを読み込んでから2Dの平面図を読み込みます。
Revit上で読み込みを行うと、基本的には3Dデータと2Dのデータは座標が揃った状態で読み込みが行われますが、揃っていないこともあります。この場合、
- [ビュー]タブを選ぶ
- [ワークスペース]パネルを選ぶ
- [ウィンドウ]を開く
- [選択ツリー]にチェックを入れる
- 右クリックで[単位と変換]を選ぶ
- 単位と変換ダイアログで[原点]を 0,0,0 とし、OKをクリック
の手順を踏むことで位置を合わせることが可能です。
図面の線とモデルの面が干渉して見えづらいと感じた場合、図面のZ軸を移動させることで見やすくすることもできます。選択ツリーから2D図面の方にチェックを入れ、単位と変換ダイアログで[原点]を 0,0,50前後に設定し、OKをクリックすると若干離れて表示されるので、見やすさを確保可能です。
図面に記された注釈情報をモデルにも適用させながら確認できるので、業務の効率化や精度向上に役立つでしょう。
NavisworksとRevitを使った点群の位置合わせの方法
Navisworksは、同じくAutodeskの製品であるBIMソフトのRevitとも相性の良いサービスです。Navisworks上でRevitモデルと点群データを同時に呼び出し、位置を合わせることができます。
Revitモデルと点群の位置は、デフォルトだとリンクするように設定されておらず、基準点が統一されていないことにより位置情報にズレが生じます。そのため、位置合わせを行うためにはまずRevitモデルと点群データのリンク設定を確認しなければなりません。
Revitモデルと点群データのリンクを設定するには、まず点群のコピーを2つ作成します。それからそれぞれの点群を、Revitデータとリンクさせることで、位置合わせが可能です。新しく作った点群のうち、片方を[自動-基準点合わせ]を使用して設定し、もう片方を[自動-共有座標を指定]を使用します*1。
一方が正しい場所に配置され、もう一方は正しい場所にセットされない場合、ダイアログボックスに表示があります。これらの値が正しく一致すれば、位置合わせを行うことが可能です。[座標]の[Navisworks File Reader]から点群とRevitの座標を確認し、一致するように設定し直しましょう。
また、Revit上で点群の位置を手動で変更した場合には、Navisworks上でも点群を設定し直す必要があります。X軸、Y軸、Z軸、そして回転した値に合わせて、[単位と変換]ダイアログから設定を適用しましょう。
Navisworksを有効活用するためのポイント
Navisworksは基本的にBIMモデルやそのほか3Dモデルをレビュー・解析することに特化した製品です。そのため、モデリングの作業そのものについては他のソフト上で行い、情報共有や分析をNavisworksで行うという使い方が有効です。
Navisworksと最も相性の良いソフトの一つが、上でも触れているRevitです。Navisworksをより便利に使いこなす上では、Revitについての理解も深め、実際にある程度操作できると互換性を活かした業務効率化が実現するでしょう。
可能であればNavisworksとRevitをセットで運用し、併用できるスキルを身につけられるのがベターです。
まとめ
この記事では、Navisworksを使った位置合わせの方法について解説しました。Navisworksは3Dモデル同士や平面図と立体図、断面、そしてRevitを使った点群データの位置合わせを行うことができます。それぞれの方法を覚えておくことで、柔軟なデータ活用や業務効率化が実現します。
また、Navisworksと相性の良いRevitとの併用も進め、ハイレベルな運用を実現しましょう。
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参考:
*1 Autodesk「RevitとNavisworksの間で点群を位置合わせする方法を教えてください。」