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【クリエイター向け】Autodesk Civil View for 3ds Maxとは?特徴や3DCGの今後について

「Autodesk Civil View for 3ds Max」とは3DCGを作成できるツールで、同じオートデスクから提供されている土木ツール「Civil 3D」と連携できます。

この記事では3DCGに興味を持っている方に向けて、 Autodesk Civil View for 3ds Maxの特徴やできること、他ツールとの違いについて解説します。最後はオペレーター業界の展望についてもご紹介しますので、スキルアップやキャリアアップを検討している方もぜひ最後までお読みください。

この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。

  • Autodesk Civil View for 3ds Maxの特徴
  • 3ds MaxとMayaの違い
  • 3DCGオペレーターの今後について

土木データのビジュアライズができる Autodesk Civil View for 3ds Maxとは

Autodesk Civil View for 3ds Maxは、3ds Maxをシンプルな操作で初心者でも扱いやすくなっているビジュアライズツールです。

もともと「Autodesk Civil View」というツールがあり、こちらは土木技師や輸送インフラ計画担当者向けの視覚化ツールです。

Autodesk Civil View for 3ds Maxは3ds Max内に標準搭載されているアプリケーションで、土木向けツール「Civil 3D」で作成した土木データを3ds Max内に取り込み、さまざまなビジュアライズ用の要素を加えることができます。

これらのツールは連携しているため、計画の変更が発生した場合、ほとんどの場合ですぐに視覚化モデルが更新され、常に最新の状態を保ってくれる点が魅力です。

3ds Maxは新海誠監督も活用するビジュアルツール

社会現象を巻き起こすほどの大ヒットを記録した映画「君の名は。」でも、実は3ds Maxが多く使われています。

作品作りの中では絵コンテをもとにレイアウトを作成しますが、3DCGで動きを付けるときに使われたツールが3ds Maxなのです。

たとえば映画「君の名は。」では東京の摩天楼や都庁をすり抜けて飛騨の山奥の景色まで壮大に駆け抜けるカメラワークがありますが、この部分でも3ds Maxが多用されています。

地形データを作って空間を設定し、3ds Max上で200㎞程もある東京から飛騨までの背景画像を貼り付け、解像度が足りなくなったらまた絵を足して……という地道な作業を繰り返し、今までにはないほどリアルなアニメーションを生み出しています。(※1)

3ds MaxとMayaの違い

Autodeskのビジュアルツールといえば、3ds MaxのほかにMaya(マヤ)も有名です。どちらも3DCGの作成に特化したツールなので基本的な機能は似ているのですが、2つには違いがあります。

まず3ds Maxはプラグインが豊富です。プログラミングの知識が豊富でなくとも、プラグインを活用することで機能を拡張できます。

またアニメーションCGに特化しており、前述した新海誠監督のようにアニメ系にCG作成においてよく使われています。3ds Maxの8以降には「キャラクタースタジオ」というアニメーション機能が標準で搭載されており、ほかにも3ds Maxに特化したアニメーション向けプラグインがたくさんあります。

また3ds MaxはCADツールと連携ができるため建築業界でも注目されています。建築業界でCG制作などを行いたい方は、3ds Maxがおすすめです。

デメリットはプラグインありきの仕様であり、表現によっては標準機能だけで賄うことができない点が挙げられます。プラグインは無料もあれば高額なものもあるので、この点はデメリットとなるでしょう。また3ds Max自体がMac OSに非対応なので、Windowsのみの利用となります。

Mayaは標準機能が豊富で、アニメーションやエフェクトなどのツールセットも充実しています。スクリプトによって独自機能を持たせることができ、プラグインに頼る必要がありません。

Mayaは実写映像と相性が良く視覚効果を与えやすいことから、映像業界で高い人気があります。またMac・Windowsの両方に対応しているためOSを制限されることがありません。

Autodesk Civil View for 3ds Maxの目的

Autodesk Civil View for 3ds Maxの開発は、「シンプルな操作で初心者でも扱いやすく」がコンセプトになっています。(※2)3ds MaxはMayaよりも初心者向けですが、それでもコマンドが多く複雑で、操作に迷うユーザーも少なくありません。

またAutoCADの標準ファイル形式である「DWG形式」で地形の読み込みができますが、その際「Object Enabler(オブジェクト イネーブラ)」というツールの設定が必要で、こちらも複雑です。

Autodesk Civil View for 3ds MaxはCivil 3Dとの連携でより品質が上がる

Civil 3Dと Autodesk Civil View for 3ds Maxを連携させる場合は、「VSP3D形式」でのデータ取り込みが推奨されています。(※3)

中間ファイルであるVSP3D形式では、以下のデータがサポートされています。

  • グレーディング計画線
  • コリドー基線
  • コリドー計画線
  • コリドーサーフェス
  • サーフェス
  • ポイントグループ  

SP3Dというデータ形式は、Civil 3Dで出力する際に以下の手順で指定できます。(※4)

  • [出力]タブの[書き出し]パネルから[3ds Max用にCivil Viewに書き出す]をクリック
  • [3ds Max用にCivil Viewに書き出す]を使用して[コリドーオプション]と[マテリアル オプション]を書き出してデータを選択する
  • Civil 3Dから出力したVSP3Dデータを3ds Maxで取り込む際は、以下の手順で行います
  • Civil Viewメニューから[Civil Viewを初期化]を起動する
  • Civil Viewのインストール後、最初の起動時に初期設定を行う
  • システム単位、国別リソースきっと、開始モードを選択
  • [OK]をクリックして3ds Maxを再起動
  • 再起動後にCivil Viewメニューから[Civil Viewを初期化]を選択してアプリを起動する
  • 画面の指示に従い単位系などの初期設定方法を設定する
  • Civil Viewメニューから各種ファンクションにアクセス可能となる
  • [ジオメトリの読み込み]-[Civil 3D(VSP3D)ファイル…]を選択して、Civil Viewで出力した該当データを読み込む
  • 取り込むデータセットを選択する(項目は任意)
  • [適用]もしくは[OK]を選択する→取り込み完了
  • [Civil]メニュー-[Civil Viewエクスプローラ]を起動する

上記手順で、Civil 3Dでデータ出力から3ds Maxで取り込みまでが完了します。3ds Maxでデータを読み込んだ後のシーン内のデータセットへのアクセスは、[Civil Viewエクスプローラ]からアクセスできます。

建築業界で大活躍!3ds Maxオペレーターの需要が増加

3DCGといえばVRやARのイメージが強いかもしれませんが、昨今では製造業や建築業といった様々な業界で応用が進んでいます。それにともない求人も増加傾向にあり、興味があるならぜひ勉強を始めたい技術の1つです。

BIM/CIMの普及に伴いCG技術も需要UP

建築業界では、長らく紙の図面や職人さんによる勘や経験が重視されていました。しかし深刻な人手不足や過重労働といった課題が大きくなり、今ではデータ活用を基本としてBIM/CIMの取り組みが進んでいます。

BIM/CIMとはBuilding/ Construction Information ModelingとConstruction Information Modeling,Managementの頭文字から作られた言葉です。建築における計画・調査・設計段階から3Dモデルを導入し、さらにその後の施工や維持管理にいたるまで3Dモデルを連携させて活用することで、効率的な意思疎通や生産性の向上を図っています。

建築業界で3Dモデルの活用が進んだことで、3DCGオペレーターの求人も増加しているのです。

特に3ds MaxはCADツールと連携できるため建築業界でも導入が進んでおり、3ds Maxオペレーターは重宝されます。

デジタル処理技術があれば、プレゼン資料もより視覚効果を高めることができます。大規模工事では施工前に近隣住民に説明する機会がありますが、この時にも3ds Maxが活用されるのです。

CADオペレーターのキャリアチェンジにもおすすめ

建築業界では2次元図面などを作成するCADの普及が広まっており、CADオペレーターが図面やモデルを作っていました。

しかしBIM/CIMの導入が進むことでCADの出番が少なくなっています。3Dデータを扱える3次元CADやBIM/CIMオペレーターの需要が高まっていることから、CADオペレーターのキャリアアップとしても3ds Maxオペレーターはおすすめです。

CADや建築の技術を持っている人が3ds Maxを扱えるようになれば、よりBIM/CIMを進める企業に重宝されるでしょう。CADオペレーターの仕事が限定的になってきている今、3ds Maxの技術は大きな武器となります。

まとめ

Autodesk Civil View for 3ds Maxについて、ツールの特徴や他ツールとの違い、3DCGの展望についてご紹介しました。多くの業界で3Dデータの活用が進んだことで、オペレーターの需要も高まっています。もし少しでも興味を持っているなら、勉強してみることをおすすめします。

 

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参照サイト

※1 https://area.autodesk.jp/case/movie_tv/your_name/
※2 https://bim-design.com/infra/training/file/3ds_Max/Civil3D_3dsMax_2017.pdf 
P.7
※3 https://bim-design.com/infra/training/file/3ds_Max/Civil3D_3dsMax_2017.pdf 
P.8
※4 https://bim-design.com/infra/training/file/3ds_Max/Civil3D_3dsMax_2017.pdf 
P.9

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