AutoCADの資格とは?試験の概要と資格を取得するメリット、合格までのステップを詳しく解説
建設に関する幅広い知識、豊富な経験が求められる建設業界。
建設業界で活躍するために、資格の取得を検討している方もいるのではないでしょうか。
今回は、製図や設計業務で使用されているAutoCADの資格について詳しく解説します。
AutoCADの資格を取得するメリット、資格に合格するための具体的なステップも紹介します。
建設業界で活かせる資格を取得したい方、製図や設計業務に関わっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
AutoCADの資格とは
AutoCADの資格とは、どのようなものかを解説します。
- AutoCADとは
- 「AutoCAD ユーザー試験」の概要
上記について解説するので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
AutoCADとは
AutoCADは、オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)が提供しているCADソフトウェアです。*1
建築物や土木構造物の製図や設計業務を行えるのがAutoCAD。
2Dだけではなく、3Dモデルの作成もできます。
AutoCADの最初のバージョンが発表されたのが1982年12月。
製品がリリースされてから現在まで定期的にバージョンアップされ、建設技術の進化にあわせて、AutoCADは設計業務の効率化に対応してきました。
最新バージョンにアップデートされた場合も、過去の図面データを開けます。
AutoCADは、建設プロジェクトに関わる多くの企業で導入されているCADソフトウェアです。
「AutoCAD ユーザー試験」の概要
AutoCAD ユーザー試験は、AutoCADのスキルを修得できていると証明するものです。*2
「大学進学」「就職・転職」「昇級・昇進」などを目的に、AutoCAD ユーザー試験を受験する方もいます。
AutoCAD ユーザー試験の詳細は、以下のとおりです。
【AutoCAD ユーザー試験】
- 問題数:30問
- 出題形式:選択式および実技操作
- 試験時間:50分
- 合格ライン:70%以上の正解率
ただし、AutoCAD ユーザー試験の受験者は「最新AutoCAD コース」「50時間以上の製品の使用経験」がある方を推奨しています。*3
AutoCAD ユーザー試験に合格するためには、AutoCADの基本的な知識や操作方法などを理解していなければなりません。
オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)の公式ホームページでは、AutoCAD ユーザー試験の合格におすすめの対策が紹介されています。
AutoCAD ユーザー試験に合格するために有効な対策は、以下のとおりです。
【AutoCAD ユーザー試験に合格するために有効な対策】
- オートデスク認定試験センター(ACC)で認定試験対策本を購入して学習する
- オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)の試験対策講座を受講する
【AutoCADの資格】AutoCAD ユーザー試験の出題内容
AutoCAD ユーザー試験に合格するために気になるのは、出題範囲ではないでしょうか。
オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)の公式ホームページでは、AutoCAD ユーザー試験の出題範囲が掲載されています。
AutoCAD ユーザー試験の出題範囲は、以下のとおりです。
【AutoCAD ユーザー試験の出題範囲】*4
基本的な作図スキルの利用 | 選択セットを作成する座標系を使用するダイナミック入力、直接距離入力およびショートカットメニューを使用する情報コマンドを使用する |
オブジェクトの作成 | 線分と長方形を描く円、円弧、およびポリゴンを描くポリラインを描く |
作図補助機能の使用 | グリッドとスナップを使った作業オブジェクトスナップトラッキングを使用する座標系を使用する |
オブジェクトの編集 | 移動、複写する回転、尺度変更する配列複写を作成、使用するトリム、延長するオフセットする鏡像するグリップ編集を使用するフィレット、面取りする |
高度な作図編集機能 | ポリライン曲線を描画、編集するハッチング、グラデーションを適用する |
オブジェクトの整理 | オブジェクトのプロパティを変更するオブジェクトへの画層割り当てを変更する画層の表示をコントロールする |
コンテンツの再利用 | ブロックを挿入する |
図面への注釈 | テキストを作成、編集する寸法を記入する |
レイアウトと印刷 | 印刷および出力のオプションを設定する |
AutoCADの資格を取得するメリット3選
AutoCADの資格を取得するメリットは、以下の3つです。
メリットを理解した上で、AutoCADの資格取得を目指しましょう。
CADの基本的な操作スキルを身につけられる
AutoCAD ユーザー試験に合格するためには、AutoCADに関する基本的な知識や操作方法などを理解することが重要です。
製図や設計業務などの実務の中でAutoCADに慣れたり、認定試験対策本や試験対策講座で学んだりすることで、合格率を高められます。
学生や新入社員、中途社員などは、CADの基本的な操作スキルを身につけられるので、CADスキルが向上し幅広い業務に対応できるようになるでしょう。
社員教育や社員研修の一環として、AutoCAD ユーザー試験の受験を検討するのもおすすめです。
業務効率化や生産性向上につながる
AutoCAD ユーザー試験に合格できれば、業務効率や生産性向上につながります。
CADソフトウェアを習得するためには、時間がかかるものです。
AutoCADの最新情報に追いつけなかったり、操作に慣れていなかったりすると、業務に時間がかかり時間外労働の原因になることもあるでしょう。
さらなる業務効率化や生産性向上を実現させたい場合は、一人一人の社員がスキルアップする必要があります。
AutoCADに関する知識や豊富な経験があれば、製図や設計業務で有利となります。
昇給や昇格が期待できる
AutoCAD ユーザー試験の合格者は、AutoCADに関する幅広い知識と経験があることを証明できます。
企業によっては、特定の資格取得を昇給や昇格の条件としていることもあるのではないでしょうか。
AutoCAD ユーザー試験に合格することで、昇給や昇格を実現できる場合もあります。
昇給や昇格によって、年収アップも期待できるでしょう。
AutoCAD ユーザー試験の合格を果たし、昇給や昇格を実現させてみてはいかがでしょうか。
AutoCADの資格に合格するまでの4ステップ
AutoCADの資格に合格するまでのステップは、以下の4つです。
順番に確認していきましょう。
ステップ1:受験の準備
AutoCAD ユーザー試験に合格するために、AutoCADに関する基本的な知識と操作方法などを学ぶ必要があります。
実務でAutoCADに触れることも重要ですが、必要に応じて「認定試験対策本での学習」や「試験対策講座の受講」で効率良く学習を進めましょう。
認定試験対策本は、オートデスク認定試験センター(ACC)で購入できます。*5
試験対策講座は、オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)で受講可能です。*6
ステップ2:試験の手続き
AutoCAD ユーザー試験を受験する際は、自宅や勤務地の近くの試験会場に直接申し込みを行う必要があります。
ただし、会場によってはAutoCAD ユーザー試験が実施試験科目に含まれていないこともあります。
AutoCAD ユーザー試験が実施試験科目になっているかを確認した上で、申し込みをしましょう。
日本全国で試験会場が決められているので、詳しくは以下リンクからチェックしてみてください。
ステップ3:受験
AutoCAD ユーザー試験当日は、申し込みをした会場で受験します。
ただし、受験の際は本人確認書類が必要です。
本人確認書類がない場合は、AutoCAD ユーザー試験を受験できなくなるので、十分に注意しましょう。
本人確認書類を忘れたことが原因で受験できない場合でも、受験料金は返金されません。
必ず本人確認書類を持参しましょう。
本人確認書類として認められているものは、顔写真付きの証明書です。
以下の本人確認書類が認められています。
【AutoCAD ユーザー試験で認められている本人確認書類】*8
- 運転免許証
- 住民基本台帳
- パスポート
- 社員証
- 学生証
ただし、顔写真に汚れやキズがあったり、化粧・服装・顔の表情などで本人確認ができなかったりする場合は、ほかの本人確認書類を提示しなければなりません。
ステップ4:合格発表
AutoCAD ユーザー試験の終了後はすぐに合否判定がされるので、専用サイトから認定証明書をダウンロードができます。*9
まとめ
今回は、AutoCADの資格の試験概要と資格を取得するメリット、合格までのステップを詳しく解説しました。
建設業界でキャリアアップを目指す方、CADソフトウェアに関する幅広い知識・経験を業務に活かしたい方は、参考になったのではないでしょうか。
建設プロジェクトを進める上で、さまざまな場面で活用されているCADソフトウェア。
CADソフトウェアの中でも、歴史が長く導入企業も多いのがAutoCADです。
AutoCADの知識を深めたり操作方法をマスターしたりするためにも、AutoCADの資格「AutoCAD ユーザー試験」を受験してみてはいかがでしょうか。
AutoCADの詳細は、オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)の公式ホームページに掲載されています。
AutoCAD ユーザー試験の受験前にAutoCADについて詳しく知りたい方は、以下リンクもあわせてご覧ください。
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*1
参考)オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)「Autodesk AutoCAD とは」
https://www.autodesk.com/jp/solutions/what-is-autocad
*2
参考)オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)「オートデスク認定 AutoCAD ユーザー」
https://www.myautodesk.jp/certification/user_AutoCAD.html
*3
参考)オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)「オートデスク認定資格プログラム FAQ」
https://www.myautodesk.jp/certification/faq.html
*4
引用)オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)「オートデスク認定 AutoCAD ユーザー」
https://www.myautodesk.jp/certification/user_AutoCAD.html
*5
参考)オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)「オートデスク認定資格プログラム 試験会場(ACC)のご案内」
https://www.myautodesk.jp/certification/venue.html
*6
参考)オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)「オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)プログラムとは…」
https://www.myautodesk.jp/atc/
*7
参考)オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)「オートデスク認定資格プログラム 試験会場(ACC)のご案内」
https://www.myautodesk.jp/certification/venue.html
*8
参考)オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)「オートデスク認定資格プログラム 試験準備ガイド」
https://www.myautodesk.jp/certification/pdf/AutoCAD_user.pdf
*9
参考)オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)「オートデスク認定資格プログラム FAQ」