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Air Tagのストーキング対策機能について詳しい使い方のまとめ

Appleのプロダクトの中でも、機能特化型でユニークな存在として「Air Tag」があります。紛失防止トラッカーという分野で、iPhoneと連携することによって機能を発揮します。
紛失防止トラッカーの分野は以前からさまざまなプロダクトがありましたが、Air Tagの登場に伴い、市場が拡大しつつあります。
今回は「Air Tag」の懸念点でもあり、順次強化されている「ストーキング対策機能」について、その使い方を含めてまとめてみました。

この記事でわかること
 ・Air Tagの機能とストーキングについて
 ・ストーキング対策機能と使い方
 ・Android端末向けアプリについて

Air Tagの機能とストーキング

Air Tagは、2021年4月に登場した「紛失防止トラッカー」です。当時、この分野ではTileなどの製品が存在していましたが、Appleがそれに対抗するために開発・発売したものです。
Appleのデバイスの中において絶対数は少ない方ですが、それでも2022年には3,500万個を販売するなど好調にシェアを伸ばしています。

Air TagにはiPhoneとペアリングすることで、Bluetooth範囲から離れた時にアラートを鳴らすなど「置き忘れ防止」機能があります。また紛失した際には、近くにあるiPhoneが存在を検知し持ち主に通知する機能も備えています。

世界中に数多くのユーザーがいるAppleデバイスのネットワークが、Air Tagを監視して場所を特定することができます。iPhoneを利用しているため、Air Tag自体にはGPSを搭載する必要はなく、簡単な構造でその機能を実現することが可能です。

一般的にAir Tagは、カバンやPCなどに取り付けて使います。やや厚みがあることから財布に取り付けることはあまり現実的ではなさそうです。
他にもユーザーによっては、ペットにつけたり子供に持たせるような使い方もしています。

Air Tagの本来の目的は「紛失防止」と「置き忘れ防止」ですが、「追跡装置」としても機能します。しかし「追跡装置」の機能が、ストーカーに悪用される原因となっており、実際に多くの被害が報告されています。
Air Tagはわずか数千円で購入することができ、さらに機器に詳しくない素人でも簡単に使えてしまう点などが悪用される要因となっています。

2022年には、恋人の不倫を疑った女性がAir Tagを使って追跡したあげく、車を使って轢き殺すという殺人事件にまで発展しました。追跡したい相手のカバンや車に、Air Tagをそっと忍ばせるだけでいいのですから、言い方は悪いですがこんな便利な追跡手段はありません。*注1

車のタイヤに仕込んだりする例もあるなど、素人では発見することは難しいでしょう。Air Tagはストーカーには便利な装置ですが、追跡される側にとっては非常に厄介です。
このような悪用については、Air Tag発売当初から懸念されていたことであり、Appleも順次対策手段を強化しています。

順次強化されているストーキング対策機能と使い方

「Air Tagはストーカーツールだ」として、Appleが訴えられたこともあります。Appleとしても、せっかくの便利なツールが悪用されるのを防ぐため、発売以来順次アップデートを重ねさまざまな対策を強化してきました。

Air Tagには、一定期間持ち主(ストーカー)のiPhoneと離れた場合、音が鳴る機能があります。Air Tagを仕込まれた方はこの音を聞いて、ストーキングに気がつくと言う仕組みです。
さらに、自分が所有してないAir Tagが一定期間近くにあることを検知し、iPhoneに表示する仕組みなどもあり、ストーキング察知機能は順次強化されています。

「Air Tagはあなたと一緒に移動しています」などの通知が表示された場合、表示された本人がAir Tagを持ってないのであれば、ストーキングにあっている恐れがあります。
表示されたトラッキング通知をタップすると「探す」アプリが開き、地図上にAir Tagの移動経路が表示されます。

さらに「Air Tagがあなたの近くで見つかりました」という表示が出た場合、上にドラッグするとAir Tagに関する詳細画面が表示されます。そこにはAir Tagのシリアル番号や、所有者の電話番号の下4桁などが表示され、ストーカーを特定するのに役立ちます。
もし該当する被害にあった場合は、忘れずに詳細を記録しておきましょう。

仕込まれているAir Tagを探したい場合は、Air Tagの詳細画面で「サウンドを再生」をタップすると良いでしょう。
Air Tagがスリープしていると反応しないこともありますが、そんな時はカバンなどAir Tagが仕込まれた可能性がある物を少し揺らしてください。衝動によってAir Tagが復帰すれば、サラウンド再生が反応し音が鳴ります。

最近のファームウェアアップデートによって、Air Tagの位置を正確に示すことができるようになりました。UWB(超広域無線)技術を利用したもので、U1チップ搭載のiPhone11シリーズ以降で利用することができます。(SEモデルは除く)※注2

発見したAir Tagを無効にするには、物理的にバッテリーを外せばOKです。裏蓋を押し込み、反時計回りに回せばバッテリーを取り出すことができ、簡単に無効化することが出来ます。

とは言え、友人のカバンを借りたら間違えてAir Tagが入れっぱなしだったなど、ストーキングではないケースもあります。何かのきっかけで他人のAir Tagが紛れ込んだのではないか、よく注意して判断するようにしましょう。

Googleが新たに提供するAndroid端末向けアプリについて

ここまでは、iPhoneユーザーが利用できる「ストーキング目的で使われているAir Tag」の発見方法について説明してきました。
この方法は、全世界のiPhoneネットワークに接続することができる、Air Tagの特性を利用したものです。たとえ他人のものであってもiPhoenと通信できるからこそ、発見も容易にできる訳です。

ではAndroidユーザーがストーキングされた場合は、どうしたら良いのでしょうか?
Appleは以前に比べ、業界標準技術を取り入れたり規格に準拠するようになりましたが、基本的にはクローズドなエコシステムを重視する企業です。自らのエコシステムに顧客を囲い込むことで、安定した売り上げを確保してきました。

もしAppleが、Air Tagに関する仕様を外部に一切公開しないのであれば、AndroidからAir Tagを発見することは難しかったでしょう。しかし、2023年にAppleとGoogleは位置追跡デバイスの不正な利用に対応するため、新たな業界標準の策定で協力することに合意しました。

Air Tagの不正使用が問題となる中、根本的な対策を講じるためには、iPhone以外のデバイス利用者であっても不正の検知ができるようにする必要があります。このことにより、各デバイスのOSレベルで、不要な追跡を防止するための仕組みを導入することになりました。

アプリベースではなくOSレベルで組み入れることで、ユーザーであれば誰でも簡単に利用することができるようになります。この取り組みには、Apple以外の「紛失防止タグ」を手掛ける企業も多く賛同しています。*注3

このような取り組みの一つとして、Googleは2023年7月になって、Bluetoothトラッカーの検出・警告機能をAndroid 6.0以降の端末に実装したことを発表しました。
当初はAppleのAir Tagだけを対象としていましたが、順次他社のトラッカーにも対応していく予定です。
アラートを鳴らしたり、トラッカーの詳細情報を表示したりする他、手動でスキャンする機能などもあり、Androidユーザーにとっては待ち望まれていた更新となっています。*注4

【まとめ】
技術が発展し便利な製品が登場すると、それを悪用しようとする人が出てくるのは世の常です。私たちは、技術の恩恵を享受するとともに、悪意を持った人物のターゲットとならないよう十分な注意を払うことが重要です。
リスクを予測し、情報を集め、必要な対策をしておく。せっかくの便利な技術ですから、できるだけ快適に楽しく活用していきたいものです。

 

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■参考文献
注1
USA TODAY ”Woman used an AirTag to track boyfriend, then ran over and killed him, police say”
https://www.usatoday.com/story/news/nation/2022/06/15/woman-airtag-track-boyfriend-death/7632348001/

注2
TECH EDGE 「アップルがAirTagのストーカー対策アップデート。仕込まれたタグの距離と方向が分かる精密検索に対応」
https://www.techno-edge.net/article/2022/12/20/644.html

All About iPhone 「「AirTagはあなたと一緒に移動しています」と表示された場合/トラッキング通知/ストーカー対策」
https://www.apollomaniacs.com/ipod/howto_airtag_safety_notif.htm

注3
Impress Watch 「アップルとGoogle、位置追跡デバイスの不正利用防止で共同提案」
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1498224.html

注4
IT media NEWS 「Google、AndroidにAppleの「AirTag」ストーキング対策機能追加」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/28/news086.html

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