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MetaのLlama 2とはどんな言語モデル?利用方法を解説

FacebookやInstagramといった大手SNSを運営するMetaは、近年はメタバース開発やAI開発といったハイテク領域での存在感を発揮しています。

中でもAIの開発や運用においては他社に先駆けた取り組みが注目を集めており、言語モデル開発によるAI運用の推進を行っている企業です。

この記事では、そんなMetaが新たに開発した言語モデルであるLlama 2について、その概要や利用方法を解説します。

目次:

  1. LLM(大規模言語モデル)とは
  2. Metaが公開したLlama 2の概要
  3. Llama 2の主な特徴
  4. Llama 2の優先パートナーに選ばれたMicrosoftについて
  5. Llama2の利用方法

LLM(大規模言語モデル)とは

AI開発において不可欠とも言えるのが、LLMと呼ばれる学習モデルです。LLMは「Large Language Model」の略称で、大規模なデータセットを機械学習にかけ、高い精度を実現している自然言語処理モデルの総称です。

自然言語を使用するAIにはいずれも何らかのLLMが採用されており、自然言語による命令をAIが理解し、翻訳や質問への回答、コードの作成といった多様なタスクを実現する上で欠かせません。

また、LLMの進化はAIの進化とも直結しており、高度なLLM開発が進めば進むほど、より優れたAIを容易に開発することができます。LLMへの理解を深めることで、自社でAIを開発する際にも多くのヒントを与えてくれるでしょう。

Metaが公開したLlama 2の概要

2023年7月、Meta社は新たに「Llama 2」と呼ばれるLLMを発表しました*1。最先端のLLMとして広く知られているのは「Chat GPT」でもお馴染みのOpenAI社が開発したGPTシリーズですが、Llama 2もGPTシリーズに匹敵するポテンシャルを備えているとされており、今後の活躍が期待されています。

現在、ChatGPTに採用されているLLMはGPT-3.5と呼ばれるモデルで、そのパフォーマンスについてはChatGPTの評判からもわかるように非常に優れたものです。

一方のLlama 2も700億(70B)にものぼるパラメータを実装することで、GPT-3.5に匹敵するパフォーマンスを発揮できるとされています。

ここでのポイントは、Llama 2がGPT-3.5よりも少ないパラメータで同等のパフォーマンスを実現している点です。GPT-3.5はそのパフォーマンスを実現するために3550億ものパラメータを用いているとされていますが、Llama 2は上記の通り、わずか700億で同様のパフォーマンスを実現しています*2。

パラメータが少ないということは、それだけ運用に当たっての負荷が小さいということになるため、うまく実用化が進めば、ChatGPTを超える汎用性を獲得したサービスの実現にもつながるかもしれません。

現状、ChatGPTはクラウド上のサーバーを経由して運用する必要がありますが、運用負荷の小さいLlama 2を実装したサービスなら、スマホや自宅のPCといったローカル環境で運用できるチャットAIが登場する可能性も出てくるでしょう。

Llama 2の主な特徴

Llama 2はChatGPTクラスのAI開発に貢献が期待できるものの、ChatGPTよりも後発のため、現状では知名度でそれに劣ります。ただ、Llama2はGPTシリーズにはない強みも備えており、これらを活かした今後の展開に注目したいところです。

オープンソースである

まず、Llama 2はオープンソースのLLMであることが最大の特徴です。ChatGPTに用いられているGPTシリーズは、開発元であるOpenAIが独自に提供を進めるLLMであるため、誰でも利用できるものではありません。

一方、Llama 2はMetaにリクエストさえ送れば制度上は誰でも利用ができるオープンソースのモデルとして開発されているため、無料で活用を進められます。

商用利用ができる

Llama 2は誰でも使えるだけでなく、商用利用についても認められているのがポイントです。無料で使えるLLMでありながらビジネスにも応用できるとなると、その活用可能性や導入企業は今後急速に増えていくことになるでしょう。

Llama 2の強みである軽量なパフォーマンスは、個人利用だけでなく、商用利用の場においても強力なメリットです。どんな端末でも動作するという軽量性は、Llama 2を実装したAIサービスのユーザビリティに直結します。

サポート企業が多い

Metaが提供するLLMということもあり、Llama 2はサポート企業も豊富に揃っているのが特徴です。今後Llama 2と互換性を持つサービスなども次々と登場する可能性が高く、周辺環境の将来性についても期待が持てるでしょう。

Llama 2の優先パートナーに選ばれたMicrosoftについて

Llama 2には複数のパートナー企業が存在しますが、中でも優先パートナーとして選ばれたMicrosoftは無視できない存在です。

Microsoftが2023年7月に実施したパートナー向けイベント「Microsoft Inspire」にて発表されたLlama 2の優先パートナーシップの存在ですが、同社はこの待遇を活用して、Llama 2をAzure AIモデルカタログで利用できるようにしたり、コンテンツフィルタリングやその他クラウドネイティブなツール活用ができたりすることを予定しているとのことです*3。

また、Windows上においてもVS CodeなどのWindowsターミナルを使ってLlama 2を用いたAI開発が可能になるなど、Windowsユーザーにとっては今後Llama 2が標準のLLMとなっていくことが予想されます。

Llama 2の利用方法

Llama 2を利用したい場合、まずは開発元であるMeta AIの公式サイトからリクエストを送信する必要があります。

以下のサイトより[Download the Model]をクリックし、基本情報を入力の上、リクエストを送信しましょう。

公式サイト:https://ai.meta.com/llama/

すると招待メールが届くので、メールの中にあるリンクをクリックして、ダウンロードを実行します。Githubのダウンロードページからdownload.shを実行すると、必要なファイルがダウンロード可能です。

ダウンロードが終了したら、利用準備は完了です。

まとめ

この記事では、Metaが新たに提供を開始している大規模言語モデルのLlama 2について紹介しました。ChatGPT並のAI開発が可能なLLMであるLlama 2は、オープンソースで商用利用が可能であることから、高いポテンシャルが期待されています。

まずは実際にLlama 2を使ってみることで、そのパフォーマンスを体験してみることをおすすめします。

 
 

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*1 クラウドWatch「【Infostand海外ITトピックス】Metaが「Llama 2」公開、Microsoftは優先パートナーに」

https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/infostand/1518377.html

*2 ITmedia News「ChatGPT(3.5)に匹敵する「Llama 2」をローカルPCで動かしてみた」

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/30/news060.html

*3 *1に同じ

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