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ジェネレーティブデザイン(GD)導入でCATIAが大変革!

生成AIの進化は、様々な分野でのイノベーションを推進しています。
特にCADの世界では、生成AIの活用が設計プロセスの革新に大きな影響を与えています。
例えば、ダッソー・システムズのCATIAでは、ジェネレーティブデザイン(GD)という形で生成AIが導入されているのです。

この記事では、CATIAにおけるジェネレーティブデザイン(GD)の特徴とその活用方法について紹介します。
CADの進化としての生成AIの活用動向を理解し、実際の業務にどのように応用できるのかを探りましょう。

クラウド版CADが続々と登場

CATIAなど複数のCADで、クラウド版のサービスの導入が進んでいます。
AutoCAD Web:2018年~ *1
NX X:2022年~ *2
Creo+:2023年~ *3

CATIAの場合、CADとPLMを統合したCATIA V6が早い段階で登場していました。
2014年に製品名が一新し、3DEXPERIENCEプラットフォーム上で駆動する3DEXPERIENCE CATIAが登場しています。*4

CATIAでジェネレーティブデザイン(GD) が導入されるようになった背景にはクラウド版CADの登場が関連しています。
以下でクラウド版CAD登場の背景を詳しく紹介します。

リアルタイムのグローバルコラボレーションの必要性

昨今は、世界中のチームが時差や地域の違いを超えて共同で作業できる環境が求められています。
離れたチームでリアルタイムに協業しながらプロジェクトを遂行するには、クラウド上で駆動するCADが欠かせません。

データセキュリティとバックアップの強化

一般的にSaaSやPaaSは、ストレージがクラウド上にあります。
使っているワークステーションに不具合があっても安全にデータが守れます。
また、自社で保守を行わなくてもデータのセキュリティとバックアップが行われているため、万一災害や障害が起きた場合でもスムーズに回復が可能です。

スケーラビリティと柔軟性の向上

CADはプロジェクトの要件に応じてリソースを容易に使用するライセンスの増減ができます。
クラウド版のCADも同様で、ユーザーはSaaSプロジェクトの要件に応じたリソースの調整ができるため、初期投資や運用コストなど費用面の効率化に有効です。

ワークステーションの負荷軽減

CADデータはデータ容量や演算量が多く、ワークステーションに大きな負荷をかける傾向があります。
そのため、従来はモデリング方法を工夫していかにデータを軽量化するかという検討が行われていました。
SaaSやPaaSのCADであれば、ハードウェアへの依存度を下げられるため、作業環境の柔軟性が向上します。

最新状態でのソフトウェア利用

CADに限らずソフトウェアは都度アップデート対応が必要です。
ワークステーションにソフトウェアをインストールしているのであれば、都度バージョンアップを行う必要があります。
CADがSaaS版になることで、常に最新の機能が利用できます。
技術的な遅れやソフトウェア自体のバージョン違いの問題を避けて、継続的なイノベーションに生かせます。

ジェネレーティブデザイン の重要性

ジェネレーティブデザイン は、従来のモデリング方法とは異なる考え方で設計を効率化するアイデアを導くのに役立ちます。

3D CADにおけるモデリング方法の種類

3D CADソフトウェアには、モデリング方法がいくつもあります。
ここではジェネレーティブデザインと合わせて以前からあるモデリング方法をまとめています。

フリーフォームモデリング:アイディアを自由に形状化
ポリゴンモデリング:ポリゴンでオブジェクト表面のジオメトリを表現
サーフェスモデリング:滑らかで正確なサーフェス面の生成に特化
パラメトリックモデリング:変更履歴がありモデルの形状をパラメータで制御
ジェネレーティブデザイン:設計要件などのパラメータを用いてアルゴリズムで形状を生成

ジェネレーティブデザインは、事前に定義されたパラメータや制約に基づいて、コンピュータが自動的に多数の設計案を生成します。
人間の設計者が考えもしなかった革新的な形状や機能的解決策が示される可能性が高まります。

例えば、耐久性や軽量化などの厳しい設計要件を定義すると、その情報を踏まえた最適形状を自動的に生成し、複数の案について評価・改良することが可能です。
人間は、ジェネレーティブデザインを用いて創出されたたくさんのデザイン案から最適なものを選び調整を行うことができます。

ジェネレーティブデザインを用いると、従来の設計手法に比べて時間とリソースの節約が可能になるのはもちろん、今までにないような新しい形や解決策が見つかることもあります。

CATIAにおけるジェネレーティブデザイン(GD)導入のメリット

前述のとおり、ジェネレーティブデザインは、ユーザーが定めた情報から形状を提案する機能です。
CAITAは、クラウド環境で演算を行うSaaSおよびPaaSソリューションである3DEXPERIENCEでも利用可能です。
CAITA上で生成AIとクラウドコンピューティングを組み合わせると、手元のワークステーションのスペックに影響を受けずに大規模な演算も対応可能です。

CATIAでジェネレーティブデザイン(GD)が実装されたことで、設計のバリエーション検討や材料などのアイディアが得られます。
エンジニアやデザイナーが一連の設計要件とパラメータを入力すると、CATIA側で演算を行い、自動的に多様なデザイン案が生成されます。

CATIAの高精度な開発機能に加えて新たに想いもよらなかった設計やデザインのアイディア創出が短時間で行えるため、設計効率化と作業工数削減に大きく貢献可能です。

クラウド版のジェネレーティブデザインについて詳しくは、ダッソーシステムズのサイトからeBookがダウンロード可能です。*5

ジェネレーティブデザイン要素を含むCATIAのワークベンチ

ジェネレーティブデザインの要素が組み込まれたCATIAのワークベンチには、以下などがあります。
オンプレミス版でも使用できCATIAではCAEに大別されますが、クラウドになることで更にスムーズな演算が行えます。

Generative Part Structural Analysis(GPS)
部品の構造的側面に焦点を当てた設計に特化したCATIAのワークベンチです。 *6
耐久性、剛性、重量などのパラメータに基づいて最適な設計を自動生成し、効率的な製品開発を実現します。

Generative Assembly Structural Analysis(GAS)
各部品をアセンブリした状態で構造解析を行うCATIAのワークベンチです。 *6
組立体全体の強度と応力分布を分析し、各部品の設計改善に役立ちます。

Generative Shape Optimizer(GSO)
形状の最適化を行うCATIAのワークベンチです。 *7
荷重条件や材料特性に基づいて、形状の最適化を自動的に行い、結果を軽量化や材料コスト削減に活かせます。

まとめ
生成AIは、アルゴリズムを使用して多様なデザイン案を自動生成し、従来の設計手法を超えた新しいアイデアやソリューションを提供します。

CATIAでは新たなモデリング手法であるジェネレーティブデザイン(GD)で生成AIを活用しています。
ジェネレーティブデザイン(GD)では、設計要件をもとに複数のアイディア創出が可能です。
製品の軽量化や効率的な材料の使用、構造最適化など、設計プロセスの革新と効率化が行えます。

事業環境やユーザーニーズは日々変わるため、CATIAユーザーでもイノベーションが必須です。
ジェネレーティブデザイン(GD)を活用することで、CATIAの使用環境にさらなる変革が産まれているのです。

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参考URL

*1 https://www.autodesk.co.jp/products/autocad-web/overview?term=1-YEAR&tab=subscription

*2 https://trials.sw.siemens.com/en-US/trials/nx-x-online-cad

*3 https://www.ptc.com/ja/news/2023/ptc-brings-creo-to-cloud-with-introduction-of-creo-plus

*4 https://www.3ds.com/ja/products-services/catia/

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