1. TOP
  2. ブログ
  3. 会津若松市のスマートシティAiCTが目指す未来の社会とは?

会津若松市のスマートシティAiCTが目指す未来の社会とは?

 IoTやAI、ICTなどのデジタル技術を用いて企業や人々の利便性・快適性向上を目指す都市、スマートシティが注目されています。スマートシティの取り組みは世界中で急速に進んでいます。この記事ではスマートシティの概要とスマートシティの1つである「スマートシティAiCT」についてご紹介します。

 この記事を読むと以下の3つのことがわかります。
(1)スマートシティ
(2)福島県会津若松市のスマートシティ戦略
(3)スマートシティAiCT

スマートシティ

まずスマートシティについて説明する前に、スマートシティを理解するための重要な考え「Society 5.0」についてご紹介します。
 

Society 5.0とは

人間の社会は狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)と変化してきました。そして新たな近未来の社会を指すSociety 5.0という考え方が誕生しました。
Society 5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立するような、人間中心の社会のことです。*1
Society 5.0ではIoTやAI、ICTの活用やイノベーションによってあらゆる人とモノが繋がり、知識・情報が共有されます。その結果、新しい価値が創造されたり、少子高齢化や地方の過疎化といった課題が解決されたりすることになります。

スマートシティとは

スマートシティはSociety 5.0の先行的な実現の場と定義されています。つまり、デジタル技術の連携によって都市全体の効率性や生産性の向上、住民の生活の質の向上、都市問題の解決を目指すような新しい都市のあり方です。
特に日本は世界の中でも少子高齢化や災害などの都市問題が非常に多い国なので、スマートシティの実現によって大きな効果があることが期待されています。

スマートシティでは様々なデジタル技術が必要となります。例えば、IoTやAI、ICT、エッジコンピューティング、そしてそれらを連携させるデジタル情報基盤が挙げられます。
スマートシティでは、これらの最先端のデジタル技術を使って様々なデータを取得・連携します。これらのデータをAIを活用して分析し、設備・機器を遠隔操作することで都市インフラ・施設・運営業務の最適化、企業や人々の利便性・快適性向上を目指します。

国土交通省は2019年にスマートシティの取り組みを加速化させるために「スマートシティ官民連携プラットフォーム」を設立しました。このプラットフォームを通じて、事業支援、分科会の開催、マッチング支援、普及促進活動などを実施し、企業、大学・研究機関、地方公共団体、関係府省などが行っているスマートシティの取り組みを支援しています。
政府が主導して官民連携による新しい時代のまちづくりが日本中で広がってきています。

福島県会津若松市のスマートシティ戦略

スマートシティAiCTは福島県会津若松市に位置しています。
会津若松市ではスマートシティ実現のために2013年から「スマートシティ会津若松」の推進を掲げ、関連する取組を進めてきました。スマートシティAiCTはその活動の一環ということです。
会津若松市は以下の3つの視点を重要視しています。*2

・地域活力の向上:地域経済の活性化
大学と連携した人材の育成や、産業、学府、官僚が連携し先進的な取り組みを行い、地域の成長や雇用拡大を測り経済効果を生み出します。また、自治体と協力して観光サイトを設置し、外国人観光客と交流する市民を増加させ、地域経済を活性化させます。

・市民生活の利便性向上:安心して快適に生活できるまちづくり
地域で暮らしていく上で必要な情報の入手や各種証明書などにICTを活用して利便性を高め、市民が安心して快適に生活できるまちづくりを行います。

・市民との情報共有の促進:「まちの見える化」の実現
公共データの活用を促進し、地域を活性化させます。そして、市民との情報共有を積極的に行い、空き家対策やバス路線の最適化などによって安心して暮らせるまちを目指します。

スマートシティAiCT

スマートシティAiCTは2019年3月にオープンしたICTオフィスのことです。スマートシティAiCTとは、会津ICTの略であり、AiCTの”A”には、AIZU、AI、Advance(前進、進出)の意味が込められています。*3

このICTオフィスのオープンによって、首都圏からの新たな人の流れや雇用の創出、若者の地元定着、交流人口の増加といった地域の活力向上が期待されています。

施設概要

スマートシティAiCTは持続力・回復力のある力強い地域社会と、市民が安心して快適に生活できるまちづくりを行い、HEMS(省エネ)、ヘルスケア、観光などのICTスマートシティ事業を通じた地方創生・地域活性化を推進するプラットフォームを目指し、拡張しています。*3
このために、健康や福祉、教育、防災、エネルギー、交通、環境といった市民生活を取り巻く様々な分野の結びつきを深め、効率化・高度化しています。

スマートシティAiCTは、主にICT関連企業が入居するオフィス棟と交流棟からなります。
オフィス棟は首都圏などからの移転企業が入居しており、高付加価値部門などのICT関連企業が多くなっています。2023年9月現在、アクセンチュア、東北電力、三井住友海上火災保険、三菱商事、ソフトバンク、パナソニック、クボタなど、様々な分野の企業が入居しています。これらの企業間のオープンスペースとして、企業間イノベーションや来客対応、打合せに使用できるサロン・ラウンジが設けられています。ここでは分野の異なる企業間の接触を増やし、今までにない新たなビジネスが生まれることが期待されています。また、世界的な企業と地元企業のコラボレーションなども期待できますね。

交流棟では入居企業によるセミナーなどが開催されており、一部は市民や大学生が参加できるようになっています。これにより企業と地元の交流機会が増え、イノベーションを創出するとともに若者の地元定着を図っています。
交流棟は街の大通りに面しているため、地域住民とのふれあいを促すだけでなく、通りの賑わいの創出にも寄与しているようです。

AiCTコンソーシアム

2021年、スマートシティAiCTの入居企業によって一般社団法人AiCTコンソーシアムが設立されました。このコンソーシアムはオプトイン方式によるデータ活用とパーソナライズによる市民中心のスマートシティ実現を目指しています。様々な入居企業が観光、農業、教育、ヘルスケア、モビリティなどの領域で分かれ、ワーキンググループを結成し、取り組んでいます。

まとめ

「スマートシティ会津若松」の活動の一環であるスマートシティAiCTについてご紹介しました。日本中でスマートシティの取り組みが増えており、近い将来、これに似た取り組みがあなたの周りや地元などの身近な地域でも見られるようになるかもしれませんね。

建築・土木業向け BIM/CIMの導入方法から活用までがトータルで理解できる ホワイトペーパー配布中!

❶BIM/CIMの概要と重要性
❷BIM/CIM導入までの流れ
❸BIM/CIM導入でよくある失敗と課題
❹BIM活用を進めるためのポイント
についてまとめたホワイトペーパーを配布中

*1 内閣府「Society 5.0」

https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html

*2  会津若松市「『スマートシティ会津若松』について」

https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2013101500018/

*3 SmartCityAiCT「スマートシティAiCTについて」

https://aizu-aiyumu.co.jp/about/
    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP