Revit 2021とは?特徴や機能、利用方法も詳しく解説
建設業界で推進されているi-Construction。
i-Constructionの取り組みの一環で、BIM/CIMを活用した建設プロジェクトも増えています。
国土交通省「BIM/CIM活用業務・工事の推移(令和5年3月31日時点)」によると、BIM/CIMを活用した業務・工事は、平成24年から令和4年度末時点までに3,257件と公表されています。*1
国土交通省より「i-Construction〜建設現場の生産性革命〜」が発表された2016年(平成28年)をみても、BIM/CIMを活用した業務・工事は右肩上がりに推移。
i-Constructionの推進に伴い、さまざまなBIM/CIM対応のソフトウェアが使用されています。
そんなBIM対応ソフトウェアの1つが「Revit 2021」です。
そこで今回の記事では、BIM対応ソフトウェア「Revit 2021」とは何かを解説します。
Revit 2021の主な機能や利用方法もあわせて紹介します。
最後まで読み進めることで、Revit 2021についての理解が深まるでしょう。
建設プロジェクトにおける生産性向上や業務効率化を実現させるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
Revit 2021とは
「Revit 2021」とは何か、製品概要と代表的な機能について解説します。
Revitを利用する前に、ぜひ製品の理解を深めてみてください。
Revit 2021の概要
「Revit 2021」とは、オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)が提供しているBIM対応のソフトウェアです。
建築物の設計や施工、土木エンジニアリングにおいて、3Dモデリングやプロジェクト管理ができるのがRevit2021。
Revitは定期的にアップデートされています。
旧バージョンから最新バージョンにアップデートすることで、新機能を使えるようになります。
作業に適したツールを活用することで、建設プロジェクトにおいて生産性向上や業務効率化の実現が期待できます。
Revitの代表的な機能
Revitには、以下のような代表的な機能があります。*2
- パラメトリックコンポーネント:システム内で設計やフォームを作成できる
- ドキュメント作成:図面と集計表を作成できる
- ワークシェアリング:共有されたモデルで作業できる
また、3つの分野に対応するツールセットもあります。
ツールセットは「建築設計」「構造エンジニアリングおよび製作」の3つです。
それぞれのツールセットの代表的な機能は、以下のとおりです。
【建築設計】
- コンセプトデザインツール
- 建築モデリング
- 点群ツール
【構造エンジニアリングと製作】
- 初期フェーズでの電気負荷分析
- 電気設計とドキュメント作成
- 製作図の作成
【施工】
- 施工モデリング
- 2D シートの読み込み/書き出し
- 施工可能性の詳細情報
Revit 2021の新機能
旧バージョンからRevit 2021へのアップデートによって、新たに追加された機能を紹介します。
2021.1リリースにより「コア機能」「建築機能」「システム機能(MEP)」「構造機能」に新たに48の機能が追加されました。*3
追加された主な機能は、以下のとおりです。
- コア機能:パフォーマンスの向上、カスタマイズしたワークスペース、STLの書き出し、CADの読み込み改善など
- 建築機能:ジェネレーティブデザイン、簡易共有座標、デザインオプションの機能拡張など
- システム機能(MEP):ワークシェアリングとMEP要素、プロジェクトブラウザに表示されるパネル集計表、システム解析の設定点など
- 構造機能:橋梁カテゴリ、鉄筋ホストをすばやく識別する、統合されたプレキャスト自動化、鉄筋とメッシュ筋など
Revit 2021の利用方法
Revit 2021を利用するための方法は、3つあります。
「無償体験版」「サブスクリプション」「Flex」について解説するので、それぞれについて詳しくみていきましょう。
無償体験版
Revitを購入する前に、お試しができます。
まずは、無償体験版を利用してみましょう。
無償体験版なら、Revitの最新バージョンを無料で利用できるようになります。
ただし、無料で使用できるのは30日間。
30日間で無償体験期間が終了してしまいます。
無償体験期間後は、サブスクリプションを利用することで最短1ヶ月から利用できます。
サブスクリプション
Revitは、サブスクリプションで利用できます。
期間は「1ヶ月」「1年」「3年」の3種類から選べます。
それぞれの価格は、以下のとおりです。*4
- 1ヶ月:57,200円
- 1年:453,200円
- 3年:1,359,600円
ただし、すべて1ユーザーの価格です。
複数のメンバーでRevitを利用する場合は、ユーザー分を購入する必要があります。
たとえば、Revitを10人で利用したい場合を考えてみましょう。
1年のサブスクリプションプランを利用するなら、453,200×10=4,532,000円かかります。
Flex
Flexと呼ばれる従量課金制プランなら、1日単位でRevitを利用できます。*5
Revitを1日利用する場合、消費するのは10トークンです。
頻繁にRevitを利用しない場合は、Flexがもっとも便利な利用方法ではないでしょうか。
事前にトークンを購入することで、Flexを利用できます。
ただし、購入したトークンの有効期間は1年です。
Flexを利用してRevitを利用する場合は、期限がある点に注意しましょう。
Revit 2021に関するFAQ3選
Revit 2021を利用する際、利用者が抱える質問をFAQ形式で解説します。
安心してRevitを利用するためにも、ぜひチェックしてみてください。
Revit 2021の動作環境は?
オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)の公式サイトには、Revit 2021の動作環境についての記載があります。
Revit 2021の動作環境については、下表をご覧ください。*6
引用)AUTODESK「Revit 2021 製品の動作環境」
Revit 2021のバージョンは互換性があるか?
定期的にバージョンアップされているRevit 2021。
旧バージョンとの互換性があるのかについて解説します。
オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)の公式サイトには、下位互換性について以下の掲載があります。
Revit には、旧バージョンのデータ形式に保存する機能や、旧バージョンで新しい RVT ファイル形式を扱う機能はありません。*7
つまり、旧バージョンでデータを保存したり、新しいファイル形式を旧バージョンで取り扱ったりすることはできません。
RevitとBIMの違いは?
BIMとは「Building Information Modeling」の略です。*8
下記資料は、国土交通省が公表している建築BIMに関する説明資料です。
引用)国土交通省「建築BIMとは」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001594048.pdf
BIMとは、コンピューター上に3次元の建築物を構築し、それぞれのモデルに属性情報を付加したものを指します。
BIM対応のソフトウェアは数多くありますが、オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)が提供するBIM対応ソフトウェアがRevitです。
まとめ
今回は、Revit 2021の特徴や代表的な機能、利用方法を解説しました。
i-Constructionの推進により、今後もBIM/CIMを活用した建設プロジェクトが増えることが考えられます。
BIM対応ソフトウェアであるRevit 2021を利用することで、建設プロジェクトにおける業務効率化が実現できるでしょう。
Revitを利用する際は、今回の記事の利用方法を確認して適切なプランを選んでみてください。
業務でBIMを活用する際、まずは無償体験版でRevitを利用することをおすすめします。
YouTubeチャンネル「AutodeskJapanBIM」では、Revit 2021の製品情報や新機能について詳しく解説されています。
Revit 2021について深く理解したい方は、動画もあわせてご確認ください。*9
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*1
参考)国土交通省「令和4年度までのBIM/CIM活用業務・工事の件数推移」
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001624304.pdf
*2
参考)AUTODESK「Autodesk Revitの主な機能」
https://www.autodesk.com/jp/products/revit/features
*3
参考)AUTODESK Revit 2023「Revit 2021 の新機能」
https://help.autodesk.com/view/RVT/2023/JPN/?guid=GUID-E8757E78-6FA3-4602-BCB4-784E8F3A9AC4
*4
参考)AUTODESK「Autodesk Revit:設計と施工のためのBIMソフトウェア」
https://www.autodesk.com/jp/products/revit/overview?term=3-YEAR&tab=subscription&plc=RVT
*5
参考)AUTODESK「Autodesk Revit:設計と施工のためのBIMソフトウェア」
https://www.autodesk.com/jp/products/revit/overview?term=100&tab=flex&plc=RVT
*6
引用)AUTODESK「Revit 2021 製品の動作環境」
*7
引用)Revit における旧リリースのソフトウェアとの下位互換性
*8
引用)国土交通省「建築BIMとは」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/content/001594048.pdf
*9
参考)AutodeskJapanBIM「Revit 2021 新機能ご紹介オンラインセミナー(2020年5月12日ライブ配信)」
https://www.youtube.com/watch?v=BYmEn5mdaBQ&list=PLdMYeRRM4zCNFYeQIl2pwaBYONAYx2vaj