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Revitで曲面は作成できる?スプライン曲面の壁やカーテンウォールを作成する手順を解説

Autodesk社が提供しているRevitでは曲面のオブジェクトを作成可能です。曲面の作成により、建築設計において多種多様なオブジェクトを作成できます。しかし、どのような手順で作成したらよいのかわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事ではRevitで曲面のオブジェクトの作成手順を解説します。Revitを使用しているものの、曲面の作成手順でお悩みの方はぜひ参考にしてください。

この記事を読むと、以下のことがわかります。

1.Revitで曲面のオブジェクトを作成する手順

2.Revitで曲面のオブジェクトを作成する際の注意点

RevitとRevit LTは曲面を作成できる?

Autodesk社は建築設計向けのCADソフトであるRevitとRevit LTの2種類の製品を提供しています。Revit LTはRevitよりも機能が制限されているものの、低価格で購入可能です。試験的に建築設計ソフトを導入したいと検討している場合、Revit LTが適しています。

Revitでは曲面の屋根やカーテン、壁などを作成可能です。一方でRevit LTでは機能制限により曲面のオブジェクトを作成できません。そのため、建築設計で曲面のオブジェクトを作成したい場合、Revit LTではなく、Revitの導入を検討しましょう。

なお、RevitとRevit LTの価格は次のとおりです。(*1)

サブスクリプション期間RevitRevit LT
1ヵ月57,200円11,000円
1年453,200円83,600円
3年1,359,600円250,800円

Revitの曲面解析用パネルとは

曲面解析用パネルとは円弧や楕円、または円弧と楕円の組み合わせを作成・編集できる機能です。作成したオブジェクトは曲面状の物理要素やグループとして表現可能です。パネルの作成手順は次のとおりです。(*2)(*3)

1.タブ「解析」からパネル「構造解析用モデル」をクリックする

2.ボタン「パネル」をクリックする

3.ドロップダウンにある「パネル(押し出し)」をクリックする

4.解析用パネルを定義する

次に、パネルをコントロール・調整を実行する手順をみていきましょう。

1.エッジコントロールまたは仮寸法を使用し、半径を修正する※

2.エッジコントロールまたはプロパティパレットを使用し、高さを修正する

3.始端と終端のコントロールを使用し、長さを修正する

半径の修正でエッジコントロールを使用するとパネルの始点および終点の位置が固定されます。仮寸法を使用すると、円弧状パネルの中心が固定される点を知っておきましょう。

Revitで曲面のオブジェクトを作成する手順

Revitで曲面のオブジェクトを作成する場合、「マス」機能を使用します。ここでは、次の3つの曲面のオブジェクトの作成手順を詳しくみていきましょう。

・スプライン曲面の壁

・カーテンウォール

・ガラス壁

スプライン曲面の壁

スプライン曲面の壁を作成する手順は次のとおりです。

1.タブ「マス&外構」にある「インプレイスマス」を選択する

2.ダイアログボックス「名前」が画面上に表示されるため、任意の名前を入力する

3.ビュー「レベル1」を開く

4.タブ「作成」にある「複数の点を通るスプライン」を選択し、作成する

5.ビュー「レベル2」への切り替えを行う

6.ビュー「レベル1」で作成した曲線を選択し、ビュー「レベル2」の曲線を作成する

7.プロジェクトブラウザで「3Dビュー」への切り替えを行う

8.2本の曲線をクリックする

9.「フォームを作成」の「ソリッド作成」をクリックする

10.「マスを終了」を選択する

11.ダイアログボックス「警告」が表示されるものの、「×」をクリックし閉じる

12.タブ「建築」にある「壁(面)」を選択する

13.作成した面を選択すると、壁が作成される

カーテンウォール

カーテンウォールはカーテンパネルではなく、壁の利用によって作成が可能です。カーテンウォールの作成手順をみていきましょう。

1.「壁の造作材」または「インプレイスの作成」を使用し、曲線のカーテンウォールを作成する

2.画面左に表示されているプロパティの「タイプを編集」を選択する

3.ダイアログボックス「タイププロパティ」を開く

4.「タイプパラメーター」の「垂直グリッド」の欄にある「レイアウト」を固定数に切り替える

5.「OK」を押してダイアログボックスを閉じる

6.タブ「修正|複数選択」にある「フィルタ」をクリックする

7.ダイアログボックス「フィルタ」が表示される

8.カテゴリのカーテンパネルにチェックを入れる

9.プロパティから壁を指定する

10.プロパティの「タイプを編集」を選択する

11.ダイアログボックス「タイププロパティ」が表示される

12.任意のファミリやタイプを指定する

13.「複製」をクリックし、任意の名前を入力する

14.タイプパラメーターの構造を編集する

15.構造編集後、「OK」をクリックしダイアログボックスを閉じる

また、カーテンウォールの作成手順と同様の手順でガラスの壁も作図できます。カーテンウォールを作成し、壁タイプの複製を行い、マテリアルをガラスに指定しましょう。よりガラス壁の質感を与えたい場合、グリッドへ垂直マリオンを割り当てます。

Revitで曲面の壁を作成する場合の注意点(*4)

Revitで曲面の壁を作成し、壁面にカスタム窓を配置した際に、壁からインスタンスの切り取りができなかった事例があります。複合ボイドを持つカスタム窓ファミリを使用する場合に発生する事例です。特定のジオメトリを指定した曲面の壁に配置すると問題が発生する可能性があります。

2024年9月時点、原因が特定できていないため、解決策は提示されていません。回避方法として、窓ファミリの修正が提示されています。窓ファミリには単純な押し出しボイドまたはジオメトリが異なる複合ボイドを使用するように修正を行いましょう。修正により、問題が発生する状況を排除できる可能性があります。

まとめ

本記事ではRevitにおける曲面のオブジェクトを作成する手順を解説しました。Autodesk社はRevitとRevit LTの2つの製品を販売しています。Revit LTはRevitの機能に制限があり、低価格で利用できる製品です。導入費用を抑えられるため、Revit LTを導入するケースもあります。

しかし、Revit LTでは機能制限により、曲面のオブジェクトが作成できない点に留意しましょう。設計で壁やカーテンウォールなど曲面のオブジェクトを作成する場合、Revit LTではなく、Revitの導入を検討してみてください。

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*1

「Autodesk|RevitとRevit LTの比較」

https://www.autodesk.com/jp/products/revit/compare

*2

「Autodesk Revit 2025|曲面解析用パネル(2023.1の新機能)」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2025/JPN/?guid=GUID-0D839F7D-3B73-41C3-8134-3FDF40B793BB

*3

「Autodesk Revit 2025|解析用パネル」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2025/JPN/?guid=GUID-D313AE03-B3A3-450F-B482-86B5F9F88843

*4

「Autodesk|Revitで曲線状の壁にカスタム窓を配置しようとすると、『壁からインスタンスを切り取ることができません』」

https://www.autodesk.com/jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/Can-t-cut-instance-out-of-Wall-when-trying-to-place-a-custom-window-in-a-curved-wall-in-Revit.html

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