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基礎伏図とは何か?読み取る際に必要な知識や作成手順などを解説

基礎伏図とは建築物の基礎に関する情報を示す図面です。基礎伏図には柱や梁だけではなく、人通口、床下換気口などさまざまな情報が記載されています。そのため、どのように図面を読み取ればよいのか分からない、作成手順がわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では基礎伏図の概要、読み取るために必要な知識、作成手順をわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事を読むと、以下のことがわかります。
1.基礎伏図の概要
2.図面作成に必要な知識と注意したいポイント
3.作成手順

建築図面における基礎伏図の概要(*1)

建築図面における基礎伏図とは建築物の基礎の位置および形状を示す平面図です。多種多様の建築図面の中でも基本的な図面といえます。基礎伏図に示されている情報の具体例は次のとおりです。

・ベタ基礎/床基礎/独立基礎
・土間コンクリート
・アンカーボルト
・床下換気口
・人通口
・鉄筋の太さ

一般的に用いられる縮尺は100分の1または50分の1です。また、基礎は直接基礎と杭基礎の2つの工法に分かれます。直接基礎と杭基礎は工法の内容が異なります。同じ記号が用いられるため、図面の読み取り方は変わりません。しかし、工法によって図面の作成手順が異なる点を知っておきましょう。

直接基礎はコンクリート製の土台であるフーチングで建築物を支える工法です。建築物が住宅の場合、ベタ基礎と床基礎の2つのタイプに分かれます。ベタ基礎は建築物下部の全体に流されたコンクリートの基礎を指します。一方、床基礎はコンクリート製の土台に加え、柱と柱の間にもコンクリートを流して作成する基礎です。

杭基礎とは軟弱地盤の場合に使われる工法です。地中の支持層まで杭を到達させ、建築物を支える基礎を作る工法を意味します。一般的に円筒状の杭とフーチングで成り立つケースが多くあります。

基礎伏図を読み取る際に必要な知識

情報を正確に読み取るためには、図面に関する知識を身につけなければなりません。ここでは、図面を読み取る際に必要な知識と概要をみていきましょう。必要な知識は次のとおりです。

専門用語や符号などの知識概要
通り符号・建築物の壁や柱の中心に配置される・図面における水平と垂直方向にある・寸法のチェックなどに利用
基礎の寸法・基礎伏図には基礎の長さや厚さ、基礎梁の厚さ、設計GLの高さなどの寸法が示されている・寸法を表記するルールを確認しておく
基礎柱/梁/床・柱(C)、梁(G)、床(G)と示す
アンカーボルト・図面には配置場所と大きさを記載
人通口/床下換気口・人が通る開口部と床下の湿気を逃す開口部を配置する
基礎断面図・平面図では作図できない鉄筋の配筋状況などを作図する

基礎伏図を作図する際に注意したいポイント

作図する際に注意したいポイントは建築基準法や配筋などの3点が挙げられます。ここでは、正確に作図するために必要な3つのポイントを詳しく見ていきましょう。

建築基準法

建築基準法への適合性は図面を作図する際の重要なポイントです。適合しているかどうかは柱や梁、スラブなどの配置および数量、寸法に着目し確認しましょう。建築基準法に準じていない場合や記載されている数値にミスがある場合、建築物の耐震性に影響を与えてしまいます。建築基準法に反してしまう可能性もあるため、入念にチェックしましょう。

配筋

配筋とはコンクリートの建築物に用いられる鉄筋を適切な位置および数量で配置することです。一般的には次のような主配筋が設置されているケースが多くあるため、確認しましょう。

・壁:主配筋(4つの面)
・梁:上下主配筋
・コンクリートスラブ:主配筋

また、配筋のかぶりの表現は厚さで示されています。コンクリート面からの最短距離を示しており、次のような数値になっているかをチェックすることがポイントです。

・柱および梁:40mm以上
・コンクリートスラブ:30mm以上

配置

基礎・アンカーボルト・人通口の配置も重要なポイントです。それぞれの配置のポイントは次のとおりです。

基礎・基礎の中に柱が納まっているか
アンカーボルト・アンカーボルトの間隔は2.7m以内か・床伏図にある数量と同じ数量か
人通口・基礎梁や壁の中央に配置されているか・基礎スパンの外側から4分の1程度の配置か

基礎と柱の配置は建築物の耐震性に影響を及ぼします。柱が基礎の外側にあり、ずれている場合、建築物の耐震性が低くなるため注意が必要です。アンカーボルトの役割は柱と土台の結合です。基礎伏図ではアンカーボルトの間隔と床伏図との数量をチェックしましょう。

人通口は人が出入りするための開口部を指します。配置場所が柱と柱の中央になる場合、基礎梁の荷重の影響を受け、曲げへの強度が低くなる可能性があります。中央ではなく、外側から4分の1程度の配置かを確認しましょう。

基礎伏図を作成する手順

基礎は一度完成してしまうと、修正するための工事は困難です。そのため、基礎伏図に示されている寸法や数量のミスは大きなリスクになりかねません。作成手順および作成時に注意したいポイントを理解し、正確に作成する必要があります。ここからは、作成手順と作成時に注意したいポイントを見ていきましょう。

手順作成時のポイント
1.作成に必要な情報の収集柱の寸法と位置、基礎の厚さ、基礎梁の大きさなど図面作成に必要な情報を集める
2.柱の設置場所および大きさの記入・柱の設置場所および大きさを図面に記載する・通り芯との整合性を確認しつつ作図を進める
3.基礎の平面形状を作成・基礎の形を作図する・寸法も記入
4.基礎の断面図作成・基礎の断面図を作成する・基礎天端および地盤面と天端の高さを記入する
5.地中梁の作図(大型建築物の場合)・地中梁のサイズや位置を記入・一般住宅の建築物では不要なケースが多い
6.ピット床の作図・ピット床の配置を決める・コンクリートを打設しない箇所に配置する
7.アンカーボルトや束石の作図・アンカーボルトの大きさや配置は土台との関係を考慮しつつ記入・束石を配置する基準は通り芯
8.床下換気口や人通口の作図・開口部が大きいと基礎の強度を弱める原因になりかねないため、大きさと配置は十分に検討する必要がある

まとめ

本記事では建築図面の基本的な図面として作成される基礎伏図について解説しました。基礎伏図は建築物の基礎に関わる情報が平面に示されている図面です。基礎は建築物の強度に大きな影響を与えます。また、基礎の工事は一度完了してしまうと、修正は困難です。そのため、基礎伏図では正確な寸法や数量などを記載し、誤った情報は排除しなければなりません。正確性の高い図面を作成するためには、作成手順と作成時に注意したいポイントを理解することが大切です。

しかし、人の手で確認作業を進めていると誤った寸法や数量を記載してしまう可能性も否定できません。そういったリスクを軽減するためには、AutoCADなどのCADソフトを使用するのも選択肢の1つです。AutoCADは2Dおよび3D図面を作成できる建築業界向けのCADソフトです。1つの図面を作成すると情報を読み取り、他の図面を生成できる機能も搭載しています。そのため、複数の図面を作成する場合、異なる数値を記載してしまうミスは起きないでしょう。

基礎伏図をミスなく正確に作成したいという方は、ぜひAutoCADなどのCADソフトの利用を検討してみてください。

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「東建コーポレーション|建築用語辞書|基礎伏図(キソフクズ)」

https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?jid=00016&wid=29043&wdid=01

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