建築プロジェクトで選ぶべきCADソフト、BricsCAD BIMの理由
はじめに
建築プロジェクトの効率化は、現代の建設業界において最も重要な課題の一つです。特に、設計から施工、維持管理までの一貫したデータ管理が求められる中で、BIM(Building Information Modeling)の導入が急速に進んでいます。BIMは、3Dモデルを活用して建築物のライフサイクル全体を管理する手法であり、プロジェクトの品質向上やコスト削減に大きく貢献します。そんな中、BricsCAD BIMは、BIM運用を効率的に行うための強力なツールとして注目されています。BricsCADは、ベルギーに本社を置くBricsys社が開発した高機能なCADソフトであり、2Dおよび3Dの設計に対応しています。特に、BricsCAD BIMは、BIM運用に特化したプランであり、建築プロジェクトの効率化を実現するための多彩な機能を備えています。本記事では、BricsCAD BIMの特徴や強み、他のソフトとの連携について詳しく解説し、建築プロジェクトにおける最適な選択肢としての理由を探ります。
BricsCADとは
BricsCADの概要とBIMへの対応
BricsCADは、Bricsys社が開発したCADソフトで、2Dおよび3Dの設計に対応しています。特に、BIMへの対応が進んでおり、設計から施工、維持管理までの一貫したデータ管理を可能にします。BricsCADは、DWG形式との高い互換性を持ち、既存のCADソフトからの移行がスムーズに行える点が特徴です。これにより、教育コストを削減しつつ、プロジェクトの効率化を図ることができます。BricsCAD BIMは、BIM運用に特化したプランであり、AI機能やリアルタイムレンダリングなどの先進的な機能を備えています。これにより、設計プロセスの革新とプロジェクトの質の向上が期待できます。
特徴と強み
最大の特徴は、2Dおよび3Dのシームレスな運用が可能である点です。これにより、設計データをそのままBIMモデリングに適用することができ、従来のCAD機能を活かしながらBIM運用を行うことができます。また、BricsCAD BIMは、AIを活用したモデリング機能を備えており、ルーティンワークの効率化やコミュニケーションコストの削減に役立ちます。さらに、リアルタイムレンダリング機能により、作成したモデルを迅速に視覚化することができ、設計プロセスの効率化を図ることができます。
プランと価格:選び方*1
BricsCADには、BricsCAD Lite、BricsCAD Pro、BricsCAD Mechanical、BricsCAD BIM、BricsCAD Ultimateの5つのプランが存在します。BricsCADのシングルライセンス、ネットワークライセンスの価格については、下表の通りです(2024年4月現在)。
<参考> Bricsys Japan 「BricsCAD_カタログ_202406.pdf」
https://note.com/api/v2/attachments/download/a8eb4f3b05a42701496d5fffd3e93c8e
シングルライセンス
ライセンス種別 | BricsCAD® Lite | BricsCAD® Pro | BricsCAD® Mechanical | BricsCAD® BIM | BricsCAD® Ultimate |
サブスクリプション 1年 | ¥47,300 | ¥66,000 | ¥132,000 | ¥138,600 | ¥150,700 |
サブスクリプション 3年 | ¥127,600 | ¥178,200 | ¥356,400 | ¥374,000 | ¥407,000 |
永久ライセンス(メンテナンス) | ¥103,675 (¥23,925) | ¥157,300 (¥36,300) | ¥293,150 (¥67,650) | ¥307,450 (¥70,950) | ¥336,350 (¥77,550) |
ネットワークライセンス
ライセンス種別 | BricsCAD® Lite | BricsCAD® Pro | BricsCAD® Mechanical | BricsCAD® BIM | BricsCAD® Ultimate |
サブスクリプション 1年 | ¥70,950 /本 ¥354,750 /5本 | ¥99,000 | ¥198,000 | ¥207,900 | ¥226,050 |
サブスクリプション 3年 | ¥191,400 /本 ¥957,000 /5本 | ¥267,300 | ¥534,600 | ¥561,000 | ¥610,500 |
永久ライセンス(メンテナンス) | ¥155,513 /本 (¥35,888 /本) ¥777,563 /5本 (¥179,438 /5本) | ¥235,950 (¥54,450) | ¥439,725 (¥101,475) | ¥461,175 (¥106,425) | ¥504,075 (¥116,325) |
このうち、BIMを使用できるのはBricsCAD BIMとBricsCAD Ultimateの2種類です。BricsCAD BIMは、通常のBricsCAD Proに含まれている機能に加え、BIM運用に必要な機能が追加された上位プランです。また、BricsCAD Ultimateは、BricsCAD BIMと製造・機械設計に特化した機能を詰め込んだBricsCAD Mechanicalを合わせたお得なプランです。BIM運用はもちろん、機械設計などの機能も必要としている場合、BricsCAD Ultimateの利用も検討しましょう。ただし、いずれのプランも通常プランより利用料金は高額になる点は注意が必要です。
主な機能
2D・3Dのシームレスな運用
BricsCAD BIMは、2Dおよび3Dの設計をシームレスに行うことができる点が大きな特徴です。これにより、設計データをそのままBIMモデリングに適用することができ、従来のCAD機能を活かしながらBIM運用を行うことができます。特に、2DCADと3DCADを使い分ける手間がかからず、データの連携がスムーズに行えるため、高度な設計が必要なシーンでそのポテンシャルを発揮します。これにより、プロジェクトの効率化を図ることができ、設計から施工、維持管理までの一貫したデータ管理が可能になります。
AIを活用したモデリング機能
機能の中に、AIを活用したモデリング機能を備えており、設計プロセスの効率化に大きく貢献します。AIを活用することで、ルーティンワークの発生を抑制し、一部のレビューもAIに評価してもらうことができるため、コミュニケーションコストの削減に役立ちます。さらに、AIを使ったモデリングの半自動化により、作成したモデルにおいて欠落している部分を自動で補完することができ、要素の抜け漏れを回避し、クオリティ向上に貢献します。これにより、プロジェクトの品質を維持しつつ、時間とコストの効率化を図ることができます。
効率的なドキュメント作成とリアルタイムレンダリング
効率的なドキュメント作成機能を備えており、3Dモデリングだけでなく、2Dの設計図面を作成する上でも役立ちます。各種データの自動生成機能を使用することで、迅速かつ正確なドキュメントの用意が可能です。3DのBIMモデルとドキュメントは常に連携し、モデルの方に変更を加えることで、自動でドキュメントにも同じ変更内容が反映されます。また、リアルタイムレンダリング機能により、作成したモデルを迅速に視覚化することができ、設計プロセスの効率化を図ることができます。これにより、プロジェクトの管理効率が向上し、同時に複数のプロジェクトをスムーズに進行できるようになります。
BricsCAD BIMと他ソフトとの連携
RevitやSketchUpとの互換性
他のソフトとの連携においても、BricsCAD BIMは高いパフォーマンスを発揮します。特に、RevitやSketchUpとの互換性が公式に担保されており、これらのソフトで作成したBIMモデルをそのままインポートし、BricsCAD BIM上で編集・閲覧が可能です。Revitは、Autodesk社が提供するBIMソフトの代名詞とも言える製品であり、あらゆる業種のBIM運用に対応しています。SketchUpは、Trimble社が提供する無料で利用できるCADソフトであり、直接データをBricsCAD BIMに読み込ませて、作業を迅速に進めることができます。これにより、コストパフォーマンスの高い開発環境の整備に活躍します。
DWG形式でのシームレスなデータ交換
BricsCAD BIMは、DWG形式でのシームレスなデータ交換が可能であり、使い慣れたDWG形式でのBIMワークフローを実現します。DWG形式は、図面や形状のほか、部材の属性情報を埋め込むことができるため、データ交換が完全にシームレスに行えます。これにより、プロジェクトの管理効率が向上し、情報の一元化と共有が容易になり、ミスの削減と品質の向上が期待できます。さらに、BricsCADは、IFC形式の読み込み/書き出しや、部材同士が3次元空間でぶつかっていないかどうかを確かめる干渉チェック機能も備えており、BIMソフトとしての機能が充実しています。
まとめ
本記事では、BricsCAD BIMの概要や主な機能、他のソフトとの連携について詳しく解説しました。BricsCAD BIMは、BIM運用の効率を高めてくれるツールでありながら、CADソフトのノウハウがそのまま生きる点が非常に便利な製品です。これから新しくBIM運用をスタートしようとしている方はもちろん、これまでBricsCADを使ってきた人にとっても高い導入効果を発揮するでしょう。必要に応じて、RevitやSketchUpとの互換性も有効活用しながら、理想的な運用環境の整備を進めることをおすすめします。BricsCAD BIMは、建築プロジェクトにおける最適な選択肢として、プロジェクトの効率化とコスト削減を実現するための強力なパートナーとなるでしょう。
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❹建設業界におけるDX
参考情報:
【2024】BricsCADでBIMは使える?おすすめのプランや機能を解説 – BIM/CIM研
https://bimcim-kenkyujo.com/bim-cim/brics/bricscad-bim/
DWG互換CADはここまで進化した!BricsCADがBIMに対応(ビージェーソフト) | サクセスストーリー
https://ken-it.world/success/2015/11/bim_by_bricscad.html
note BricsCAD(Bricsys Japan)の中の人 「BricsCAD®V25 製品の種類と特徴」
https://note.bricsys.com/n/n542d681204e3
note BricsCAD(Bricsys Japan)の中の人 「BricsCAD®のライセンス種類について」
https://note.bricsys.com/n/n3f568dcff343
Bricsys Japan 「BricsCAD_カタログ_202406.pdf」
https://note.com/api/v2/attachments/download/a8eb4f3b05a42701496d5fffd3e93c8e
note BricsCAD(Bricsys Japan)の中の人 「BricsCAD® BIM の BIM化機能って?」
https://note.bricsys.com/n/n626c516f9ea0
Bricsys「BricsCAD® BIM ビルディング・インフォメーション・モデリングへの異なるアプローチ」
https://www.bricsys.com/ja-jp/bricscad/bim
*1 2024/12/19 価格表について、最新のものへと修正いたしました。