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iOSが変えたスマホデザインの歴史の2つのポイントをみてみよう

私達がいま普通に使っているスマホは、iPhoneであれAndroidであれ、大まかなところは同じです。iPhoneを使っていた人がAndroidに変わったとき、操作方法がまったくわからないということはないでしょうし、その逆もまたしかりです。
産業界には「ドミナントデザイン」という言葉があります。ドミナント(dominant)は、「支配的な」という意味で、ある1社がデザインを変化させると、自然と他社もそれに追随するという流れができている状態を指します。
スマホのドミナントデザインは、アップル社がリードしてきたと言っても過言ではない状況です。この記事ではそんな歴史を振り返ってみます。

 

ポイント1 BlackBerryをおさえてドミナントデザインの地位を確立したiOS1

iPhoneが世に出る前には、ハンドヘルドの業界ではBlackBerryが機能面、デザイン面で支配的なブランドでした。その当時のBlackBerryのデザインはこんな感じです。

参考サイト: BlackBerry

なんとなく、日本のカシオなどが出している電子辞書のようなデザイン的雰囲気ですね。また、キーボードはディスプレイ上のタッチで操作するのではなく、ハードウェア的なキーボードを埋め込んでいるのが当たり前でした。

iOS1では画面上にアプリをグリッド状に並べるSpringboardスタイルを確立し、合わせてキーボードはディスプレイ内から呼び出す形を採用します。
iOS5とくらべるとわかるようにiOS1ですでに、今日のiPhoneデザイン、そしてスマートフォンのドミナントデザインが確立されていたことがわかります。

参考サイト: iTunes-Blog

ここで、こんにち私達が普通に手にしているドミナントデザインができあがる基礎ができあがりました。もしiOS1が出ていなかったら、私たちはカシオの電子辞書風のスマートフォンを使っていることになっていたかもしれませんね。

ポイント2 iOS7では、再びiPhoneがフラットデザインでドミナントデザインをリード

iOS7では、フラットデザインが採用されました。このときの衝撃は結構大きく、私の周りでも「前のデザインのほうが良かった・・・」という声がいっぱい聞こえてきたことを覚えています。かくいう私自身も、フラットデザインを見たときには、「iPhoneがやった以上、これがこれからのドミナントデザインになるのかあ・・・」とちょっと複雑な気持ちでした。

参考サイト: iOS7に学ぶフラットデザイン

しかし、こんにちではフラットデザインが当たり前で、以前の陰影のはっきりしたデザインはやはり古く感じられるのが不思議ですよね。

この陰影のあるデザインは「スキューモーフィズム」(skeuomorphism)といいます。スキューモーフィズムとは、質感のあるデザインをのものを指すのではなく、すでに日常的に使っている他のデザインに似せて作ることを指します。アップル社の電卓、ボイスメモ、コンパスなどがわかり易い例ですね。また、オーディオアプリを操作するときのボタンや、早送り、巻き戻しなどもリアル世界のオーディオのボタンそっくりになっていますが、あれもスキューモーフィズムです。
フラットデザインがドミナントデザインとなっていく背景には、質感、ドロップシャドウ、そして、固定した画像に大幅に依存したデザインが、小さくなる表示域に合わせて縮小する際に、うまく変換することが出来ないという事情がありました。

また、アプリの種類も多様化して、ユーザーがひと目見てなんのアプリかわかるような、そしてアプリを立ち上げたあとに直感的にどんな操作を求められているかがひと目で分かるUIが求められたことも背景にあります。

【まとめ】

以上、iPhoneがリードしてきたドミナントデザインの2つのポイントを見てきました。アップル社がスマートフォンのデザインを常にリードしてきたドミナントデザインのリーディングカンパニーであることは間違いないですが、Android陣営もフラットデザインから派生した「マテリアルデザイン」を提唱しており、Androidではこれがドミナントデザインとなっています。

「マテリアルデザイン」の誕生の歴史については、また別の記事で取り上げる予定ですので、そちらもぜひご参照ください。

 

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