有機ELのメリットとは? 液晶と比較してここがすごい


液晶に続く次世代のディスプレイとして、大きく注目されている「有機EL」。
iPhoneXに採用されたことで一気に話題になりましたが、“圧倒的な高画質”と評価されている一方で、液晶とどこが違うのか、有機ELならではのメリットは何か、といった詳細はあまり知られていないようです。

そこで今回は、有機ELの特徴とメリットをご紹介した上で、液晶との違いを徹底的に比較してみました!

 

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そもそも有機ELとは? 基本的な仕組みを解説

 

有機ELとは、とある有機物質に電圧をかけると光を発する“現象”のことを指します。正式名称は「有機エレクトロルミネッセンス(organic electroluminescence)」で、これを略して「有機EL」と呼んでいます。

また、この有機ELの仕組みで作られた発光体(ディスプレイの素子)は、「OLED(Organic Light Emitting Diode)」と呼ばれています。世界的にはこの「OLED」が有機ELディスプレイそのものの呼び名となっており、「有機EL」は日本独特の呼び名です。「OLED」という言葉を聞いたら、基本的に「有機EL」と同じものと思って差し支えないでしょう。

有機ELの最大の特徴は、「自発光」と言われるように、ディスプレイを構成する素子そのものが光を発することです。そのため液晶のようなバックライト(ディスプレイにコントラストを出すために背後から当てる光源)や、それを発光させるための放電スペース、明るさや色を調整する液晶構造などが不要となり、液晶と比べて驚異的な薄さを実現しています。
具体的には、一般的な液晶テレビの厚さがおよそ5~7cmなのに対し、有機ELテレビは最も薄い部分でわずか4~7mmしかありません。ごく一部の超薄型液晶テレビを除けば、約1/10もの薄さなのです。

さらに、このシンプルかつ効率的な構造のお陰で、以下のような多くのメリットもあります。

・色が鮮明
・コントラスト(明暗)がくっきりしている
・視野角が広い(斜めから見ても画像がハッキリ見える)
・画像の表示や切り替えが速い
・軽い

ざっと挙げるだけでこれだけ多くのメリットがあり、液晶と比べて劣っている部分を探すのが難しいくらいです。次に、これらのメリットの詳細を見ていきましょう。

 

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有機ELの高画質の秘密とは?

 

まずは「色が鮮明」な点。
有機ELは1画素ごとに明るさや色を調整できるので、明度(明るさ)や彩度(色の鮮やかさ)をくっきりと表現できます。また、構造自体が薄くて画面と発光体との距離が近いため、構造が厚い上に発光体の光漏れが起きやすい液晶と違って、画面のぼやけも抑えられます。

次に、「コントラスト(明暗)がくっきりしている」点。
これは、有機ELのメリットの中でも特に優れている点です。黒色の部分は発光体を発光させない=真っ暗にできるため、完全なブラックが表現できるのです。
逆に液晶は、液晶分子の向きを操作してバックライトの光を遮断する仕組みのため、光漏れや透過がどうしても起きてしまいます。そのため完全なブラックにはならず、どこかぼやけたような白っぽい色になってしまいます。

さらに「視野角が広い」点。
有機ELは、それ自体が発光して画像を映し出します。そのため、どの角度から見ても鮮明な画像が楽しめます。
一方の液晶は、液晶分子の向きを調整してバックライトを画像に加工します。そのため斜め方向から見たときに、色ムラやコントラストの低下、画像のぼやけ等がどうしても起きてしまうのです。

続いて、「画像の表示や切り替えが速い」点。
これも有機ELの仕組みのシンプルさの恩恵です。発光体が画像を即座に映し出すので、動きの激しいスポーツの試合や3Dゲームなども、遅延やブレ、残像の発生などが起きにくいのです。液晶はこの点が特に劣っており、ブレやぼやけ、残像の発生が避けられません。なぜならバックライトの光を液晶分子でコントロールしているため、どんなハイエンドモデルでもタイムラグが発生してしまうからです。

最後に「軽くて薄い」点。
これも構造の恩恵です。特に軽さが求められる壁掛けテレビや、スマホの「Galaxy Note8」のような湾曲させたディスプレイなどで、利便性やデザインの幅が一気に広がりました。
有機ELメーカー大手のLGエレクトロニクス社は、垂れ幕や屏風(びょうぶ)のようにディスプレイしたり、曲面に貼り付けたりできる有機ELサイネージ(デジタル看板)を多数リリースしています。すでに街頭や店頭のプロモーション等に活用されていて、「こんなところに映像が!?」という驚きを味わった人も多いはず。さらに、軽さを生かしたメートル単位の超大型ディスプレイも実現しています。

 

 

有機ELの弱点は?

 

こうして並べると良いことずくめのように思える有機ELですが、弱点もいくつかあります。
主に以下のような点が、今後の課題と言えるでしょう。

・価格が高い
・テレビ等の大型ディスプレイは消費電力が大きい(スマホ等の小型ディスプレイは仕組みが違うので省エネ設計(後述))
・テレビは55インチ以上の大型モデルしかない(中型モデルがまだ普及していない)

それでは、これらの詳細もひとつずつ見ていきましょう。

 

 

知っておきたい有機ELの弱点

 

まずは「高価」な点。
モバイルでは、有機ELディスプレイのiPhoneXが液晶ディスプレイのiPhone8よりも2万円以上高くなっています。なお、iPhoneXの原価に占める有機ELディスプレイのコストは約1/3だそうです。
さらにテレビでは、テレビ向け有機ELディスプレイの供給元であるLGエレクトロニクス社の最小モデル(55インチ)でも15万円以上します。大型の77インチモデルは120万円~200万円超にもなります。

これは有機ELの歴史がまだ浅く、需要と供給のバランスが取れていないことや、生産数が少なくてコストが高止まりしていることが原因のようです。

とはいえ、コストダウンも急激に進んでいます。
例えば、SONYやPanasonicの55型有機ELテレビは2017年5月の発売当初は50万円前後もしましたが、2018年9月現在は22~29万円程度にまで下落しています。有機ELの普及が今後さらに進んで大量生産の体制が整っていけば、もっとリーズナブルになるでしょう。

次に、「テレビ等の大型ディスプレイは消費電力が大きい」点。
現在の有機ELテレビは、白く発光する有機EL素子とカラーフィルターを組み合わせた「カラーフィルター方式」が主流です。そのためカラーフィルターを通しても十分な輝度が保てるように、発光体の光を強めにしています。だから消費電力が大きくなってしまうのです。

ですが、発光コストが安い「RGB方式」という仕組みもあります。これはRed(赤)・ Green(緑)・Blue(青)の3色の有機EL素子を組み合わせて、カラーフィルター無しで色を表現する仕組みです。そのため発光体の光を適度に保つことができ、消費電力が抑えられるのです。

なお、スマホ向けの小型ディスプレイは、すでに「RGB方式」による省エネ化を実現しています。PCやテレビ向けの中~大型ディスプレイへの適用は製造コストの問題でまだ進んでいませんが、SONYとPanasonicの有機EL事業を統合した「JOLED」という企業が、この「RGB方式」による中~大型ディスプレイの開発を進めています。

その先陣として、2018年末には「RGB方式」の21.6型ディスプレイがASUSから発売される予定です。もちろんディスプレイの製造元はJOLED。本体価格は4,000ドル(約44万円)とかなり高価ですが、今後さらなる普及とコストダウンが進んでいけば、「カラーフィルター方式」の有機ELが抱えている問題も解消されるでしょう。

本格的な有機EL時代はこれからです! 今後の技術開発と商品展開から目が離せそうにありませんね。

 

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