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純国産フリーウェアCADソフト「Jw_cad」とは

この記事を読むと以下の3つのことがわかります。
①Jw_cadの歴史
②Jw_cadの魅力
③Jw_cadでできること

CADの現場で一度は聞いたことのある「Jw_cad」。特に国内の2次元建築CADとしてはAutoCADに次ぐシェアを持っていると言われているのがJw_cadです。人気の理由、その一番として「フリーウェア」であるということが挙げられます。フリーウェアとは簡単に言うと使用料金が無料で使えるソフトウェアのことで、Jw_cadではプログラムを使用したりそのままの形で配布することなどが許諾されています。
2番目の理由として歴史が長いというのがあります。今でこそ一台10万円も出せばかなり性能のよいパソコンが購入できますが、CADが一般に普及し始めた1980年代後半はCADを動かすことができるコンピュータは1台100万円以上、ソフトウェアを含めると数百万円かかるという時代でした。
そんな時代背景をもとに開発されてきたのがJw_cadです。

Jw_cadの歴史

Jw_cadはMS-DOS版の2次元CADとして誕生しました。開発されたのは建築設計現場でお仕事をされていた清水治郎氏、田中善文氏、岡野輔仁氏の3名。
最初は線が引ける、削除できる、複写できるといった基本機能のみが搭載され、製図板の延長としての機能を目指されていたようです。
その後、多くの利用者の意見を取り入れた「Jw_cad」の原型がNIFTY-Serveの建築フォーラム(FARCHI)にアップロードされ、誰でも自由に使えるようになりました。(※1)
NIFTY-Serveのフォーラム内では機能や操作性などについて活発な意見が交わされ、それに合わせてプログラムが更新されることでますます進化を遂げていきます。1993年末には「建築知識」の別冊特集号にJw_cadを収録したムックが4万部の出荷を記録しました。1993年の日本国内パソコン出荷台数が約240万台(※2)だったことを考えると、建築CADソフトという単一用途ソフトウェアの4万部はかなり多い量でしょう。
また、他社CADメーカーの中ではJw_cadのファイルを読み書きできる機能を持っているものもあります。(※3)
1993年はWindows3.1日本語版が発売された年でもあり、世の中のパソコンはWindows対応へ移っていきます。
日本国内で50%以上のシェアを持っていたNECからも世界標準のDOS/V機が発売されるなど、パソコン本体の価格も世界標準並に下がっていきました。
Jw_cadも1997年からはWindows版の初期バージョンがリリースされます。(※4)
このWindows版Jw_cadも掲示板などで広く利用者の意見などを取り入れながら改良を重ね、2019年5月21日にはJw_cad Version8.10bがリリースされています(2019年12月現在の最新バージョン)。

Jw_cadが広く受け入れられている理由

Jw_cadが広く受け入れられている理由として「フリーウェアであること」「歴史が長いこと」の2点を挙げさせていただきましたが、まだまだ魅力があります。そのいくつかをご紹介しましょう。

基本機能がしっかり使えるようになってる

2次元CADで使える機能は市販のソフトとほぼ同等もしくはそれ以上のものを持っています。基本機能として「線」「円」「矩形」「多角形」「寸法」の描画はもちろん、複線(オフセット)、伸縮および切断(トリム)、削除、複写、移動などの作図操作、図面の管理に必須のレイヤは最大で16×16の256レイヤを使うことができます。
また、Jw_cadはCADデータ形式の業界標準であるDXFの読み書きができるようになっていて、市販CADソフトとのデータのやり取りが可能となっています。

メニューやコマンドが日本語表記でわかりやすい

Jw_cadではメニューやコマンドのほとんどが日本語で書かれています。国産のソフトウェアなので当然といえば当然ですが、英語(カタカナ含む)で書かれているメニューやコマンドがほとんどありません。また、よく使う「線」「矩形」「円」コマンドはボタンがマークになっていますが、それ以外のコマンドボタンは漢字2文字~3文字で書かれているのがほとんどなので初心者でもコマンドが探しやすくなっています。

個別に設定できる項目が多い

画面寸法やマウスの挙動、各種操作方法、線の太さやデザイン、寸法の端末記号や寸法補助線の間隔、寸法の単位など、Jw_cadでは様々な項目について個別に設定することができます。また、設定した項目はテキストファイルとして保存することができますので、その設定を同じバージョンのJw_cadがインストールされている別のパソコンへ移すことも容易です。

独自インターフェースの「クロックメニュー」

CADは主にマウスを操作して図形を描画していくソフトウェアです。様々なコマンドを駆使するため、コマンドの呼び出しやすさや呼び出す速度がひいては図面の描画速度に大きく関わってきます。Jw_cadでは「クロックメニュー」というコマンド呼び出す機能があります。マウスをクリックすることで呼び出せるクロックメニューは、まさに時計の文字盤のようなちいさい円がマウスカーソルのそばに表示されます。この円をマウスカーソルでなぞっていくとコマンド名が次々に表示されます。時計と同じように1時から12時まで12種類が割当たっていて、使いたいコマンドになったらマウスを離すとそのコマンドを選択したことになります。
このクロックメニューはマウスの動かす方向を時計回りまたは反時計回りにすることで呼び出せるコマンドが違います。さらにクロックメニューを呼び出すマウスのボタンが左クリックか右クリックかによっても変わるため、合計で48種類のコマンドをクロックメニューから呼び出すことが可能です。
Jw_cadのクロックメニューを使いこなすとマウスをコマンドボタンまで動かす必要がなくなり、図面の描画速度が格段に速くなります。

まとめ

以上、純国産フリーウェアCADソフト「Jw_cad」の歴史や国内で広く受け入れられている理由、使える機能やオリジナル機能についてまとめました。
Jw_cadはフリーウェアなので誰でも自由に利用することができます。市販のソフトウェアに負けずとも劣らない、また、ユーザー目線に立った開発姿勢にきっと共感していただけると思います。
操作方法を解説した書籍やサイトも多いので、初心者から上級者まで広く使えるソフトウェアです。
ぜひ一度、以下のURLからダウンロードしてその使い勝手を試してみてください。
http://www.jwcad.net/

参考URL
(※1)
https://www.vector.co.jp/soft/dos/business/se066706.html
(※2)
http://www.sanosemi.com/biztech/document/data-Japan-PC-shipment-1988-1996.pdf
(※3)
https://support.ijcad.jp/hc/ja/articles/202492835
(※4)
http://www.jwcad.net/versioninfo.htm

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