AutoCAD対応の無料ビューア「DWG TrueView」の使い方と魅力とは
CADソフトの利用は、必ずしも制作時のみ使われるというわけではなく、CADのファイルを閲覧したいときにも使われます。
しかし、必ずしも常にCADソフトがインストールされているデバイスが手元にあるとは限らず、ファイルはあるがソフトがなくて中身を閲覧できないというケースもあります 。
そんな時に活躍してくれるのがAutodeskのビューア「DWG TrueView」です。
ファイル閲覧に特化したこちらのビューアの特徴について、ご紹介していきます。
目次:
①AutoCADがなくてもCADデータを閲覧可能
②無償提供されているDWG TrueView
③Design Reviewとの併用でさらなる拡張も
Autodesk公式ビューアの「DWG TrueView」
DWG TrueViewは、AutodeskのCADソフトであるAutoCADに特化した、CADファイル展開用のビューアです。
公式サイト:https://knowledge.autodesk.com/ja/support/dwg-trueview?sort=score
AutoCAD専用のDWG対応ビューア
DWG形式のファイルはAutoCADで利用されているもので、専用のソフトがインストールされていなければ、このファイルを開くことはできません。
DWGファイルを展開する場合、基本的にはAutoCADがインストールされたハードを用意する必要があります。
AutoCADを日常的に扱うデザイナーであれば問題なく展開することができますが、営業担当のように、業務でソフトを扱うことがない人となると話は違います。
わざわざCADデータを閲覧するために、ソフトがインストールされたPCを使わなければならないのも手間ですが、DWG TrueViewがあればそんな問題も解決します。このソフトがあればいつでもDWGファイルを展開することができるようになるため、情報共有のスピードは大幅にアップするでしょう。
無料で使えるDWG TrueView
元々、AutoCADはCADエンジニアやデザイナー向けの有料のソフトですし、閲覧のためだけに購入できるほど安価なものでもありません。
そこで、DWG TrueViewの出番です。このビューアではファイルの中身の編集などはできませんが、無料でインストールすることが可能です。
2D・3Dを問わずファイルを展開することができるので、図面を閲覧したいだけの場合は大いに役立ってくれるでしょう。
仮にPCにビューアがインストールされていなくても、その場ですぐにインストールすることができるため、サッと使える手軽さも嬉しいところです。
DWG TrueViewの特徴
次に、DWG TrueViewの強みや特徴について、ご紹介していきます。
旧バージョンのAutoCADにファイルを対応させられる
DWG TrueViewはDWGファイルを閲覧することはもちろんですが、ファイルのバージョンを変換できるのも嬉しいところです。
Autodeskから配信されているAutoCADは、常にバージョンアップを繰り返していますが、必ずしも使用中のAutoCADが常に最新であるとは限りません。
作業環境の都合上、古いバージョンのAutoCADを使い続けなければいけないということも多く、新バージョンと旧バージョンで情報共有に支障をきたす可能性もあります。
せっかくAutoCADを有している同士なのに、DWGファイルを共有できないという悲劇を回避するため、DWG TrueViewを使ってバージョンのすり合わせを行うことができます。
幅広い普及が期待できる
DWG TrueViewが無料であるということは、より多くの部門、企業においてBIM運用が進んでいく可能性にも期待できます。
BIMデータは優れた情報共有スピードと情報管理を実現してくれる技術ですが、一方でBIMを扱える環境や人材がまだまだ発展途上であることが懸念されています。
これらへの投資は決して安いものではなく、今の段階でBIMを使用することはかえってコストが高くついてしまうことも懸念事項です。
しかし、DWG TrueViewは無料での利用ができるため、AutoCADで作成したデータをあらゆる部門へ容易に共有することができます。
CADデータの運用が全体で定着すれば、BIM運用に向けた環境整備の促進にも繋がるでしょう。
Design Reviewとの併用でさらに便利に
DWG TrueViewは、単体での使用はもちろんですが、Design Reviewと呼ばれる公式のアドオンソフトを利用することで、さらに細かな機能を追加することができます。
利用にはDWG TrueViewのインストールが必要ですが、Design Reviewがあれば通常のビューア機能に加え、マークアップや印刷といった機能が使えるようになります。
また、ファイル形式の変換もより多様に行うことができ、PDFやJPG、GIFなどのおなじみの形式にも変換することができます。
この形態であれば、専用のCADファイルビューアを持たないユーザーでも気軽にファイルを閲覧することが可能になるでしょう。
Design Review公式:https://www.autodesk.co.jp/products/design-review/overview
Autodesk Viewerとの違い
AutoCADで作成したCADファイルを閲覧するための、もう一つの方法としてAutodesk VIewerの利用も挙げられます。
Autodesk Viewer公式:https://viewer.autodesk.com/
こちらも頻繁に利用されるAutodesk公式サービスの一つですが、DWG TrueViewとはいくつかの相違点も見られます。
まず、Autodesk Viewerはオンラインでの利用を前提としており、ソフトのインストールなどは必要ありません。
ブラウザ上で動作させることができるWebサービスとなっているため、外出先など、手元にCADソフトがない場合や、クライアント先でのプレゼンにも最適です。
もちろん、オンラインで動作するだけあり、パフォーマンスはややオフラインのサービスよりも低下してしまいますが、それでもその利便性は依然として魅力的です。
iPadやiPhoneといったスマートデバイスでも動作させることができ、なおかつ無料で利用できるため、AutoCADユーザーにはありがたいサービスです。
DWG TrueViewの使い方
最後に、DWG TrueViewの簡単な使い方についてご紹介しておきます。
インストール方法
DWG TrueViewのインストールは、以下の公式サイトからファイルをダウンロードして行うことができます。
https://www.autodesk.kco.jp/products/dwg/viewers#
利用しているプラットフォームと使用言語を選ぶだけで、すぐにインストールできるため、ぜひ一度試してみることをおすすめします。
具体的な機能について
AutoCADに比べて機能は限定されているDWG TrueViewですが、それだけに扱いもそこまで難しいものではありません。
展開したいCADファイルを選んで図面を開き、オブジェクトの拡大と縮小、回転など自由に行うことができます。
また、単にファイルを閲覧するだけでなく、オブジェクトの距離や面積、角度などの計測作業も行うことができます。
正確さが問われる作業に際しても、DWG TrueViewでしっかりと仕事をこなすことができるでしょう。
おわりに
DWG TrueViewは、AutoCADを扱うデザイナーはもちろんのこと、AutoCADはおろかCADソフトを扱ったことがないという人にもありがたいソフトです。
CADデータを気軽に扱える環境が整えば、それだけ情報共有のスピードも高まり、業務効率の改善につなげていくことができます。
また、オンラインサービスでインストール不要のAutodesk Viewer、DWG TrueViewにさらなる機能を追加するDesign Reviewも活用することで、CADの扱い方は多様化します。
これらの機能を、積極的に使いこなしていけるようになると良いでしょう。
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2022年10月6日 情報更新