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3次元を超えるBIM

現在は2次元CADを用いた設計が一般的です。3次元で設計を行うBIMが日本でも注目されています。今まで平面的に設計していたものを3次元で行うと様々なメリットがありますが、BIMはさらにその先へ進化しています。今回は4D BIM,5D BIMといった3次元の先についてまとめます。

BIMとは

BIMとCADを利用した設計方法の違いは、簡単に言うと3次元で設計するという点です。3DCADがあるため混同されている方が多いのですが、BIMと3DCADは別の存在です。2次元で作成したものを3次元化する3DCADに対し、最初からパズルのように3次元のモデルを作成するBIMではアプローチが真逆になります。3次元で設計することにより、部材や配管の干渉チェック、完成イメージの統一などメリットは多々ありますが、BIMは3次元になっただけではありません。3次元、いわゆる3Dの先を行く4D,5D,6D,7Dが存在します。4D以上は想像も難しいと思いますので、順に説明します。

4D BIM

4D BIMとは、3次元のBIMモデルに時間軸を持たせたものです。モデルと建設工程をリンクさせ、予めシミュレーションをすることで、正確なスケジュールや施工手順を検討することができます。変更点が出れば変更による工期の調整にも期待できます。(注1)

5D BIM

工事現場では工程通りに進まない場合があります。スケジュールを変更するだけでなく、追加料金などコスト面の変更も出てきます。5D BIMは正確な予算の算出や、リアルタイムでのコスト視覚化などコスト管理を実現します。大林組は、シンガポールにある複合施設「DUO」にてBIMと原価管理を連動させる「5D」に挑戦しました。(注2)

6D BIM

環境問題は建築業界だけでなく様々な業界にて取り組むべき課題です。日本でも令和3年に省エネに関する法改正があるなどの動きを見せていますが、建築の面から環境問題に取り組むことができます。6D BIMはエネルギー消費に関する持続可能性の課題解決に役立ちます。古い建物ではエネルギー効率が悪く環境に良くない設計となってしまいますが、新しい建物でも可能な限りエネルギー効率が高くなるように計画する必要があります。(注3)もちろんコストも無限ではないためBIMを移用することで効率的に計画を進めることができます。

7D BIM

7D BIMはビルライフル管理つまりビル管理に関する内容です。BIMを利用した設計のメリットとして、企画、設計、施工そして維持管理までを行うことができる点にあります。建物に利用されている設備機器の情報はBIMモデル内にも存在するため、メンテナンス時期や交換時期をデータで管理することができます。今までのアナログな維持管理方法ではなくBIMモデルを利用した効率的な維持管理を実現することができます。(注3)

8D BIM

8D BIMは建設現場での安全と事故防止に関するものです。運用及び建設プロセス内で発生する可能性のあるリスクを予測し、安全要素とリスクインジケーターを追加することで実現します。 (注4) 昔から建設現場には「3K(きつい、危険、汚い)」というイメージがあります。実際に死亡事故も多い職場なのでイメージ払拭のためにも8D BIMは期待ができます。

まとめ

今回は建設業界で注目されているBIMの4D~8Dをまとめました。BIMは従来の2次元での設計と比べて3次元で設計できるため干渉部分の把握や完成イメージの共有など様々なメリットがあります。それだけでなく、スケジュール・コスト・持続性・維持管理・安全性をテクノロジーを用いて建設業界を変えてくれることに期待が掛かります。

 

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参考文献
注1 BIMナビ
https://www.cadjapan.com/special/bim-navi/know/glossary/4d-simulation.html
注2 5Dへの挑戦も!BIMワークフロー最大化を目指す大林組
https://xtech.nikkei.com/kn/atcl/knpcolumn/14/546679/040600027/
注3 BIMのさまざまな側面
https://www.openlm.com/Japan/bim%E3%81%AE%E3%81%95%E3%81%BE%E3%81%96%E3%81%BE%E3%81%AA%E5%81%B4%E9%9D%A2/
注4 Apresentação
http://www.bimsafety.eu/

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