AutodeskのInfraWorksとは?ソフトの特徴や価格を詳しく紹介
3D CADは、あらゆる分野で使用されているCADソフトです。その使用範囲は多岐に渡り、土木や建築はもちろんのこと、製造業の部品や精密機械の作図にも使われています。そのため3D CADにはそれぞれの分野に特化したCADソフトがあります。
今回紹介するAutodeskのInfraWorksは、主に土木・インフラ設計に特化したソフトです。
そこで当記事では「AutodeskのInfraWorksとは?」と題し、ソフトの特徴や価格帯を詳しく解説します。
この記事で分かること
・Autodesk「InfraWorks」概要
・Autodesk「InfraWorks」4つの特徴
・Autodesk「InfraWorks」価格
Autodesk「InfraWorks」とは?
InfraWorksは、Autodesk(オートデスク)が販売している、土木などのインフラ設計に特化した3D CADソフトです。ソフト名に「インフラ」と入っている通り、道路や交差点、トンネルなどの設計に最適化されており、土木やインフラ系の設計時に使用されています。
このソフトの特徴は、既存の建築物や土地の自然環境を再現性が高く、プロジェクトの可視化できる点にあります。
そのためプロジェクト内の意思決定がスムーズになり、効率的な設計作業が可能になるのです。*1
このAutodesk InfraWorksを販売しているAutodesk(オートデスク)は、 3D 技術を使ったデザイン・設計、エンジニアリング、エンターテインメント向けソフトを制作しているリーディング企業です。Autodesk InfraWorksの他にもVector WorksやAuto CADなどのCADソフトが有名で、多くの建設企業ではオートデスクのソフトが使用されています。*2
Autodesk「InfraWorks」の4つの機能
InfraWorksでは4つの機能が搭載されています。以下ではInfraWorksの機能について解説します。*3
コンセプト デザイン
一つ目の特徴として「コンセプトデザイン」が挙げられます。InfraWorksではコンセプトデザインとして、テーマパレット、横断ビュー、コンポーネント道路の設計が可能です。
テーマパレットでは、属性に従いアセットを視覚的に分類して表示できます。これにより将来的な損傷・劣化等を予測しやすくなり、最も費用対効果の高い方法が検討できるのです。
また横断ビューでは、横断勾配摺り付け、道路アセンブリ、切土と盛土といった道路設計における工学的詳細を横断ビューで評価できます。これらの情報を3D図面にすることで、より視覚的な情報へと変わりイメージしやすくなるでしょう。
さらにInfraWorksでは縁石、車線、路肩のあるコンポーネント道路の設計が可能です。様々なパーツのアセンブリが容易なので、効率よく作図が行えます。
コンテキスト モデリング
二つ目の特徴として「コンテキストモデリング」が挙げられます。
InfraWorksでは、モデルに ArcGIS コンテンツを追加することで、フィールド アプリケーションが使用可能になります。これを使用することで、土地の情報をより分かりやすく整理可能になるのです。
また他にも、既存データを集約して現状をモデル化したり、GIS、ラスター、DGN、SketchUp などのソフトから基本モデルの作成が可能です。情報を的確に集約できるため、プロジェクト内の意思の疎通がスムーズになるでしょう。
解析とシミュレーション
三つ目の特徴として「解析とシミュレーション」が挙げられます。具体的には洪水や交通のシミュレーションがInfraWorksで検証できます。
洪水シミュレーションでは、複数の流入位置を基準とし時間の経過とともに水位を変化させて洪水のシミュレーションが可能です。
また交通シミュレーションでは、交通の流れの解析、交通解析結果の表示、交通シミュレーションのアニメーションの生成を行います。
さらに交通や駐車場、個人やタクシーモードなど、様々なシーンを想定したシミュレーションが可能なので、InfraWorksを使用すると検証の幅が大幅に広がるでしょう。
ビジュアライゼーション
そして四つ目の特徴として「ビジュアライゼーション」が挙げられます。
InfraWorksでは、プロジェクト関係者の理解度が高まるよう、リアルなイメージや動画の作成が可能です。
従来の2Dパースでは分かり得ない部分も詳細に表現できます。
他にもスナップショット ビューやアニメーション、パース ビューなどを含むプレゼンテーション資料が作成できるので、コンペティション準備が効率的に行えて、設計者の負担が軽減されるでしょう。
Autodesk「InfraWorks」の価格帯
InfraWorksは、1ヶ月・1年・3年のプランの中から購入できます。4 各料金は、1ヶ月契約が36,300円、1年契約が291,500円、3年契約が787,600円(価格は全て税込)となっています。 同じオートデスク社の3DCADソフト「Auto CAD」の場合、1ヶ月契約が27,500円、1年契約が220,000円、3年契約が594,000円と設定されており、InfraWorksのライセンス費の方がやや高く設定されています。5
InfraWorksにある、建築設計用CADにはない様々な機能が搭載されています。洪水シミュレーションや交通シミュレーションの機能が備わっているため、土木その他インフラの設計を行う際に、CAD上で様々な検証が可能です。
つい値段で購入検討をしてしまいますが、CAD選びで重要なのが「どんな機能が欲しいか」です。オートデスク社ではInfraWorks以外にも数多くのCADソフトを販売しています。
それぞれのソフトの特徴を確認して、設計で必要になるツールを有しているソフトを購入しましょう。
InfraWorksでは30日間の無料お試し版があるので、操作感などは買う前にチェックできます。
Autodesk「InfraWorks」はどんな業界で使える?
InfraWorksは、建設の中でも土木系の企業で高い需要があります。
企業によってはInfraWorksではない別のソフトを使用する場合もありますが、InfraWorksの操作スキルを有していると企業から高い評価を得られるでしょう。
ご自身のスキルアップを検討されている方は、InfraWorksの操作方法を勉強し新たなスキルを磨くのもオススメです。
上記で説明した通りInfraWorksにはライセンス費用がかかりますが、30日間の無料版もあります。まずは無料版を使ってソフトに触れてみるとよいでしょう。
まとめ
AutodeskのInfraWorksは、土木などのインフラ設計に特化した3D CADソフトで、土木業界では多く使用されているソフトです。3D CADは制作物のイメージがしやすい特徴があるため、プロジェクト内の意思決定がスムーズになり、効率的な設計作業を可能とします。
今回紹介したAutodeskのInfraWorksの他にも3D CADソフトは多数あるので、目的に応じてソフトを選ばなければなりません。まずは無料お試し版を利用して、ソフトに触れてみてはいかがでしょうか。
大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!
❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX
▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!
参考文献
*1 概要
https://www.autodesk.co.jp/products/infraworks/overview?plc=IW360P&term=1-YEAR&support=ADVANCED&quantity=1
*2 会社情報
https://www.autodesk.co.jp/company
*3 機能
https://www.autodesk.co.jp/products/infraworks/features?plc=IW360P&term=1-YEAR&support=ADVANCED&quantity=1
*4 価格
https://www.autodesk.co.jp/products/infraworks/subscribe?plc=IW360P&term=1-YEAR&support=ADVANCED&quantity=1
*5 Auto CAD値段
https://www.autodesk.co.jp/products/autocad/overview?term=1-YEAR&support=null#!
https://www.cadjapan.com/topics/cim/products/autodesk_infrastructure_modeler.html
2023年2月10日 情報更新