Unity Reflectを使ってBIMデータを取り込む方法
世界で最もポピュラーなゲームエンジンでお馴染みのUnityは、その優れた3Dモデリング技術を生かし、さまざまな業界で活躍を見せています。中でも近年はBIM関連のコラボレーションプロジェクトが顕著に進んでおり、多くのBIMソフトと高い親和性を獲得しています。
今回はUnityが提供するサービスの一種であるUnity Reflectを使って、社外のBIMツールからデータを読み込み、活用する方法についてご紹介します。
①Unity Reflectでできること
②Autodesk Revitの取り込み方法
③BIM 360の取り込み方法
④Navisworksの取り込み方法
⑤SketchUpの取り込み方法
⑥Rhinoの取り込み方法
Unity Reflectでできること
そもそもUnity Reflectは、没入型のリアルタイムコラボレーションプラットフォームとして提供されているサービスです。具体的にどのような事ができるのか、確認しておきましょう。
Unity Reflect Review
一つ目の機能が、Unity Reflect Reviewです。これは、他社のサービスを用いて製作されたBIMデータを簡単にインプットし、ARやVR活用に落とし込む事ができるものです。設計レビューの際、関係者間で意思決定をするのに役立つだけでなく、円滑な互換性でコミュニケーションコストを削減し、プロジェクトの進行速度向上に役立ってくれます。
Unity Reflect Develop
Unity Reflect Developは、独自にBIMデータを活用できるソリューションを開発し、自社の課題解決に適用する事が可能なサービスです。デジタルツインや建設の順序付け、BIM 調整など、豊富な用途に活用する事ができるため、活用機会は増えてくるでしょう*1。
Autodesk Revitの取り込み方法
次に、実際に各サービスからBIMデータを取り込み、活用する方法についてご紹介します。まずはRevitです。
プラグインを活用する
基本的に、社外製品からBIMデータを読み込む場合は専用のプラグインを活用することになります。Unity Reflectにはそれぞれの製品に適したプラグインが用意されており、AutodeskのRevitから取り込みを行う場合も同様です。
Unity Reflect は、Revit 2018、2019、2020、2021 に対応しているので、バージョンの互換性に悩むことはそうないでしょう*2。
データ取り込みで実現すること
RevitからUnity Reflectへデータをエクスポートすることで、さまざまな機能が利用可能です。RevitモデルをARやVRで表現したり、BIM メタデータをリアルタイム 3D に変換して、コラボレーションの強化などができます。
BIM 360の取り込み方法
続いては、BIM 360のデータ取り込み方法です。
クリック操作で簡単取り込み
BIM 360とUnity Reflectの互換性は高く、データをドラッグ&ドロップでエクスポートするだけで、簡単に取り込む事ができます。複雑な操作は必要ないので、ストレスフリーでコラボレーションを実現可能です。
データ取り込みで実現すること
BIM 360のデータを活用し、さまざまな機能を実現できます。リアルタイム3Dの効果で実物サイズのBIMデータをARに取り込み、プロジェクトの擬似体験が行えます。あるいは、2 つの壁を基準にモデルを固定し、特定の状況下でBIM モデルを可視化するCorner matchなど、複数の機能を利用できます*3。
Navisworksの取り込み方法
続いては、Navisworksのケースです。
プラグインを活用する
Autodesk NavisworksをUnity Reflectで利用する場合、Revitと同様、プラグインの導入が必要です。Unity Reflect内で操作は完結するので、第三者ツールなどを利用する必要がないのは嬉しいところです。
データ取り込みで実現すること
Navisworksのデータを取り込めば、より多彩なBIMデータ活用を実現します。設計データと建設データを 1 つのモデルに結合し、合意形成を容易に進められるようにしたり、複数の事業者のデータを統合し、管理を簡潔に行えるようにする事ができます*4。
SketchUpの取り込み方法
続いて、SketchUpのデータ取り込みについてです。
プラグインを活用する
SketchUpについても、専用のプラグインがUnity Reflectには用意されています。プラグインをインストールすることで、Unity Reflect上で円滑なコラボレーションを実現します。
データ取り込みで実現すること
SketchUpのデータを取り込むことで、さまざまなデバイスからデータにアクセスできるようになります。MacやWindows、iOSやAndroidなど、OSを問わないデータ活用を実現します。Unityエディターを使って、リアルタイム3D向けアプリの開発にも応用が可能です*5。
Rhinoの取り込み方法
最後は、Rhinoのデータ取り込み方法です。
プラグインを活用する
Rhinoの場合でも、データ取り込みには専用のプラグインを活用します。プラグインを使ってデータを取り込むことで、インタラクティブなリアルタイム3Dを活用可能です。
データ取り込みで実現すること
RhinoのデータをUnity Reflectで読み込めば、クラウドを通じて関係者間での共同編集が行えます。関係者同士で環境を統一する必要もなく、BIM運用の課題であった関係者間のコラボレーションの障害を排除してくれます。
おわりに
Unity ReflectによるBIMデータ取り込みの機能は、BIM運用において課題となっていたBIM環境の統一と整備を、一気に推進してくれる可能性を秘めています。プラグインを活用してデータ取り込み環境を整え、共同編集やデータ統合でプロジェクトの円滑な遂行を目指しましょう。
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*1 Unity「Unity Reflect Develop」
https://unity.com/ja/products/unity-reflect-develop
*2 Unity「Unity Reflect の Autodesk Revit プラグイン」
https://unity.com/ja/pages/unity-reflect-revit
*3 Unity「Unity Reflect に BIM 360 サポートと実物大 AR 機能が追加されました」
https://blog.unity.com/ja/aec/unity-reflect-adds-bim-360-support-and-11-scale-ar
*4 Unity「Unity Reflect の Autodesk Navisworks プラグイン」
https://unity.com/ja/pages/unity-reflect-navisworks
*5 Unity 「Unity Reflect の SketchUp プラグイン」
https://unity.com/ja/pages/unity-reflect-sketchup