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Googleの無償版G Suiteがついに終了!データ移行方法について救済策を提示

2012年の新規受付停止から10年にわたって、無料で利用ができていたG Suiteについて、Googleからサービス停止のアナウンスがありました。ついに!という感じですが、利用者にとっては、今まで蓄積されたデータをどうするかが気になるところです。
7月のサービス提供終了に向けて、データ移行方法に関する救済策についてのアナウンスがありましたので、情報をまとめてみました。

この記事でわかること
・無償版G Suiteについて
・サービス停止までのスケジュール
・データの移行方法について

無償版G Suiteとは何か

「G Suite」とは、Googleが提供するビジネス向けのクラウドベースのグループウェアサービスです。
2020年10月にブランドを一新し、「Google WorkSpace」へと名称変更しました。
Gmailアドレスを取得するだけで自由に使える「Googleクラウド」などのオンラインストレージやアプリに加えて、グループウェアに必要なコラボレーションツールや管理機能などが提供されています。

「G Suite」はもともと「Google Apps」という名称で運営されており、独自ドメインを使ったメールが利用できるなど、個人や小規模事業所などで広く活用されていました。
2012年に新規のサービス受付を停止しましたが、その後も従来のユーザーは変わらず無料で利用できていました。今回10年を経て、ついに完全終了ということになります。*注1

「G Suite」は無料で提供されていましたので、複数アカウントを運営していたという方もいるのではないでしょうか。
そうなると新規のサービスに移行するために、有料版のGoogle Workspeceへアップグレードするにしても、それなりにコストと手間がかかることになり、頭の痛いところです。
しかし、これだけの機能が充実したサービスが、10年もの間無料で使えていたこと自体が素晴らしいことでしたので、今回は諦めて何らかの対策をする方向に舵を切るしかありません。

無償版G Suiteと他のサービスとの違い

現在、新規にアカウントを開設し利用できるのは、無料で提供されているGmailで利用できるサービスと、有償版のG Suiteだけとなっています。
Gmailアドレスに付帯して利用できる各種サービスと、無償版G Suiteは異なるカテゴリーとなっています。

前述した通り無償版G Suiteとは、Google Appsの中のStandard Editionのことであり、2012年を持って新規アカウントの開設が停止されました。
今回Googleからサービスの完全提供停止がアナウンスされたのは、このGoogle Apps時代から利用を続けていたユーザーが対象となります。
Gmailアカウントに付帯して利用できる各種サービスではありませんので、ご注意ください。

◯Gmailアカウントに付帯して利用できるサービス

・gmail.comアカウントでのメールサービス
・15GBまでのオンラインストレージ
・ドキュメント・スプレットシート・スライドなどのオンラインサービス
※管理機能やセキュリティ関連のツールはなし
※ユーザーサポートなし

◯有償版G Suiteで利用できるサービス

 有償版G Suiteには4つのエディションがあり、それぞれ機能や利用できる範囲に違いがあります。

1)G Suite Starter
 ・月額 680円
 ・1ユーザー当30GBのクラウドストレージ
 ・100人まで参加可能なビデオ会議
 ・管理機能、セキュリティ機能あり
 ・ユーザーサポートあり

2)G Suite Standard
 ・月額 1,360円
 ・1ユーザー当2TBのクラウドストレージ
 ・150人まで参加可能なビデオ会議
 ・管理機能、セキュリティ機能あり
 ・ユーザーサポートあり

3)G Suite Business Plus
 ・月額 2,040円
 ・1ユーザー当5TBのクラウドストレージ
 ・150人まで参加可能なビデオ会議
 ・高度な管理機能、セキュリティ機能あり
 ・ユーザーサポートあり

4)G Suite Enterprise
 ・利用料については問い合わせ確認
 ・必要に応じて増やせる保存容量(実質無制限)
 ・500人まで参加可能なビデオ会議
 ・高度な管理機能、セキュリティ機能あり
 ・Enhancedユーザーサポート

今回は比較のため、簡単に違いがわかる部分だけ抜き出してましたが、上のグレードほど細かな機能が使える仕様になっています。
例えばEnterpriseの場合、S/MIME暗号化されたメールやビデオ会議のノイズキャンセリング機能、同じドメイン内でのライブストリーミングが使えるなど、全ての面で強化された機能が準備されています。*注2

今回完全停止がアナウンスされた無償版のG Suiteは、ここで紹介したいずれのエディションにも該当しません。
無償版G Suiteの利用者は、2020年7月までに有償版のGoogle Workspaceにアップグレードするか、他のサービスに移行するかの判断を行う必要があります。

サービス停止までのスケジュール

ここで、Google Workspaceヘルプにある「従来の無償版 G Suite」にある記述を引用してみます。


2012年12月5日までは、ビジネス機能の数が通常版よりも少ない無償版 G Suite(Google Apps の従来の無償版)を提供していましたが、2012年12月6日をもって新規のお客様への無償版の提供を終了いたしました。従来の無償版 G Suite の利用規約は、こちらでご覧いただけます。

従来の無償版 G Suite のお客様が引き続きサービスをご利用になるには、有料の Google Workspace サブスクリプションにアップグレードする必要があります。従来の無償版 G Suiteは,2022年5月1日をもってご利用いただけなくなります。5月1日以降、Google Workspace へのシームレスな移行が始まり、2022年7月1日まで無料でご利用いただけます。

お客様のニーズに合った Google Workspace サブスクリプションに今すぐアップグレードすることをおすすめします。アップグレードしても、お客様のデータやサービスのご利用には影響しません。従来の無償版 G Suite からアップグレードする方法をご覧ください。

お客様のニーズが変化し、Google Workspace サブスクリプションにアップグレードしない場合は、データ エクスポート ツールを使用して組織のデータをエクスポートできます。アップグレードを希望せず、ほとんどのデータをプレミアム Google Workspace 機能のない無償オプションに移行したい場合は、このオプションの説明をご覧ください。

詳しくは、Google Workspace への移行についての項目をご覧ください。

利用資格のある教育機関 サービスが中断することなく、無償版の Google Workspace for Education Fundamentals に移行することができます。注1


今後のスケジュールについては、第二段落に記載があります。

・2022年5月1日に利用停止、有料版へのシームレスな移行
・2022年7月1日までは無料で利用ができる

ちょっとわかりにくい表現ですよね。
5月に利用停止とあるのに、7月までは無料で利用ができるとされています。
少し具体的に説明すると次のようなステップになります。

・5月から従来の無償版G Suiteは自動的に有料版のGoogle Workspaceに切り替わる
・グレードは利用者の使用状況を見て、Google側が判断し適当と思われるものに設定される
・その状態で「有料版のGoogle Workspace」を「7月までは無料で利用」できる

ということです。

その後、該当するグレードに相当する利用料金の徴収が始まりますので、それまでに解約するか、そのまま使用を継続するかの判断をする必要があります。
もちろん、支払い条件を設定しておかない限りは料金の徴収ができませんので、その場合は「支払い不能」ということで、いずれサービスの利用が停止されてしまいます。

データの移行方法などについて

無償版G Suiteを10年前から継続して利用しているという方は、残念ながらデータをどこかに退避するか、有料版への切り替えを決断する必要があります。
普通は有料でしか使えないようなグループウェアを、10年にもわたって無料で使えていた訳ですから、そこはGoogleに感謝しながら潔くあきらめるしかないようです。

では、具体的にデータを移行する方法を見ていきましょう。

◯Google Workspaceへ移行する場合

基本的には、この方法がが一番便利であり手間もかかりません。
これまで使い慣れたUIで利用できますし、データの移行も必要ありません。有料にはなりますが、その分無償版よりも高度な機能が使えます。
詳しくは以下のGoogle Workspace管理者ヘルプを確認してください。

■Google Workspace管理者ヘルプ「従来の無償版 G Suite からのアップグレード」
https://support.google.com/a/answer/60217

<Google Workspaceへ移行する手続き>

1)Google管理者コンソールにログイン
 「お支払い」>「その他のサービスを利用する」から目的のサブスクリプションの「切り替える」を選択。
 「フレキブルプラン」か「年間支払いプラン」のどちらかを選択する。

2)お支払い情報を設定

もし支払い情報を設定せずに2020年7月から60日間が経過すると、メールなどのメインサービスにアクセスできなくなりますので注意が必要です。

◯他のサービスへ移行する場合

この場合は、これまでに蓄積してきたデータをダウンロードし、新しいサービスへ移行する手続きが必要になります。
新サービスへデータを反映させる方法については、サービスごとに異なるため、それぞれの説明を参照してください。

G Suiteからデータを書き出す方法については、Google管理者ヘルプの「組織のデータを書き出す」に詳しい説明があります。

■Google管理者ヘルプ「組織のデータを書き出す」
https://support.google.com/a/answer/100458

1)Google管理者コンソールにログイン
2)「ツール」の「データエクスポート」を選択
3)「エクスポート開始」をクリック

データの量にもよりますが、最長で14日間かかることもあるようです。
また特権管理者が複数人いる場合は、メールで通知を出した後、48時間の待機時間を置いてからデータの書き出しが開始されます。

さらに2段階認証プロセスが有効になっていること、ユーザー数が1,000以下であることなど、いくつか確認が必要なことがあります。
上記のページの説明をよく確認してから、データの書き出しを行ってください。

メールやchat、スケジュールなどG Suite内で作成されたデータに関しては、上記の手続きでデータを確保することができます。
問題となるのは「Google Play」や「YouTube」などから購入したコンテンツが、データエクスポートツールでは書き出しできないという点です。

このことについてはGoogleも一定の配慮を示し、「その他のGoogleサービスや従来のエディションのアカウントを使って、購入した有料コンテンツが引き続き利用できるようにする。」ともアナウンスしています。
さらに「今後数ヶ月以内にこのような有料コンテンツを無料で移行できるオプションを提供する」予定であることも付け加えています。

具体的にどのようなデータが対象となるか、その方法についての詳細はまだわかりません。従来の無償版G Suiteユーザーからの要望が高かったのか、後追いにはなりましたが救済措置の実施に踏み切ったということなのでしょう。

企業や団体でグループウェアを導入しようとするときに、いくつかのハードルが存在します。
一つは組織内のユーザーに対するトレーニング。もう一つはコストです。
無償版G Suiteは、Gmailアドレスを持っていれば誰でも利用できるGoogleドライブなど、使い慣れたUIという事もあり、トレーニングもそれほど必要ではありませんでした。さらに利用料は無料です。
小規模オフィスや民間団体などにとっては最高のサービスでしたが、ついにその歴史を閉じることになります。
残念なことではありますが、これまで無料で使えていたのが例外中の例外とも言えますので、期限までに確実にデータが移行できるよう準備しておきましょう。

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■参考文献
注1
Google Workspaceガイド(運営会社 株式会社ワンチーム)
https://gsuiteguide.jp/gsuite/difference-between-free-and-paid/
Google Wrokspace管理者ヘルプ 「従来の無償版 G Suite」
https://support.google.com/a/answer/2855120
注2
Google Workspace
https://workspace.google.com/intl/ja/pricing.html

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