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BIM運用に欠かせないファミリとは?家具ファミリの入手方法を紹介

新しい3D CAD技術として注目を集めるBIMは、さらなる普及に伴い周辺のサービスも充実が進んでいます。特に各企業などから提供される3DモデルのBIM対応が盛んに行われており、より効率的なBIM運用が可能です。

今回は、そんなBIM運用において活躍しているファミリについて解説しながら、利用頻度の高い家具ファミリの入手方法などについて、紹介します。

目次:

  1. ファミリとは
  2. カテゴリ・タイプとの違い
  3. ファミリの3つの種類
  4. 既製ファミリ活用のメリット
  5. 家具ファミリを手に入れられるサイト
  6. 家具以外のファミリが手に入るサイト

ファミリとは

そもそもファミリとは、BIMソフトであるRevit上で用いられるオブジェクト分類の一種で、建築モデルを作成する際の部品のような役割を果たします。ファミリの種類は非常に多様で、建造物の柱や壁、窓といった要素はもちろん、内装全般のオブジェクトもファミリに分類されます。

椅子や机などの家具類は家具ファミリに分類され、BIMモデルで内装までを正確に構築する場合、活躍します。ファミリ同士を組み合わせて作成された構造物を「プロジェクト」とよび、広くBIMモデルとして運用されています。

また、ファミリの大きな特徴として挙げられるのが、オブジェクトの中にさまざまな情報を内包できる点です。従来の3Dモデルの場合、ただ立体的なオブジェクトが形成されているだけに過ぎませんでした。しかしファミリを使ってプロジェクトを作成する場合、各ファミリには色や材質、価格などの詳細な設定を記録することが可能です。

そのため、二次元の図面と同じような情報量をBIMモデル一つで共有することができるため、非常に利便性の高い3Dモデルを運用することができます。

カテゴリ・タイプとの違い

Revitを扱っていると、ファミリと似たような言葉としてカテゴリやタイプといったものに触れることも多いものです。

ファミリにカテゴリ、そしてタイプと、いずれの3つの言葉も3Dのオブジェクトを指す言葉には違いありませんが、それぞれの相違点としては、情報の解像度が違うという点が挙げられます。

例えば柱の3Dオブジェクトがあったとします。カテゴリの場合、柱のオブジェクトは単に「柱」と、抽象度の高い分類しかできません。一方でファミリの場合、柱は柱でも「四角柱」なのか「円柱」なのか、細かな形状まで指定した上で分類を行います。そしてタイプは、柱の大きさや寸法といった、より詳細な情報を指定したいときに用いられる分類です。

状況に応じて、これら3つの分類方法の違いを使い分けることで、正確な情報共有やコミュニケーションが可能になります。

ファミリの3つの種類

そんなファミリにも、実際には大きく分けて3つの種類が存在します。ここでは3つのファミリの違いについて、解説します。

システムファミリ

システムファミリは、Revitに元々備わっているデフォルトファミリを指します。さまざまなプロジェクトにおいて使用することになるであろう、基本的な形状はRevitの標準ファミリで賄えるため、一からファミリを収集する必要はありません。

基本的な形状のファミリしか揃っていないため、ディテールを細かくこだわることはできないものの、大まかなコンセプトを検討し形にする上では、十分な量が揃っています。まずはシステムファミリを使いこなし、足りているもの、足りないものを検討していくと良いでしょう。

コンポーネントファミリ

コンポーネントファミリは、Revit以外の外部サービスから提供されているファミリを指します。システムファミリよりもはるかに多様なバリエーションがあり、痒い所に手が届く、ディテールにこだわったファミリが揃います。

コンポーネントファミリは、家具や建材メーカーが提供していることが多く、実在する既製品を、自由にBIMモデルとして運用できるのが便利です。

インプレイスファミリ

インプレイスファミリは、 目的や用途に合わせて自前で作成するタイプのファミリです。目的に適ったファミリが見つからない場合、自作するケースもよくあります。インプレイスファミリだと、ニーズにぴったり見合うファミリを作成することができるため、非常に柔軟性に優れています。ただ、自作は作業負担が発生するので、毎回作成して用意するのはあまりおすすめできません。

既製ファミリ活用のメリット

ファミリを使ってプロジェクトを作成する場合、多くのケースではシステムファミリやインプレイスファミリのような既製ファミリを使うことが一般的です。

規制のファミリを使うことのメリットは、やはり作業の負担削減があるでしょう。3Dオブジェクトを一つずつ作成して用意するのは、どうしても業務負担が大きく、重要な意思決定を遅らせたり、修正負担を増やしたりしてしまいます。

システムファミリやインプレイスファミリなどを使えば、オブジェクト作成の負担なくプロジェクトを完成させられるので、負担は最小限で済みます。また、メーカーが提供するインプレイスファミリは品質にも優れており、既製品をそのまま3D化したデータを使用することができます。プロジェクトの品質向上にも役立つため、積極的に活用すべきでしょう。

家具ファミリを手に入れられるサイト

それでは、内装を手掛ける際に不可欠な家具ファミリは、どのようなところで手に入れるのが良いのでしょうか。近年、多くのメーカーが自社サイトで自社製品の家具ファミリを提供しており、各社のページを訪れることで、ダウンロードが可能です。

代表的なメーカーとしては、

  • 大塚商会*1
  • 岡村製作所*2
  • コクヨ*3

などが挙げられます。いずれのサイトでも無料で家具ファミリをダウンロードできるため、参考にしてみることをおすすめします。

家具以外のファミリが手に入るサイト

家具以外のファミリを手に入れたい場合にも、各社メーカーサイトが役に立ちます。

代表的なメーカーに、

  • 三菱電機*4
  • 東芝エレベータ*5
  • 新晃工業*6

などが挙げられます。各社のサイトを確認し、自社に必要なファミリをダウンロードしておきましょう。

まとめ

この記事では、BIM運用には欠かせないファミリの仕組みや、家具ファミリをダウンロードできるサービスについて紹介しました。既製のファミリを有効活用することで、BIM運用の効率はより向上し、迅速な情報共有や質の高いプロジェクト作成が可能です。

自社で不足しているファミリを一度確認し、各メーカーのサイトを参考にしながら、便利なインプレイスファミリを積極的に活用すると良いでしょう。

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参考:
*1 bimobject「大塚商会」
https://www.cadjapan.com/special/bim-navi/bimobject/

*2 岡村製作所「プロフェッショナルサイト」
https://www.okamura.co.jp/professional/

*3 コクヨ「BIM/CAD データダウンロード」
https://www.kokuyo-furniture.co.jp/cad/download.html

*4 三菱電機「BIM (Building Information Modeling) 昇降機設計・施工支援サービス」
https://www.mitsubishielectric.co.jp/elevator/bim/index.html

*5 東芝エレベータ「BIM 東芝昇降機設計・施工支援サービス」
https://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/new/support/bim/

*6 SINKO「BIMデータダウンロード」
https://www.sinko.co.jp/bim/?p=AHU&f=PH

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