Revitの価格はどのくらい?Revit LTと違いやプランを紹介
i-Constructionの推進に伴い、BIM/CIM対応のソフトウェアを使用して建設プロジェクトが進められています。
さらに、2024年(令和6年)4月16日に「i-Construction 2.0」が策定されました。
i-Construction 2.0とは、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割(生産性を1.5倍)向上することを目指すものです。*1
引用)参考)国土交通省「「i-Construction 2.0」を策定しました~建設現場のオートメーション化による生産性向上(省人化)~」
https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/content/001738240.pdf
i-Construction 2.0の策定では「施工のオートメーション化」「データ連携のオートメーション化」「施工管理のオートメーション化」を掲げています。
建設現場のオートメーション化に向けて新たな取り組みが始まったことで、さらなる生産性向上の実現に向けて、さまざまなBIM/CIM対応のソフトウェアが導入されています。
本記事では、オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)が提供しているBIM対応ソフトウェアの「Revit」について解説します。
Revit導入時の価格やプランについても詳しく紹介するので、検討している方は参考にしてみてください。
Revitとは
「Revit」とは、オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)が提供しているBIM対応ソフトウェアです。
Revitでは「建築設計」「土木エンジニアリング」「建設・施工」を3Dで実施できるツールで、建築設計者・構造エンジニア・土木エンジニア・MEP エンジニア・施主などが使用しています。
主な機能は、以下のとおりです。
【Revitの主な機能】(※一部抜粋)*2
- パラメトリック コンポーネント
- 相互運用性
- 集計表
- ドキュメント作成
- ワークシェアリング
詳しくは、オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)の公式ホームページ「Autodesk Revit の主な機能」をご確認ください。
Revitには作業分野対応ツールセットもあるため、作業に適したツールセットを導入することで業務パフォーマンスの向上が期待できます。
Revitについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
Revit 2021の特徴や機能、ダウンロード方法を紹介しているので、本記事とあわせてご覧ください。
>Revit 2021とは?特徴や機能、ダウンロード手順も詳しく解説
Revit とRevit LTの違い
「Revit」と「Revit LT」には、どのような違いがあるのかを解説します。
「Revit」は、建物の計画・設計・施工・管理を行える3DのBIMツールです。
「Revit LT」は、3D建築設計やドキュメントを作成するシンプルな3DのBIMツールです。
つまり、Revitで操作可能な機能のうち、一部の機能を使えるのがRevit LT。
Revit LTで使用できないRevitの機能は、以下のとおりです。
「建築モデリング」「構造モデリング」「MEPモデリング」「施工モデリング」「高度なモデリング」を例に紹介します。
【Revit LTで使用できないRevitの機能】(※一部抜粋)*3
建築モデリング | ・マス スタディ |
構造モデリング | ・傾斜柱・トラス・鉄骨接合・配筋、鉄筋モデリング |
MEPモデリング | ・冷暖房空調設備・機械設備・配管および給排水衛生設備・製造用パーツ・電気および照明設備 (※すべてのRevitの機能が使用できない) |
施工モデリング | ・部品・アセンブリ (※すべてのRevitの機能が使用できない) |
高度なモデリング | ・Revit コンテンツ を FormIt Pro に送信・インプレイス モデリング・床および屋根の形状編集・グローバル パラメータ・コンセプト マス、アダプティブ コンポーネント |
ほかにも、Revit LTで使用できない機能を知りたい方は、オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)の公式ホームページ「Revit と Revit LT の比較」をご確認ください。
Revitの価格
RevitとRevit LTの価格を解説します。
各プランごとの価格を紹介するので、費用対効果を考慮した上で最適な製品を選びましょう。
RevitとRevit LTの価格は、下表のとおりです。
【RevitとRevit LTの価格】*4
Revit | Revit LT | |
1ヶ月 | 57,200円 | 11,000円 |
1年 | 453,200円 | 83,600円 |
3年 | 1,359,600円 | 250,800円 |
Revit LTは、Revitの約1/5分の価格で購入できます。
また、RevitだけではなくAutoCADやCivil 3Dも同時に使用したい方におすすめなのが
「Architecture Engineering Construction Collection」です。
「Architecture Engineering Construction Collection」の各プランごとの価格は、以下のとおりです。
【Architecture Engineering Construction Collectionの価格】*5
1ヶ月 | 69,300円 |
1年 | 554,400円 |
3年 | 1,663,200円 |
Revit・AutoCAD・Civil 3Dのすべての製品を使用する場合は、リーズナブルに購入できるプランです。
いずれのプランもサブスクリプションで提供されています。
製品の使用状況にあわせて契約プランの変更も可能です。
さらに、製品の使用分だけ支払うと利用できるのが「Flex」です。*6
「Flex」は、1日(24時間)単位で製品を利用できる従量課金制のプランです。
Revitの使用頻度が少ない方にとっても、便利なプランではないでしょうか。
ただし、Flexを利用してRevitを導入するには、事前にトークンを購入する必要があります。
Revitを使用するために必要なトークン数は、10トークン。
概算コストは、1日あたり4,290円です。
たとえば、ユーザー1人が1ヶ月に4回(週に1回)利用するとします。
1年間に使用するトークン数は480トークンなので、価格は205,920円です。
ユーザー数と使用頻度を考慮して、サブスクリプション(1ヶ月・1年・3年)を利用するのか、Flexを利用するのかを選ぶのをおすすめします。
RevitのサブスクリプションとFlexの価格については、以下リンクから確認できます。
Revitを導入する前に、ぜひチェックしてみてください。
Revitの無償体験版
Revitの購入前に、無償体験版を利用するのもおすすめです。*7
Revitの無償体験版は、無料で30日間利用できます。
最新バージョンの全機能を使えるので、まずは無料で試してみてはいかがでしょうか。
体験期間の終了前に自動更新設定をオフにすると、無償体験版をキャンセルできます。
また、無償体験版の利用中にサブスクリプションに変更可能なので、いつでもRevitの有償版を利用できます。
「Revit クイック スタート ガイド」は、はじめてRevitを利用する方におすすめの学習ツールです。
サポートツールも充実しているので、基礎からRevitを理解したい方でも安心です。
まとめ
今回は、Revitの価格やプランの種類、Revit LTとの違いを解説しました。
Revitを導入することで、建設プロジェクトにおいて生産性向上の実現ができるでしょう。
計画・設計・施工・維持など、建設プロジェクトの生産性向上を実現させたい方は、Revitを導入してみてはいかがでしょうか。
Revitの導入を検討している場合は、まずは無償体験版を利用するのがおすすめです。
Revitの詳細は、オートデスク株式会社(Autodesk, Inc.)の公式ホームページに掲載されています。*8
こちらもあわせてご覧ください。
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*1
参考)国土交通省「「i-Construction 2.0」を策定しました~建設現場のオートメーション化による生産性向上(省人化)~」
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001085.html
*2
参考)AUTODESK「Autodesk Revitの主な機能」
https://www.autodesk.com/jp/products/revit/features
*3
参考)AUTODESK「Revit と Revit LT の比較」
https://www.autodesk.com/jp/products/revit/compare
*4
参考)AUTODESK「Revit と Revit LT の比較」
https://www.autodesk.com/jp/products/revit/compare
*5
参考)AUTODESK「Revit と Revit LT の比較」
https://www.autodesk.com/jp/products/revit/compare
*6
参考)AUTODESK「Flex 価格シート」
https://www.autodesk.com/jp/buying/flex/flex-rate-sheet
*7
参考)AUTODESK「Revit の 30 日間無償体験」
https://www.autodesk.com/jp/products/revit/free-trial
*8
参考)AUTODESK「Autodesk Revit:設計と施工のための BIM ソフトウェア」
https://www.autodesk.com/jp/products/revit/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
署名
【ライターネーム】
ちっふぃ
【プロフィール】
1級土木施工管理技士
書店の専門書コーナーで見た橋梁の本がきっかけで、土木工学を学ぶために大学に進学。
大学卒業後は建設会社に入社し、日本全国の建設工事にて施工管理業務を経験する。
現在は建設業界の魅力を伝えるために、フリーでライター活動をしている。
土木・建築を中心としたコラム記事のほかに、取材やインタビュー記事も執筆中。