CATIA V5利用において覚えておきたいコマンド一覧
世界で最もポピュラーなCADソフトの一つであるCATIA V5は、ハイエンドな性能を持つ分、その取り扱いの際には持て余してしまうことも少なくありません。基本的な操作を丁寧にマスターすることで、その性能をいかんなく引き出すことができるでしょう。
この記事では、そんなCATIA V5を利用するにあたって、なるべく優先して覚えておきたいコマンドについて、一覧形式で紹介します。
目次:
- CATIAシリーズとは
- CATIA V5の特徴
- CATIA V5の主なコマンド一覧(基本操作)
- CATIA V5の主なコマンド一覧(独自操作)
CATIAシリーズとは
CATIAシリーズは、フランスのダッソー・システムズが1981年より販売している、3DCADソフトの一種です。CADが活躍する領域はさまざまですが、CATIAシリーズは中でも製造業向けに機能を特化させた、いわゆる専用CADに分類されます。
製造業向けのCADソフトの中でも、CATIAシリーズはハイエンドの部類に入ります。実装している機能に応じ、CADソフトはいくつかの等級に分けられますが、このシリーズは他のCAD製品と比較しても、最高レベルの機能性を備えているのが強みです。
そのためCATIAシリーズは、航空業界や自動車産業など、高いレベルの設計業務が発生する分野で活躍してきたCADソフトでもあり、プロフェッショナルが求めるレベルの水準を自社環境にも実装したい場合に最適な製品と言えるでしょう。海外におけるシェアはもちろん、日本国内の企業もCATIAシリーズを頻繁に利用しています。
CATIA V5の特徴
現行バージョンのCATIA V5は、他の3DCADソフトに劣らない機能性が高く評価されています。ここでは主なCATIA V5の特徴を解説します*1。
複雑な設計図を描画できるサーフェス機能
CATIA V5は、滑らかで自然な曲面を生成できるサーフェス機能や、複雑な箇所のフィレット処理作業を実行することができます。一般的なCAD製品の場合、これらの処理は手動対応や一般機能だけで対応しなければならず、工数が必要以上にかかってしまうため、敬遠されるものです。
CATIA V5では標準機能としてこれらを使うことができるため、業務に伴う余計な工数の増加を気にすることなく、イメージを図面に落とし込むことができます。
自動修正が可能なナレッジ機能
CATIA V5の目玉機能とも言えるのが、ナレッジ機能です。CATIA V5を利用するにあたっては、自社や担当者が独自に採用している設計ノウハウを同製品に記憶させ、のちの修正作業などに反映し、自動で修正を行うことができます。
また、社内の標準規格に合わせてCATIA V5を運用することで、次回以降はその企画に合わせた設計が行えるため、余計な手戻り負担などを回避することも可能です。これまでは手動での対応が必要だった細かな作業も、CATIA V5があればその大半を削減できるでしょう。
ストレスフリーな限界性能
ハイエンド3DCADソフトであるCATIA V5は、大規模な開発となっても通常の操作性を維持できるキャパシティを備えており、製品全体のデータを俯瞰的に把握しながら作業を進めていくことができます。
CADソフトによっては大規模なプロジェクトの場合、パーツごとにデータを切り出して検討するようなことが必要なケースもありますが、CATIA V5では常に全体像を踏まえて業務を遂行可能です。
業界特化の専門機能
製造業界とは一言で言っても、それぞれの領域で必要とするCADの機能は異なります。CATIA V5なら特定業界に特化した機能を一通り揃えており、機能不足で不便を被る心配はありません。別ソフトを用意しなくとも、CATIAのインターフェースでまるで異なる操作感の各種機能を豊富に扱えます。
CATIA V5の主なコマンド一覧(基本操作)
上のような特徴を存分に発揮させるためには、まずCATIA V5の基本的な操作を理解しなければなりません。ここではCATIA V5はもちろん、他のソフトや一般的なコンピューター利用でもよく見る、便利なコマンドを紹介します。
コピー・ペースト
基本となるコピーとペーストの操作ですが、これは一般的なPC操作と同じです。選択した部分をコピーしたい場合には
Ctrl + C
を入力し、コピーした部分をペーストしたい場合には
Ctrl + V
を実行します。ちなみにCtrl + Xで選択部分の切り取りも可能です。
実行取り消し・繰り返し
一度実行した操作を取り消したい場合には、
Ctrl + Z
を入力することで一つ前の状態に戻すことができます。取り消した操作をもう一度実行したい場合、
Ctrl + Y
でやり直すことが可能です。
ファイル操作
新たにファイルを作成したい場合、
Ctrl + N
を入力すると作成ができます。既存ファイルを展開するには、
Ctrl + O
を実行すると選択画面が現れます。ファイルの保存は
Ctrl + S
で実行可能です。
CATIA V5の主なコマンド一覧(独自操作)
上で紹介したコマンドは、基本的なPC操作の一環としても知られている共通操作のため、すでに知っているものもあるかと思います。以下は、CATIA V5の運用で定義されている、独自の操作コマンドを紹介します。
画面の表示
画面表示関連のコマンドですが、まず覚えておきたいのは直前ウィンドウの表示です。これは
Ctrl + Tab
で実行ができます。困ったことがあった場合、
F1
を入力すると、ヘルプページを展開できます。仕様の全体像を確認したい時、
Shift + F2
を入力すれば、仕様の全体像を、別ビューにてツリー表示で確認可能です。マクロの設定画面を表示する際には、
Alt + F8
を入力し、Visual Basicのエディターを表示する場合は
Alt + F11
の入力で可能です。これらの操作を覚えておくと、クリック操作で展開する手間を省くことができます。
画面の移動
画面の移動関連の操作ですが、画面移動そのものを行う場合、
Ctrl + ← or ↑ or → or ↓
を入力すると、矢印の方向に画面がスライドします。画面を回転させたい場合には
Shift + ← or ↑ or → or ↓
と入力することで、矢印の方向に回転させ、角度を変更できます。ズームインは
Shift + Page Up
で、ズームアウトは
Shift + Page Down
の入力で可能です。
データの操作
データ操作を実行する場合のコマンドで、覚えておくべきはデータの全更新が行える
Ctrl + U
は便利なので必須となるでしょう。また選択セットを選ぶ場合には
Ctrl + G
を入力し、選択部分のプロパティ表示は
Alt + Enter
で行えます。
まとめ
この記事では、CATIA V5を利用するにあたって覚えておくと便利なコマンド操作について、解説しました。CATIA V5を使いこなすためには、基本操作を覚え、そこから発展機能を学習していくのがベターです。
基本操作でわからないことあった際には、こまめにヘルプページなどを確認しながらスキルアップを図りましょう。
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参考:
*1 FASOTEC「CATIA V5」
https://www.fasotec.co.jp/product/catia-v5/