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Google Tensor G3とはどんなチップ?Pixel 8搭載の最新技術を解説

Googleはソフトウェア会社としてのイメージが強い一方、近年はGoogle Pixelシリーズのようなスマートフォン開発にも力を入れるなど、ハードウェア市場における存在感も大きくなっています。

そんなGoogleが新たに発表した自社謹製のチップであるGoogle Tensor G3は、従来のチップよりもはるかに優れた機能性が注目を集めており、それが搭載されるという次期Pixelについても期待されています。

この記事では、そんな最新のGoogle Tensor G3について、具体的な性能や従来モデルとの違い、そして同チップが搭載されるという次期モデルのPixel 8の注目ポイントを解説します。

目次:

  1. Google Tensorとは
  2. Google Tensor G3の概要
  3. Google Tensor G3が解消するPixelシリーズの課題
  4. Pixel 8はどのようなスマホになる?注目のポイント

Google Tensorとは

Google Tensorは、2021年に登場したGoogleが独自に開発・実装しているモバイルデバイス向けの集積チップです。Androidスマートフォン向けに開発したオリジナルプロセッサであり、初めて搭載されたのは2021年に発売されたGoogle Pixel 6シリーズでした*1。

Google Tensorが強みとしているのは、従来の既製品のチップよりはるかに高性能な処理能力です。CPUは8個、GPUは20コアにものぼるなど、従来のスマホ向けチップよりもパワフルな性能を発揮します。

また、Google TensorはAI運用に向けて優れた機械学習能力を備えている点も強みです。カメラや翻訳、音声入力など、スマホのあらゆる機能にAIを実装し、それをフル活用できる性能を、Google Tensorは備えています。

Pixel 6シリーズ以降、Google Tensorは同スマホの標準チップとして定着しています。次期モデルのPixel 7シリーズには後継チップであるGoogle Tensor G2が、そして2023年の後半に発表されると言われているPixel 8シリーズにはGoogle Tensor G3が搭載される予定です。

Google Tensor G3の概要

2023年8月現在、Google Tensor G3はまだ一般への提供が行われておらず、具体的な使用感などについてはわかっていません。ただ、スペックについてはすでに報道が流れており、詳細が少しずつ明らかになってきました。

Google Tensor G3は報道によると

  • 新世代CPUの導入
  • GPUコアの刷新
  • 最新ストレージ規格の採用

といった機能改善が行われるだろうとされています*2。CPUのコア構成は変更が行われ、これまでの「2+2+4」というレイアウトから「1+4+4(超高性能コア/高性能コア/高効率コア)というレイアウトに変更となり、全てのコアが2022年以降に発表した最新モデルが実装されるということです。

GPUコアについては最新モデル導入によるレイトレーシング対応が行われ、性能の向上とともに効率的な電力消費が実現するとされています。ストレージ規格は最新のUFS4.0に対応し、従来の倍の速度での処理を可能にしたり、バッテリー効率が改善したりといった変化が期待されます。

Google Tensor G3が解消するPixelシリーズの課題

Google Tensor G3は、具体的に従来のGoogle Tensor G2と比べてどのような違いがあるのでしょうか。

CPUやGPUの進化により、飛躍的に処理速度が向上するのはもちろんですが、注目したいのは従来のPixelシリーズが抱えていた課題の解決能力です。

発熱の抑制

これまでのGoogle Pixelシリーズが抱えていた問題として、発熱の問題が挙げられます。高度なCPUやGPUを備えている一方、従来のモデルはすぐに発熱してしまう傾向が強く、AIを使った負荷の大きな処理が発生するゲームやカメラの使用は本体が熱くなってしまい、ユーザーに不快感を与える点が指摘されてきました。

しかし最新チップであるGoogle Tensor G3を備えたPixel 8シリーズにおいては、処理能力の向上による発熱の抑制にも期待が集まります。

スマートフォンはいずれも直接手で持って使うことを想定しているため、PCのようにただパワーのあるチップを導入すれば良いということではありません。これまでもユーザーから発熱の問題を指摘されてきた以上、熱問題を気にすることなく使えるモデルに仕上がっていることが期待されます。

セキュリティの改善

Google Tensor G3はCPUコアの刷新に伴い、必然的にアーキテクチャのアップデートも行われています。今回実装されるのはArmv9と呼ばれるアーキテクチャで、従来のArmv8から10年ぶりの進化を遂げた、最新のアーキテクチャです。

Armv9を採用できたことにより、Google Tensor G3は必然的にセキュリティの改善も進むと考えられます。メモリベースのサイバー攻撃手法への対抗が可能なMemory Tagging Extensions(MTE)の搭載を予定しているということで、スマホ利用の安全性をさらに高められるでしょう*3。

64ビット対応

Google Tensor G3は、全面的な64ビットモデルになるという点も以前のモデルでは得られなかった変化と言えます。

Google Tensor G2の場合、32ビットアプリのサポートは終了している一方で、コアは32ビット対応で、ライブラリも32ビットという矛盾を抱えていました。これがG3に移行することで全面的に64ビット環境を実現できるため、安心の利用環境が整います。

Pixel 8はどのようなスマホになる?注目のポイント

このように、最新のGoogle Tensor G3に関する一連の情報は大きな期待を寄せられるところですが、実際に同チップが備わるとされるPixel 8シリーズは、どのような製品になると期待されているのでしょうか。

Pixel 8シリーズについての公式発表はまだ行われていないものの、関係者から聞こえてくる注目ポイントをまとめると、

  • ラウンドフォルム
  • 小型ボディとフラットディスプレイ
  • 温度センサー実装
  • カメラ性能の改善

といった点が挙げられます*4。Pixel 8においてはまず角が削られたラウンドフォルムを採用し、従来のカーブ型から誤操作の少ないフラットディスプレイに変更となるとのことです。

また、温度センサーを初めて実装し、体温などを測定できる機能も備わるとされています。カメラの性能も改善が行われ、センサーの改善により、質の高い写真撮影が実現するでしょう。

まとめ

この記事では、Google Tensorの概要や、その最新モデルであるGoogle Tensor G3について解説しました。チップ性能の大幅な向上が期待できるGoogle Tensor G3は、最新のPixlel 8シリーズへ実装されるとされており、そのパフォーマンス改善能力に注目が集まります。

まだ十分な公式発表がないため、具体的な詳細については把握できない点もありますが、いずれにせよ大幅なグレードアップが行われると考えて間違い無いでしょう。

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参考:

*1 Android「Google Tensor とは?性能や魅力をわかりやすく解説」

https://www.android.com/intl/ja_jp/articles/125/

*2 Gadget Gate「Googleの次期「Tensor G3」チップ、CPU性能やストレージ速度が大幅向上か」

*3 上に同じ

*4

HelenTech「「Google Pixel 8 Pro」の主要スペックが改めてリーク。いつもどおり10月発売か」

https://www.helentech.net/news-31889/

携帯総合研究所「Pixel 8の噂まとめ:発売はいつ?新機能・デザインなど」

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