Duet AI for Google Cloudとは?生成AIで利便性向上
ChatGPTやGoogle Bardなど、生成AIがビジネスに非常に大きな影響を与えています。
Duet AIは、Google Workspace向けの生成AIです。
Duet AIのプレビュー版が、GoogleのコンピューティングサービスであるGoogle Cloudに導入されたことにより、Google Workspaceの利用者は、AIを活用してさらに便利にサービスが利用できるようになりました。
この記事ではDuet AI for Google Cloudとはどのようなものかを詳しく解説します。
Duet AIとは生成AIのひとつ
従来、AIを利用する場合には専門知識が必須でした。
しかし、GoogleのDuet AIやMicrosoft 365 Copilot X、Amazon CodeWhispererなどの生成AIが進化したことで、AIがより簡単に利用できるようになったのです。
生成AIとは、人間が通常話す言葉(自然言語)の処理と機械学習の技術を活用して、新しいデータやコンテンツを生成するAIの一分野です。
これにより、複雑なプログラムや数学的な知識がなくても、クリエイティブな開発ができます。
Duet AIは、Googleのサービスやアプリケーションに搭載されている生成AI機能です。
Duet AIはさまざまなサービスに統合されていますが、大きくは一般ユーザ向けと開発者向けとの2つに分けられます。
- Duet AI in Google Workspace:一般ユーザー向け
- Duet AI in Google Cloud:開発者向け
Duet AI in Google Workspaceとは
Duet AI in Google Workspaceとは、Google Workspace上で駆動する生成AIです。(*1)
現在プレビュー版が提供されていて、Google Workspaceの大企業ユーザーは、無料でトライアルが可能です。
Google Workspaceの各アプリケーションに生成AIが組み込まれるため、利用者の作業利便性が高まります。
一例として以下のようなものがあります。
- Googleドキュメント:提案書や報告書などの文章作成サポート
- Googleスライド:作業者の文章指示に基づいたオリジナル画像作成
- Googleスプレッドシート:データ分類提案、タスクやプロジェクトの自動生成
- Google Meet:会議の要約、バーチャル背景生成
Duet AIは日本でも利用できるものの、現在対応している言語は英語のみで、利用料金は1人あたり月額30ドル(約4,400円)です。
なお、Duet AI in Google Workspaceは、Microsoft 365 Copilotの競合とも言われています。
Microsoft 365 Copilotの利用料金も同じく1人あたり月額30ドルのため、激しく競い合っているサービスと言えます。
一般ユーザー向けのサービス提供開始時期や料金は未定ですが、いずれ身近な技術となることが考えられます。
今後は、生成AIの活用により、仕事の進め方が大きく変わることが期待されているのです。
Duet AI in Google Cloudとは
Duet AI in Google Cloudとは、Google Cloud上で駆動する生成AIです。(*2)
現在はプレビュー版で、年末には一般公開される予定です。
日本語対応時期については発表されていません。
ここでは、Duet AI in Google Cloudの概要や使い方、できることを紹介します。
Google Cloudの概要
まず、Duet AI in Google Cloudが搭載されるGoogle Cloudについて簡単に見ていきましょう。
Google Cloudとは、Googleが提供しているクラウドコンピューティングサービスで、AmazonのAWS(Amazon Web Services)やMicrosoftのMicrosoft Azureと比較されるものです。
Google Cloudには以下のような機能があります。
- ストレージ:Cloud Storage、Cloud Bigtable
- ビッグデータ分析:Google BigQuery、Cloud Dataflow
- 機械学習:TensorFlow、Cloud AutoML
- コンピュータを用いた情報処理全般:App Engine、Compute Engine
Duet AI for Google Cloudの使い方
Google Cloudの利用が想定されるのは、以下のようなユーザーです。
- アプリケーションの開発者
- データエンジニア
- データサイエンティスト
- オペレーター
- サイバーセキュリティ専門家
Duet AI for Google Cloudを利用する場合には、プロフィールや利用目的、ユースケースを登録してプレビュープログラムに参加する必要があります。
Duet AI for Google Cloudができること
Duet AI for Google Cloudは、一般的な生成AIと同様に、以下のような開発サポートが可能です。
- 開発者向けのコードの提案
- プロンプトベースのコード生成、データ分析などのコーディング支援
加えて、Duet AI for Google Cloudは、Google Cloudに特化した特徴があります。
以下の例のように、Googleの関連サービスを開発する際の負荷が軽くなるように学習が行われているのです。
Google Cloud Monitoring
Google Cloudには、対応アプリのパフォーマンスや稼働時間などを監視するGoogle Cloud Monitoringというサービスがあります。
Duet AI for Google Cloudとは、このGoogle Cloud Monitoringで用いるやや特殊なクエリ言語であるPromQLについても自然言語で生成が可能です。
Logs Explorer
Google Cloudコンソール上でログデータの取得、表示、分析を行うLogs Explorerについても、自然言語で問題の切り分けが支援可能です。
Duet AI for Google Cloudの新機能
Duet AI for Google Cloudの新機能として、以下などがあります。(*3)
コード開発支援
ユーザーが入力したコードに応じて、リアルタイムにコードの推奨事項が表示されます。
また、コード内の脆弱性とエラーを特定し、修正の提案を行います。
Go、Java、JavaScript、Python、SQLなど20種類を超える言語に対応しています。
チャットアシスタント
Duet AI for Google Cloudを利用していると、統合開発環境(IDE)やCloud Consoleなどでチャットアシスタント機能が使えます。
チャットアシスタントに質問を投げると、Duet AI for Google Cloudが分析を行い、即時に回答が得られます。
特定のクラウドサービスや機能、使用方法などのガイドにすぐ返答します。
リアルタイムのガイダンスやクラウドプロジェクトの詳細な実装計画、アーキテクチャ、コーディングの最適解の提供も可能なので、似たような事例を調べる時間が削減できます。
Google Workspaceにワークフローを構築
Duet AIは、ノーコード開発プラットフォームのAppSheetにも適用されています。
Duet AI for AppSheetを使用すると、コーディングを行わずに自然言語だけでGoogle Workspaceにワークフローが構築できます。
つまり、チャットで自分がやりたいことを説明するだけでアプリが構築できるのです。
まとめ
Googleが提供する生成AIのDuet AIとは、Google WorkspaceやGoogle Cloud上で利用可能です。Duet AI for Google Cloudを用いると、コード生成やデータ分析支援などができGoogle関連サービス開発の負荷軽減が図れます。今後の展開が期待される新技術として、ぜひ注目しておきましょう。
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参考URL
*1 https://workspace.google.com/blog/ja/product-announcements/duet-ai
*2 https://cloud.google.com/duet-ai
*3 https://cloud.google.com/blog/products/application-modernization/introducing-duet-ai-for-google-cloud?hl=en