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Metaが新発表した「ButterScotch Varifocal」と「Flamera」とは?VR/MRの今後について

VR分野でも研究を進めているMetaは、2023年に新しいVRヘッドセットに関する新技術を取り入れたプロトタイプとして、ButterScotch VarifocalとFlameraという2つを発表しました。

Metaは現行で「Meta Quest2」というヘッドセットを発売していますが、さらに技術が進化するようです。

この記事では、Metaが発表したプロトタイプ「ButterScotch Varifocal」と「Flamera」について、具体的な特徴やVR業界の展望についてご紹介します。VRヘッドセットに興味をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事を読むと、以下の3つのことが分かります。

1.Metaが発表したVRのプロトタイプ「ButterScotch Varifocal」と「Flamera」について
2.VRヘッドセットのメリット
3.VR業界の今後の展望について

Metaのヘッドセット「ButterScotch Varifocal」と新技術「Flamera」とは

2023年8月、MetaはVR/MRの新プロトタイプとしてButterScotch VarifocalとFlameraを発表しました。(※1)まずは特徴や具体的な機能についてご紹介します。

ButterScotch Varifocalは「Quest」に次ぐVRヘッドセット

ButterScotch Varifocalは、Metaが2015年から研究しているバリフォーカル(Varifocal)技術と、人の目に近い高解像度を持つVRディスプレイのButterScotch技術と組み合わせたものです。

現在市場に出回っているヘッドセットは、VR空間内の焦点を合わせる技術が十分とはいえず、肉眼で見る映像レベルには到達していません。

具体的には焦点のズレなどによって、見る人は「なんだか現実の見え方と違う」と感じます。この違和感は大きく、リアルだけれど現実のものとは違う映像に脳が混乱して、めまいや吐き気、不快感などの“VR酔い”を起こしてしまう方もいるほどです。

MetaのButterScotch Varifocalは、可変焦点技術と網膜解像度ディスプレイによってよりリアルなビジュアルを追求している点が特徴です。

Metaの可変焦点技術は「Harf Dome」というもので、VR内で物に目を近づけた時に自動で焦点を調節できます。これにより物がぼやけず、対象物をよりクリアに映し出せるのです。(※2)

可変焦点機能とはアイトラッキング機能という視線追跡技術によって、VR内の目がどこ・何を見ているのか検知できます。

そして、検知結果によってヘッドセットが自動でディスプレイを前後に調節することで焦点距離を合わせてくれるのです。そのため近い距離の対象物でも、より高い解像度でみることができます。

Metaが追求した網膜解像度ディスプレイもかなりの高解像度です。

Metaは視野1度について人の目で見るレベルと60PPDを基準としており、現行のヘッドセット「Meta Quest 2」は20PPDですが、ButterScotch Varifocalは55PPDを実現しており、そのクオリティは期待大です。(※3)

Flameraはより肉眼に近いパススルーを生み出す技術

Metaが発表したもう1つのプロトタイプ「Flamera」は、現行のヘッドセットにも搭載されている技術です。パススルー機能を高めている点が特徴で、歪みの少ない高品質な映像の実現に挑戦しています。

Flameraはヘッドセットの前面に大量のカメラを取り付け、ライトフィールドカメラにしています。そしてセンサーとの間に「絞り」となる層を加えることで、パススルー機能を高めました。

VRでいうパススルー機能とは、ヘッドセット越しに見る現実世界のことです。Flameraによってパススルー技術が高まれば、ヘッドセットを装着したまま、ヘッドセット内で現実とVRの映像の世界を自由に行き来できます。

ButterScotch VarifocalとFlameraの課題

人の目レベルの高解像度で期待が高まるMetaの新ヘッドセットですが、まだまだ課題もあります。

まず視野角については、現行のMeta Quest 2の半分程度まで落ちます。これは高解像度にフォーカスしたためです。

Metaが注力した網膜解像度を満たすためには、市場に流通している液晶ディスプレイだとどうしても視野が狭くなります。あくまで研究段階ですが、この点は今度の課題となっています。

また可変焦点ディスプレイの導入により、本体サイズはMeta Quest2よりも大きくなります。つまり視野角が半分になり、さらにヘッドセット本体サイズは大きくなるということです。

頭に着用して使う前提のヘッドセットですから、サイズが大きくなることについてユーザーから多少の不満は出てくるでしょう。

上記の課題もあり、研究段階のButterScotch VarifocalやFlameraの技術について、すべての機能や技術がヘッドセットに搭載されるとは限りません。販売価格や全体の機能、パワーなどのバランスによって、技術が省かれる可能性も高いのです。

VRヘッドセットのメリット

ガジェット好きな方やVR分野に興味が強い方、ゲームが好きな方はヘッドセットを持っているかもしれませんが、一般的にはまだまだ多く出回っている状況ではありません。

VRヘッドセットの最大のメリットといえば、その没入感です。360°VR空間に入り込んだようなあの感覚はモニターで再現できず、ヘッドセットが欠かせません。

VRヘッドセットには、本体のみでVRを体験できる「スタンドアローン型」、PCやゲーム機とつなげて使う「PC・ゲーム機据え置き型」、紙や段ボールでできた本体にスマホを差し込む「スマートフォン差し込み型」の3つがあり、特徴は様々です。

現在Metaから発売されているVRヘッドセット「Meta Quest 2」は、スタンドアローン型です。ButterScotch VarifocalやFlameraを搭載して開発中の最新モデルも、発売となるとスタンドアローン型で登場するでしょう。

外部機器を必要としないスタンドアローン型は、本体さえあればVRをすぐに体験できます。持ち運びやセッティングも手軽で、ケーブルレスなので、ヘッドセットを装着したまま動き回ることができ、よりアクティブにVRを楽しむことができます。

VR/MRの今後はどうなる?

現在Metaから発売されている「Meta Quest 2」は、VRヘッドセット市場においてトップに君臨しています。VR機器のシェアの半数以上を占めるともいわれており、その人気はダントツです。(※4)

VR/MRを活用する業界は増えており、今後は個人・法人両方でVR技術の需要が高まるのではないでしょうか。

Metaの現行ヘッドセットは買い控えがあった

VRヘッドセットのシェアを半分も占めるMetaの「Quest 2」ですが、実は販売途中で値上げしたこともあり「買い控え」が指摘されています。(※5)

2023年3月にはMetaが公式で再値下げを発表しており、現在の価格は256GBで64,405円(税込)です。(※6)

そもそもMetaのヘッドセットはハイエンドラインで、だれでも簡単に手が出る値段ではありません。しかし国内におけるVRの需要は個人・法人両方で強まっており、今後も伸びる可能性大です。

AR/VRヘッドセット市場は少しずつ伸びている

IDC Japanの調査によると、AR/VRヘッドセットの国内市場について、2022年の出荷台数は34万台でした。(※5)前年比3.3%UPとなっており、じわじわと市場が伸びている状況です。

VRヘッドセットはMetaに限らずソニーなども発売予定が噂されており、これによって今後も需要が伸びるかもしれません。

VRといえばゲームの印象が強いものですが、今では医療・建築といった分野にまで進出しています。

たとえば建築では、BIM/CIMという3Dモデリングを活用したDXが進んでおり、VRも注目されている技術です。VR技術で家にいながら賃貸の内見をしたり、物件完成予想のシミュレーションをしたりできることから、ゼネコンをはじめ多くの企業で導入が進んでいます。

また医療分野では、すでにシミュレーションとしてVR技術が導入されています。空間で3次元を把握できるVR技術によって、手術のシミュレーションやトレーニングをデジタル空間で実現しているのです。

Metaがヘッドセットの新技術として発表した、ButterScotch VarifocalとFlameraについてご紹介しました。まだ研究段階ですが、すでに現行のヘッドセットMeta Quest 2は販売終了が発表されており、新型ヘッドセットがデビューする日も近いかもしれません。

個人・法人両方で活用が進むVRが、どう進化していくのか楽しみですね。


 

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参照サイト:
※1
https://www.meta.com/ja-jp/blog/quest/reality-labs-research-display-systems-siggraph-2023-butterscotch-varifocal-flamera/
※2 https://www.moguravr.com/meta-vr-mr-headset-prototype/
※3 https://chizaizukan.com/news/7scCkTgvuaXHYRbi4vHtDw/
※4 https://www.sbbit.jp/article/cont1/90383
※5 https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2303/16/news041.html
※6 https://about.fb.com/ja/news/2023/03/quest-price-drop-news/

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