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Revitで通り芯が表示されない時はどうする?対処法を解説

BIMソフトとして強力な効果を発揮するRevitは、ツールとしては比較的ハイテクである一方、適切な運用のためには、従来の基本的なノウハウや設計プロセスが役に立ちます。

この記事では、そんなRevtの運用方法において基礎となる通り芯の作成方法や、正しく通り芯が表示されない場合、どのように対処すれば良いのかについて、解説します。

目次:

  1. Revitの通り芯とは
  2. Revitで通り芯を作成する方法
  3. Revitで通り芯の表示・非表示を切り替える方法
  4. Revitで通り芯が表示されない時の改善方法

Revitの通り芯とは

そもそも通り芯とは、建物がどこに建築されるのかを示すために水平方向に描く線のことで、建設設計を行う際の第一歩です。

通り芯がないと、何を基準にして骨組みを組み立てたり、肉付けを行ったりすれば良いかを把握することが難しく、設計ミスなどを招く原因となります。

このような問題を回避するため、通り芯は設計の際に必ず初めに設置しておかなければなりません。この工程はどのような建物を設計する場合でも同様で、シンプルな形状・複雑な形状を問わず通り芯があるかないかでクオリティに大きな差が出てくることがあります。

Revitで通り芯を作成する方法

通り芯はCADやBIMといった技術を問わず、昔から設計図面には必ず施されてきたものです。最新のBIMツールであるRevitにおいても通り芯の役割は健在で、通り芯をひくためのツールがあります。

Revitを使って通り芯をひくには、まず建築タブにある「通り芯」ツールを選びます。通り芯ツールは、平面図・立面図・断面図のいずれのビューでも表示することができるので、ビューを切り替える必要はありません。

通り芯ツールを選択したら、通り芯を入力したい場所に始点と終点を入力することで、通り芯の設定は完了です。基本的に使い方は通常の直線ツールなどと同じですが、通り芯ツールを使って通り芯を描くことで、Revit上では通り芯に必要なさまざまな機能を適用することができます。

通り芯ツールで描いた直線は、例えばナンバリングを表示させることができます。1や2といった数字で通り芯を管理したり、アルファベットで通り芯を管理することも可能です。すでに存在する番号などを新しい通り芯に適用することはできないため、設計図が複雑になっても正しく把握できるでしょう。

また、設計図面に描いた通り芯は、平面図で描いても立面図で描いても通り芯として正しく表示されます。平面図ビューではx軸方向に表示され、立面図ビューではy軸方向に表示されるため、ビューを切り替えることで通り芯が崩れてしまう心配はありません。

もう一つ気をつけておきたいのは、通り芯は名称こそ「芯」となっていますが、実際には「面」情報として定義されています。立面図と平面図で正しく通り芯が表示されるのはこのためで、線分ではない点に注意が必要です。

通り芯をひく時には線分のように始点と終点を決めてシンプルに設置しているものの、Revit上では面情報であることを覚えておくと、通り芯の扱い方を理解する上で役に立ちます。ちなみに、通り芯は3Dビューでは表示されないことも、それが面情報であることの理解を妨げている要因でもあります。

Revitで通り芯の表示・非表示を切り替える方法

Revit上で設置した通り芯は、実際には設計に含まれない情報であるため、意図的に表示・非表示を切り替えることができます。

Revit上で通り芯の表示・非表示を切り替えるには「建築」タブにある「表示/非表示」コマンドを選択することで実行可能です。必要に応じていつでも切り替えができるので、柔軟な通り芯運用が実現します。

通り芯ではなく、通り芯の記号だけを非表示にしたい場合には、まず通り芯を選択します。すると通り芯記号の近くにチェックボックスが表示されるので、それをクリックすると、通り芯記号の表示と非表示を切り替えられます*1。

記号情報が操作の邪魔になっている場合、活用してみましょう。

また、通り芯を描いたRevitファイルを他のソフトで展開する場合、ソフトによっては通り芯の表示・非表示を切り替えられることもあります。

例えばRevitと相性の良いレビューソフトとして知られているNavisworksでは、通り芯の描かれているRevitファイルを読み込むと、Navisworks上でも通り芯が表示されてしまうことがあります。

この場合、Navisworksではリボンにある「ビュー」タブから「グリッドとレベル」パネルを選び「グリッドを表示」をクリックしましょう*2。すると通り芯の表示・非表示を切り替えることができます。

Revitで通り芯が表示されない時の改善方法

Revitを操作していると、思うように通り芯が表示されないということもあるかもしれません。通り芯が表示されない原因にはいくつかの理由が考えられ、一つは通り芯が十分な長さを確保できていない場合です。

通り芯には長さの概念が存在し、設定した階層までしか芯は通っていません。例えば1Fには通り芯が表示されているのに、3F以降は通り芯が表示されないなどの場合は、通り芯の長さ不足が考えられます。

通り芯の長さは終点の位置をずらすだけで簡単に調節できるため、試してみることをおすすめします。

通り芯がいかなるビューにおいても表示されていない場合は、グリッドカテゴリがオフになっている可能性があります。通り芯はグリッドの一種という形式で扱われるため、グリッドカテゴリを操作することで解消が可能です。

グリッド表示を切り替えるには、ビューから「表示/グラフィックス」を選択して「グリッド注釈カテゴリ」をオンにしましょう。ここがオフになっていると、通り芯が表示されません。

また、ビューにてグリッドワークセットがオフになっている場合も、通り芯は非表示となってしまいます。「表示/グラフィックス」から「ワークセット」タブを確認し、オンになっているかどうかを確認しましょう。

あるいは、通り芯はビューの平面と交差していない場合に非表示となってしまうことがあります。グリッドを右クリックの上「3D範囲を最大化」を選び、通り芯が表示されるかどうかを確認してみましょう。

まとめ

この記事では、Revitにおける通り芯の作成方法や、表示・非表示の切り替え方法、そして意図せずして通り芯が表示されない場合の対処法について解説しました。

通り芯は必要に応じて表示と非表示を切り替えられるのがベストですが、表示されない状態を解除できない際の対処法も覚えておくことが大切です。

上記の手順を確認し、トラブルシューティングの方法として頭に入れておくと良いでしょう。

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