BIM 360 Docsとは?Autodesk Docsとの違いや主な機能を解説
BIM 360 Docs(現:Autodesk Docs)とはAutodesk社が提供するワーキングプレイスです。BIM 360 Docsの活用により現場とオフィスをつなぎ、データ管理の効率性を向上できる点が特徴です。2021年にはAutodesk Docsへ名称が変更になりました。では、BIM 360 Docsと現行バージョンのAutodesk Docsにはどのような違いがあるのでしょうか。
本記事ではBIM 360 DocsとAutodesk Docsとの違いを解説します。また、現行バージョンのAutodesk Docsでできることも詳しくみていきましょう。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
1.BIM 360 DocsとAutodesk Docsとの違い
2.Autodesk Docsでできること
BIM 360 DocsとAutodesk Docsの違い
BIM 360 DocsとはAutodesk社が提供する建設業向けのワーキングプレイスです。クラウド型で主に建設業のプロジェクトに関する図面や文書、3Dデータの共有および管理などの機能が搭載されています。2021年2月にはBIM 360 DocsはAutodesk Docsへと名称が変更になりました。
2024年5月時点、Autodesk Docsの購入金額(サブスクリプション)は次のとおりです。(*1)
契約期間 | 金額 |
1ヵ月 | 9,900円 |
1年 | 80,300円 |
3年 | 240,900円 |
大きな違いはライセンスの有無
BIM 360 DocsとAutodesk Docsの機能はほとんど同じであるものの、両者の違いは使用時にライセンスが必要かどうかという点です。BIM 360 Docsでは主催者が参加者にライセンスを受け渡すケースが一般的でした。主催者が参加者のライセンスを用意し、参加者は主催者の招待を受けることで事業に参加できます。そのため、参加者側はライセンス費用の負担はありませんでした。
一方Autodesk Docsの場合、主催者と参加者はそれぞれ個々のライセンスが必要です。参加者がライセンスを所有していない場合、主催者から招待されても参加できません。そのため、Autodesk Docsでは主催者と参加者の関係者全員がライセンスを取得しておく必要があります。
BIM 360 Docs(現:Autodesk Docs)でできること(*2)
BIM 360 Docs(現:Autodesk Docs)はデータを共有できるプラットフォームです。次のような機能を利用し、作業の生産性向上を期待できます。
・自動干渉チェックによる指摘事項の把握
・プロジェクトおよびドキュメントの管理
ここでは、Autodesk Docsでできることを詳しくみていきましょう。
自動干渉チェックによる指摘事項の把握
自動干渉チェック機能により、事業プロジェクトで作成・編集している図面のミスを初期の段階で見つけ出し、モデル品質の向上を図ります。施工準備など初期の段階でミスを発見することで、修正にかかる時間や手間を最小限に抑えられます。加えて、自動干渉チェック機能では次のような操作も可能です。
・関係者全員が作業内容をチェックできる
・クラウドベースで指摘事項を管理し、関係者全員がリアルタイムで問題を把握できる
プロジェクトおよびドキュメントの管理
事業プロジェクトに関係のある現場とオフィスをつなぎ、プロジェクトを順調に進めることが可能です。Autodesk社が提供しているプロジェクト管理ソフトのAutodesk Buildにプロジェクトのスケジュールを取り込むことで、プロジェクトの全ての関係者がスケジュールデータにアクセスできるようになります。例えば、現場がスケジュールの設定や変更を行うと、リアルタイムでオフィスにも伝わり、共同で作業を進めることが可能です。
提出物の簡素化も可能になります。自動提出ログを使用し、プロジェクトに関わる全ての提出物を1つの提出ログで調整・管理できるため、効率的に業務を進められます。加えて、モバイル端末からも次のような操作が可能です。
・提出リクエストの開始
・レビューと承認の管理
・承認済みの提出物のデータへのアクセス
提出物の可視化が向上し、現場からも必要な情報を迅速に探し出せるようになります。
また、プロジェクトに関する議事録の管理が容易になります。議事録における重要な参照へのリンクやミーティング記録の履歴を整理した状態で保存可能です。議事録に記載されている情報にいつでもアクセスできるため、ミーティングをスムーズに進められます。ミーティングの生産性と連携性の向上を図れるでしょう。
追加機能
Autodesk Docsではアップデートにより追加された機能があります。
ここでは、追加機能である転送パッケージとDesktop Connectorの2つの機能の概要をみていきましょう。
転送パッケージ(*3)
転送パッケージとはプロジェクトで使用するファイルを別のプロジェクトメンバーやチームに送信する方法です。転送パッケージでは、次のようなデータとともに送信されます。
・ステータスおよび転送パッケージID
・タイトル
・送信者/受信者
・作成日
・含まれるファイルの数
転送されたパッケージはZIPファイルのダウンロードやXLSXレポートの書き出しが可能です。ダウンロードの場合、サイズとファイル数に制限があります。上限はサイズが最大20GBまで、ファイル数が4,000ファイルまでに設定されています。
Desktop Connector(*4)
Desktop Connectorとは容易にファイル管理を行えるデスクトップサービスです。Autodeskのデータソースをデスクトップフォルダおよびファイル構造に集約します。データソース内に保管されているファイルはコネクタに複製され、コンピューター上のフォルダと同様に管理できる点が特徴です。コネクタで変更作業を行った場合、自動的にデータソースに更新されます。
まとめ
2021年2月にBIM 360 DocsはAutodesk Docsへと名称が変更になりました。Autodesk Docsでは事業プロジェクトに関するあらゆるデータを関係者全員で把握できます。具体的には自動干渉チェック機能により、事業プロジェクトにおける問題点を施工準備段階で発見し、クラウドベースで関係者全員に共有することが可能です。初期段階で問題点の修正を行うことで、時間やコストの削減につながります。
また、プロジェクトやドキュメント管理では現場とオフィス間をつないでくれるため、円滑に作業を進められるようになります。建設業のプロジェクト管理の負担でお悩みの方は、Autodesk Docsの活用を検討してみましょう。
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*1
「Autodesk|Autodesk Docs:AECのドキュメント管理を合理化」
https://www.autodesk.co.jp/products/autodesk-docs/overview?term=1-YEAR&tab=subscription&plc=BM36DP
*2
「Autodesk Docs|建設ドキュメント管理ソフトウェア」
https://construction.autodesk.co.jp/products/autodesk-docs/
*3
「DOCSヘルプ|概要-転送パッケージ」
https://help.autodesk.com/view/DOCS/JPN/?guid=Transmittals
*4
「CONNECT ヘルプ|Desktop Connectorとは」
https://help.autodesk.com/view/CONNECT/JPN/?guid=GUID-78B8E361-3960-490A-8B1F-8DB28DD039E2