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タイトルBim360 document managementとBIM 360 docsの違いとは?

Bim360 document managementは、オートデスクが提供しているドキュメント管理ツールです。設計図や2D図面、3DBIMモデルやその他プロジェクトのドキュメントを管理でき、管理プロセスを合理化できます。

オートデスクではBIM 360 docsというドキュメント管理ツールがありますが、Bim360 document managementとは違うものです。BIM 360 docsは2024年9月にサポート終了が決まっており、別のクラウドサービスとして統合されることが決まっています。

この記事ではBim360 document managementの機能や特徴、さらに混同しやすいBIM 360 docsとの違いについて解説します。オートデスクユーザーやドキュメント管理を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  1. オートデスクが提供するBim360 document managementの主な機能
  2. オートデスクのドキュメント管理システム「BIM 360 docs」との違い
  3. オートデスクユーザーが知っておきたい「クラウドの二面性」について

Bim360 document managementはオートデスクのドキュメント管理ツール

Bim360 document managementはオートデスクのドキュメント管理ツールとして、主に以下の機能を搭載しています。(※1)

・設計図書の管理
2Dプランや3Dモデル、その他のプロジェクトドキュメントを一元管理。2Dドキュメントから個別に抽出する特別なフォルダがあるなど、複雑なドキュメントを分離したり統合したりできる。

・ワークフロー
ドキュメントマネージャー、プロジェクトメンバー、管理者にとって適用できる範囲でベストなワークフローを学習してくれます。

・共同作業者の招待
プロジェクト管理者権限を持っている場合、チームメンバーをプロジェクトに招待できます。

・iPadを使用して現場で作業
現場でもプロジェクトチーム全体が携帯やタブレットを使ってフレキシブルに作業できるよう、iPadにも対応しています。

2021年7月にはBim360 document managementをアップデートしており、BIMがより使いやすくなるよう進化を続けています。

Bim360 document managementとBIM360 docsの主な違い

Bim360 document managementはどちらもオートデスクが提供しているドキュメント管理ツールで、大きな差はないと明言しています。しかし、細かい違いがあるので導入前に知っておいた方が良いでしょう。

機能が似ていても開発ロードマップが異なる

Bim360 document managementとBIM 360 docsは機能が似ていますが、実はオートデスクが考えている開発ロードマップは異なります。そのため今後BIM 360 docsで機能が追加されても、Bim360 document managementで同じように追加される保証はありません。(※2)

Bim360 document managementとBIM 360 docsではライセンスの面で違いがあります。Bim360 document managementは権限があれば、オートデスクライセンスを持っていないメンバーを招待できます。BIM 360 docsもサポートが終了する2024年9月まではメンバーを招待できますが、それ以降はライセンス未取得のユーザーは招待できません。

Bim 360 docsはAutodesk Docsという後継の体制に引き継がれ、「Autodesk Construction Cloud」(ACC)という新しいプラットフォームへ移行される予定です。

ACCという新しい体制になったら、招待される方もオートデスクアカウントを取得しておかなければなりません。これは、オートデスクが考えるBYOS(Bring Your Own Subscription)というライセンスモデルが適用されることが理由です。

BYOSは簡単に言うと「サブスクリプションの持ち込み使用」のことで、自分自身のライセンスを持ちましょうというものです。

名称も機能も大変似ているのでつい一緒と思ってしまうBim360 document managementとBim 360 docsですが、違うものなので注意が必要です。

Bim360 document managementとBim 360 docsの機能面での違いについて、オートデスクの資料(※3)を基に次から解説します。

3Dビューのマークアップ機能

Bim 360 docsで3Dビューのマークアップ機能がありますが、ACCであるBim360 document managementにはまだ実装されていません。なお、2Dビューならどちらもマークアップ機能が利用できます。

またACCであるBim360 document managementには図面と3Dを重ねて表示する機能がありますが、Bim 360 docsには搭載されていません。

モバイル対応の違い

Bim 360 docsは、スマートフォンやタブレット端末で利用できる専用アプリケーションがあります。ACCであるBim360 document managementでは専用アプリケーション自体はありますが、利用するには「Build」という契約が必要です。「Build」とはオートデスクが提供している別の機械モジュールを指します。

設計図フォルダ

Bim 360 docsには「設計図フォルダ」がありますが、ACCであるBim360 document managementにはありません。しかし設計図フォルダと同等の機能については、Buildモジュールの「シート」という機能で利用できます。

ACCであるBim360 document managementには「現場向けフォルダ」という機能があり、モバイル端末でデータファイルを確認するためのフォルダです。しかし、モバイルアプリの利用にはモジュールの1つである「Build」の契約が必要なので、実質利用できません。

フォルダ権限の違い

BIM 360 dosにはフォルダ権限の「アップロードのみ」がありますが、ACCであるBim360 document managementにはアップロードのみの権限はありません。

Bim360 document managementには[作成]または[編集]の権限があり、複数の機能の中にアップロードが含まれています。

指摘事項の権限の違い

ACCであるBim360 document managementの指摘事項には「自分の会社向け」の権限表示があり、同一会社だけで確認できる指摘事項の管理ができます。BIM 360 docsではこの表示権限がありません。

プロジェクトのテンプレート

BIM 360 docsではプロジェクトがテンプレートになりますが、ACCであるBim360 document managementではできません。Bim360 document managementでテンプレートを作成する場合は、専用のプロジェクトの作成が必要です。テンプレートを表示するメニューがあるので、そこからプロジェクト用のテンプレートを作成いただけます。

画面レイアウトの違い

Bim360 document managementとBIM 360 docsでは全体的にUIが若干違います。メニューのレイアウトも少し異なっていますが、機能自体はほぼ同等です。

各モジュール設定では、Bim 360 docsでは「Project Admin」でしたが、Bim360 document managementでは各モジュール内に配置されています。

Bim360 document managementとBIM 360 docsの機能比較

Bim360 document managementとBIM 360 docsの機能比較について、一部抜粋してご紹介します。(※4)

Bim360 document management BIM 360 docs
Autodesk Build / Takeoff
Autodesk Docs / BIM Collaborate / BIM Collaborate Pro
書類やデータファイルの管理
Revit や AutoCAD のデータファイルから図面を自動で取り出す Buildの契約が必要
OCRによるPDFファイルの自動名称取得と属性付与 Buildの契約が必要
閲覧やマークアップ機能
ウェブブラウザとiOS/Androidの利用 Buildの契約が必要
図面や3Dモデルへの書き込み機能(マークアップ) △(3Dのマークアップは未実装)
Insight(プロジェクトの情報表示ページ)
機械学習ツール「Construction IQ」の活用 BIM360 Buildの契約が必要 Autodesk Buildの契約が必要

上記のように、2つのツールでは書類の取りまとめやデータ共有、レポート機能などではほぼ同等の機能がありますが、機能面の細かい点で差異があります。

オートデスクユーザーが知っておきたい「クラウドの二面性」

オートデスクは建設業向けクラウドサービスについて、「AUTO DESK CONSTRUCTION CLOUD」と「AUTODESK BIM 360」の2つを展開しています。(2024年4月時点)

そしてAUTO DESK CONSTRUCTION CLOUD(以下ACC)にBIM 360 dosが含まれており、AUTODESK BIM 360にBim360 document managementが含まれている状態です。オートデスクでは、このクラウドサービスの二面性を知ることでACCとBIM360の2種類の使い方ができると説明しています。(※5)

クラウドサービスの領域は1つなのですが、テナントサイト自体が「AUTO DESK CONSTRUCTION CLOUD」と「AUTODESK BIM 360」の2つに分かれています。アカウント管理者は、プロジェクト作成時にACCかBIM360プロジェクトかを選ばなければなりません。

上記はどちらも同じ建設業向けクラウドサービスなのですが、自社でオートデスクのツールをインストールする際の「テナントサイト」が異なり、機能も細かい点で違いがあります。

オートデスクのドキュメント管理ツールについて、似ているBim360 document managementとBIM 360 docsの違いをご紹介しました。オートデスクのライセンス体制は変わり始めており、似た種類も多いことから戸惑うユーザーも多いのではないでしょうか。

すでにオートデスクのドキュメント管理ツールを使っている人や、これから導入を考えている方の参考になれば幸いです。

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参照サイト

※1  

https://help.autodesk.com/view/BIM360D/JPN/?guid=GUID-1E2C1BF0-A1D6-495D-8044-B0C74050D04D

※2

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/tsarticles/tsarticles/JPN/ts/6wyg10du3kZcf2O9bV9wL3.html 「BIM 360 DocsとAutodesk Docsには違いはありますか?」

※3 https://bim-design.com/file/20211021_ACC.pdf  P.62

※4 https://bim-design.com/file/20211021_ACC.pdf  P.73

※5 https://bim-design.com/file/20211021_ACC.pdf  P.18

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