1. TOP
  2. ブログ
  3. Infipointsとは?実績多数の点群データ活用システムを丸ごと解説

Infipointsとは?実績多数の点群データ活用システムを丸ごと解説

1. はじめに

建築や設備を扱う技術者の方々にとって、3Dレーザースキャナーで取得した点群データをどのように活用するかは大きな関心事ではないでしょうか。特にBIMモデルの強化やCADモデリングの自動化、あるいは現場調査や既存構造物のリニューアルの効率アップなど、業務全般の生産性向上に寄与する可能性が高いと期待されています。

近年では、ドローンや多種多様な計測機器で取得した点群データを一括管理・編集するための点群処理ソフトウェアが数多く登場しています。その中で注目されているのが「InfiPoints」です。このソフトウェアは、点群のデータ合成や寸法計測をはじめ、3Dモデリングから業務で必要となるCAD連携、さらにはVRデバイスでの可視化まで、幅広い機能を備えています。

特にエリジオンが開発したInfiPointsの強みは、膨大な点群データであってもスムーズにビューアーファイルとして扱える点や、テクスチャー付きモデルやメッシュ化にも対応可能なところです。また、専用のプラグインを追加することでクラウドサービスとの連携ができ、遠隔地のチームやクライアントと点群データ共有を行うことも容易になります。

本記事では、建築BIMモデル担当の技術者をはじめとした専門家の方々に向けて、InfiPointsを導入するメリットを具体的に解説します。顕在ニーズである時間とコストの削減や、潜在ニーズである業務のデジタルトランスフォーメーション、さらには期待できる効果としてプロジェクト納期の短縮なども視野に入れながら、どのような工程で役立つのかを紹介していきます。

2. Infipointsの概要と主な機能

InfiPointsは、大容量の点群データを取り扱うために特化した点群処理ソフトウェアです。3Dレーザースキャナーで取得された膨大な点群データを、一元的に取り込み、スムーズなデータ合成やノイズ除去を行うことで、現場の忠実な3Dモデルとして再構築できます。さらに、ソフトウェア内で寸法計測やシミュレーションが行え、CAD連携の機能も充実しているため、多彩な業界適用が期待できます。

株式会社エリジオン「Elysium InfiPoints」

https://infipoints.elysium-global.com/

このソフトウェアの利点は、CADモデリングとBIMモデル構築を支援する自動機能が充実している点にあります。例えば、点群からCADモデルへ簡単に変換するワークフローがサポートされており、点群データをそのまま手作業でモデリングするよりも作業の効率化が狙えます。また、ビューワーファイルへの出力機能やクラウドサービスとの連係機能を使うことで、大人数が同時に点群データ共有しながらデータ編集することも可能です。こうした機能を活用すれば、過去に比べてプロジェクト全体のコストと時間を大幅に削減できます。

InfiPointsでは、操作説明や日本語による保守サポートが整備されています。特に、導入時から使い方を丁寧に学べることで、技術者にかかる教育コストを抑えることができるのは安心材料です。また、「無料トライアル」期間を利用すれば、実際の点群サンプルや自社の現場データを用いて動作検証が行えるため、導入前のリスクを最小限に抑えられます。こうしたトータルサポート体制は、建築・土木や製造業のみならず、文化財保護や研究分野など、多様なシーンでの3Dデータ活用を進めやすくしているのが特徴です。

では、InfiPointsをどのように使えば自動CADモデル化やメッシュ化といった高度な3Dモデリングが行えるのか、そして点群からBIMモデルを素早く生成する仕組みがどういうものなのかについて、ここから詳しく見ていきましょう。

2.1. 3D点群データの基本

3D点群データとは、3次元空間内に大量の座標点を集合体として表現した情報です。これらの点の集まりは、建築物の壁面や構造物の複雑な形状を正確に表し、従来の2D図面だけでは把握しにくかった実際の寸法計測や配置検討を、コンピュータ上で容易に行えるようにします。また、点群技術は既存設備の改修や文化財のデジタルアーカイブなどにも応用され、幅広い分野で活躍しています。

このような点群データは、さまざまな種類の3Dレーザースキャナーや写真測量(フォトグラメトリー)で取得されるため、フォーマットが多岐にわたります。しかしInfiPointsは、数億点までのデータ合成や表示を可能とし、データ編集もストレスなく行えるよう最適化されています。結果として、3D点群データの軽量化やノイズ除去を自動化し、あとから必要なビューアーファイルを作りやすいという利点があります。

さらに、3D点群を扱う上で難しかったのが現地計測時に発生する誤差です。InfiPointsは、自動で位置のずれを補正してくれる機能を備えているため、複数ショットにわたる点群合体が簡単にできます。そのため、建築現場だけでなく、土木やプラント、さらには文化財や製造現場など、業界適用が幅広い点も特徴です。

2.2. 主要機能とその利点

InfiPointsの主要機能は、大きく分けて3Dモデル作成とプロジェクト管理の2つに集約されます。まず、点群データの登録・合成では、複数のスキャナーや異なる計測角度で取得したデータを高速かつ正確に一本化できます。これにより、現場全体の状況を抜け漏れなく捉えた点群をベースにした3Dモデルを容易に生成し、CADモデリングやBIMモデルの作成にもスムーズに移行できます。

次に、各種計測と検討作業への応用です。InfiPoints上では、目的の箇所で寸法計測を行い、最終的にシミュレーション機能も活用できます。したがって、設計の初期段階から干渉箇所の有無や設備配置の検証が可能になり、現場に行く回数を大幅に減らせます。また、ノイズ除去や不要領域の消去といったデータ編集も簡単に行えるため、必要な部位のみを抽出してビューアーファイルやクラウドサービスで共有しやすくなります。

さらに、国内ベンダーならではの丁寧な保守サポートが用意されており、導入後のトラブル回避や操作説明のフォローを受けることができます。実際に使ってみて初めて生じる疑問をエンジニアに直接問い合わせできるのは、導入ハードルを下げる大きなメリットです。こうした実用的かつ充実した機能群によって、BIMモデルへの変換や3Dモデリングを行う建築技術者の手を大いに進めてくれます。

3. Infipointsの機能と技術的特徴

ここでは、InfiPointsを支える技術的な特徴と、それぞれの機能が与える実用的な恩恵について掘り下げます。特に、点群データからCADへの変換やVRデバイス対応、ソニー製ディスプレイへの表示といった機能は、BIMモデルを扱う建築技術者にとって魅力が大きいでしょう。

CAD連携機能では、各種CADフォーマットへの出力が容易に行えるため、既存の作業フローへ負荷をかけることなく、3Dデータ活用を加速させることができます。一方、メッシュ化やテクスチャー付きモデルへの対応では、人や車など不要な点群部分を除去し、実現場を忠実かつ軽量に再現したデータ編集を実現します。これは、ディスプレイのみならずVRデバイスでの視覚化にも直結しており、設計案の検討やクライアントへのプレゼンテーションが格段に効率化します。

また、大規模な点群を合成するにあたっては膨大な演算が必要になりますが、InfiPointsは高い計算効率を有しているため、数億点を超える規模でもストレスなく作業できます。日本国内向けの操作説明資料やチュートリアル動画も豊富に揃っているので、専門のオペレータでなくても比較的短期間で習熟できる点は大きなメリットです。このように、点群データを扱うのに必要な機能を1つのパッケージに集約していることが、InfiPointsの技術的特徴といえます。

3.1. データ合成と寸法計測

InfiPointsのデータ合成機能は、複数の3Dレーザースキャナーで取得した点群をスムーズに重ね合わせる能力に優れています。自動位置合わせ機能によってターゲット(マーカー)を使わなくても、多角的に撮影した点群データを統合することが可能です。これにより、計測漏れによるデータ欠損や位置ズレの問題を最小限に抑え、全体像を正確に再構築します。

合成後、ソフトウェア上の任意の点間距離を瞬時に割り出せる寸法計測機能が活躍します。この機能によって、車両の搬入ルート検討や配管の通りチェックなど、建築や設備の現場で必要な情報を素早く得られます。例えば、BIMモデルを作成する前段階で、干渉の有無を確認して修正を加えることも容易です。そうした作業をInfiPoints上で行うことで、現場に再度出向く手間や追加工事のリスクを減らせるという強みがあります。

また、寸法計測の結果はそのまま図面化したり、踏まえた3Dモデリングへ反映させたりできます。CAD連携を視野に入れれば、InfiPointsで計測・確認した情報を直接設計段階に繋げられますので、二重入力やヒューマンエラーを大幅に減らすことができるでしょう。

3.2. 自動モデリングとCAD連携

InfiPointsが支持を集める大きな理由のひとつに、自動CADモデル化が挙げられます。膨大な点群データから円柱や平面などを自動で抽出し、配管や鋼材などの形状をBIMモデルに変換できるため、手作業によるモデリング工程を大幅に削減できます。建築技術者にとっては、天井裏の配管経路やビルの外壁形状など、従来は取り込みに時間がかかる部分を効率的にデータ化できるメリットが大きいです。

また、RevitやTfas、Rebroといった設備系のCADソフトとの連携を容易に実現できるオプションも用意されており、既存のワークフローを変更することなく運用を開始できます。点群データを根拠としてBIMモデルを構築する場合、二次元図面だけでは不明瞭だった寸法や勾配を確かめる作業がシームレスになり、プロジェクトの精度が高まります。さらに、設計変更が必要になった際も、最新の点群データを反映した3Dモデリングを即座に作成し直せるなど、計画策定や検証プロセスの時間短縮にもつながります。

この自動モデリング技術がうまく利用されると、協力会社との情報交換やクライアントへの進捗報告もスムーズに行えるでしょう。構造物の完成イメージを立体的に示したり、干渉チェック画面を共有したりすることで、プロジェクト全体の理解度が高まり、施工ミスを未然に防ぎやすくなります。

3.3. ノイズ除去とデータ軽量化

3Dレーザースキャナーで取得した点群には、通行人や車両など一時的に写りこんでしまうノイズが必ず存在します。InfiPointsはそのノイズ除去を自動化する機能を標準で備えており、大量の不要点を手動で削除する手間を大幅に減らすことができます。ノイズが解消されることで、実際に必要な要素がより明確に抽出されるだけでなく、データの整合性も高まるため、後続のCADモデリング工程にもしっかり生かせます。

さらに、データ軽量化機能により、必要最低限の点を残して適切に間引く処理を行うこともできます。これにより、数十ギガバイト規模のデータであっても操作が軽快になり、クラウドサービスやビューアーファイルとしての共有においても快適な閲覧体験が維持できます。結果として、離れた事業拠点や発注元のクライアントともストレスなくデータを共有できる点が、InfiPointsを用いたワークフローの強みといえます。

このようにノイズ除去とデータ軽量化がセットになっていることで、BIMモデルや3Dモデリングを行う前段階の作業負荷を下げることができるわけです。その後のシミュレーションや干渉判定においても、クリーンかつ軽量な点群データを扱えるため、精度および動作スピードの両面で大きなメリットを享受できるでしょう。

4. 実際の利用シナリオと事例紹介

ここからは、InfiPointsが実際の現場でどのように役立っているのか、その利用シナリオを事例ごとに紹介します。建設や土木、文化財保護、製造業といった多種多様な分野ですでに多数の採用実績があり、導入によって短期間で効果を得られた事例が増えています。

建築BIMモデル担当技術者の方が知りたいのは、自社の業務フローに本当に適合するかどうか、そしてROIが見合うかどうかでしょう。この点については、各事例で示されている「現地調査の回数削減」「施工プロセスの短縮」「立体的な解析と衝突判定の自動化」などの成果が大いに参考になります。また、保守サポートの充実ぶり・操作説明のわかりやすさがどれほど導入ハードルを下げるかという点も、実例を元に判断できるはずです。

以下では、建築と土木、文化財保護、そして製造の現場でどう活用されているかを、要点を絞って見ていきます。実際に導入した企業の声は、顕在・潜在両面のニーズをどのように満たすのかを理解するのに役立ちます。

4.1. 建築と土木の現場での活用(東洋熱工業株式会社)

東洋熱工業株式会社では、既存の空気調和設備のリニューアル計画を迅速に進めるため、InfiPointsを活用しました。現場で3Dレーザースキャナーを使って点群データを取得し、それをソフトウェアに取り込んだあと、ノイズ除去やデータ合成を行ってからCADモデリングへ展開しています。

この流れにより、以前は何度も現場に足を運んで行っていた寸法計測作業を大幅に削減できました。さらに、BIMモデルの構築スピードが上がったことで、施工手順や部材発注の最適化も可能となり、工期短縮とコストダウンに大きく貢献しました。特に高所の躯体配置確認や配管経路の把握については、点群データを用いたシミュレーション機能が奏功し、安全性と効率性の両面に良い影響を与えています。

こうして東洋熱工業の事例から得られるポイントは、3Dモデリングと寸法計測をInfiPointsに一任し、短時間かつ正確なBIMモデルを生成できる環境が獲得できる点です。結果として施工工程全般のリードタイムが短縮され、クライアントからの信頼度も高まったといわれています。

東洋熱工業が構築した施工図作成フロー。InfiPointsとBIMツールRebroを組み合わせることで、手作業でモデリングする従来の方法に比べ、BIMモデル作成にかかる時間が半減

画像・注釈引用: 株式会社エリジオン「Elysium InfiPoints BIMモデルの作成時間を4分の1に — リニューアル施工の省力化を実現」

https://infipoints.elysium-global.com/case-study/tonets

4.2. 文化財保護と研究のための利用(国立西洋美術館)

文化財の保存・研究分野においても、InfiPointsは活用されています。国立西洋美術館では、3Dレーザースキャナーとフォトグラメトリーを組み合わせて取得したデータを、InfiPointsで合成・編集し、展示物や建築空間を高精度にデジタル化しています。このように、点群データを利用すれば、普段は立ち入りが制限されている場所や脆弱な部分も詳細に記録できるため、文化財を将来にわたって保護する上で重要な役割を担います。

また、最近ではソニー製ディスプレイ(空間再現ディスプレイ)と連携させ、テクスチャー付きモデルを裸眼のまま3D再現できる展示企画にも応用されました。これは、特別なVRデバイスを装着する必要がないうえに、来場者が直感的に文化財の形状や空間レイアウトを理解できる利点があります。さらに、InfiPointsのクラウドサービスとも併用すれば、離れた研究機関や大学とも3Dデータを共有でき、学術研究のスピードが加速します。

この事例からは、InfiPointsを使うことで、文化財の現況を正確かつ広範囲に記録でき、学術目的にも活用範囲が広がることがわかります。すなわち、建設分野だけでなく、歴史的建造物や美術館など多岐にわたるフィールドでの採用が進んでいるのが特徴です。

3Dレーザースキャナーによる西洋美術館本館の計測の様子

画像・注釈引用: 株式会社エリジオン「Elysium InfiPoints ゆびさきでめぐる世界遺産 ― ぐるぐる国立西洋美術館」

https://infipoints.elysium-global.com/case-study/nmwa

4.3. 製造業での応用事例(有限会社新生製作所)

製造業においても、InfiPointsの点群データ活用は大いに役立ちます。有限会社新生製作所では、大型の鉄製品を製造する際、手作業での採寸と図面起こしに時間がかかりすぎるという課題がありました。そこで3Dレーザースキャナーで工場や現場の状況をスキャンし、InfiPointsでノイズ除去と合成処理を行ったうえでCADモデル化を検討する方法を取り入れました。

この手法により、既存構造物に合わせて鉄骨を製作する際の手戻りが大幅に減少し、初回で正確な形状の製品を納品できるケースが増えました。また、複雑な曲面や障害物がある現場でも、点群データを解析して維持管理計画を立案できるようになったのです。結果として、新しい設計案件や挑戦的な仕事に対しても積極的に取り組む意欲が高まり、同社の技術レベル向上と受注拡大につながりました。

このように製造業の現場でも、点群データからCADへスムーズに連携できるInfiPointsが非常に有用であることを示す好例といえます。また、高精度な3Dモデルをベースに事前シミュレーションを行う工程は、作業の安全性向上や作業時間短縮にも寄与しており、今後も応用分野が増えると考えられています。

製作した隔壁を設置した現場

画像・注釈引用: 株式会社エリジオン「Elysium InfiPoints 点群データ活用で可能になった複雑な形状の鉄製品製作」

https://infipoints.elysium-global.com/case-study/shinsei

5. Infipointsの価格

InfiPointsの価格体系は、実際に導入を検討する上で重要な要素です。基本パッケージには、データ合成や寸法計測、ノイズ除去、CAD連携といった標準的な機能が含まれています。オプションとして、RevitやTfasなど特定のCADソフトとのより深い連携を提供する追加モジュールや、VRへの出力に対応する機能、さらにはクラウドサービスとの連携モジュールなどを組み合わせることもできます。

自社の業務フローに最適な構成を選ぶことで、投資対効果が最大化されるのがInfiPoints導入のポイントです。特にBIMモデルを運用する建設業界では、全社的に3Dデータ活用を意識したシステム構築が進む中、複数ライセンスをまとめて導入するケースも多く見受けられます。価格については、2025年以降に改定が予定されており、導入計画を立てる際にはその時期を考慮する必要があるでしょう。

2025年3月21日現在で案内されている標準パッケージの価格としては、本体ライセンス費用と保守費用で数百万円程度が想定されています。標準パッケージでも、点群処理ソフトウェアとして必要な機能――たとえば、点群からCADモデルへの変換や3Dモデリング支援、データ軽量化、ビューアーファイル出力など――が一通り含まれているので、中小規模の現場であればこの構成だけでも十分に生産性向上を実感できる場合が多いようです。

一方で、BIMモデルとしてのクオリティをさらに高めたい建設プロジェクトや、大規模生産において設備情報の細部までモデリングしたい製造業の企業では、RebroやRevit連携オプションを追加し、カスタマイズ性を高めるのが一般的です。これらのオプション費用は別途必要ですが、導入後のProject ROIを見込めるのであれば、業務効率の大幅なアップが期待できるでしょう。

<参考>InfiPoints価格

InfiPoints Rebro Packageライセンス(注1)3,000,000円(税別)
InfiPoints Rebro Package年間保守(注2)600,000円(税別)
InfiPoints Oculusオプション年間使用権(注3)300,000円(税別)
(注1)Rebro自体は含まない。ディスク装置として、20GB以上の空き容量があることとSSDを推奨。グラフィックはOpenGLサポートのグラフィックボード(オンボードではなく専用のグラフィックボード)を推奨。ライセンス形態はフローティング。使用許諾上、拠点をまたぐ使用はできません。
(注2)初年度保守は必須。ソフトのバージョンアップ、電話またはメールでのQ&Aサポート、ライセンスサーバーマシンの有償/無償移設対応を含む。
(注3)導入から1年間有効。バージョンアップ対応、電話またはメールでのQ&Aサポート、ライセンスサーバーマシンの有償/無償移設対応を含む。

表・注記引用: CADJapan.com「InfiPoints 価格」

https://www.cadjapan.com/products/items/infipoints/price.html

エリジオンでは、今後のInfiPointsの機能強化や保守対応の拡充に備えて、2025年4月から価格改定を実施する予定を公表しています。3Dレーザースキャナー技術やデータ合成技術が進む中で、新バージョンでは自動CADモデル化機能の精度向上や、大規模データ編集のさらなる高速化が期待されています。その裏付けとして、開発体制への投資やサポート拡充が予定され、その費用が今回の価格改定に反映される形です。

価格改定後のライセンス費や保守サービス料は、導入時期や契約条件によって変わるため、検討中の企業は早めに問い合わせることをおすすめします。特に大規模プロジェクトや複数ライセンスを導入する場合、既存の価格体系で契約できる期間が限られているため、将来的なコストシミュレーションをしやすい今のうちに、具体的な導入スケジュールと予算を固めるメリットがあります。

6. Infipointsの動作環境

Infipointsの動作環境は、下表の通りです。

<参考>Infipoints動作環境:

項目推奨スペック・要件
CPU対応OSが稼働可能なCPU
メモリ16GB以上
OS– Windows 10 Pro 64-bit- Windows 11 Pro 64-bit
ディスプレイ1280×1024ドット以上表示可能なディスプレイ
ディスク装置20GB以上の空き容量(SSD推奨)
グラフィック– OpenGLをサポートするビデオカード(例:NVIDIA RTX、GeForce)- ※Intel HD Graphicsなど内蔵GPUでは点群表示が不安定になる場合があります
注意事項– リモートデスクトップ接続時はOpenGLが無効になることがあります- VR機器の動作要件は各製品のWebサイトを参照- InfiPoints本体と同じマシンで使用する場合は、NVIDIA GTX 1060以上を推奨

表引用: 株式会社エリジオン「製品構成・仕様」 

https://infipoints.elysium-global.com/configuration

InfiPointsは、WindowsをメインとしたPC環境での稼働を想定しています。特にGPUによる高速描画を必要とするため、OpenGL対応の専用グラフィックカードを搭載することが推奨されています。3Dレーザースキャナーで取得した点群データのボリュームによっては、メモリ容量やSSDストレージの性能がシステム負荷を左右するため、スペックに余裕を持ったマシンを準備するのが望ましいです。

推奨環境としては、16GB以上のメモリ、SSD搭載、そしてNVIDIA GeForceやNVIDIA RTXクラスのGPUを想定しています。OSはWindows 10やWindows 11の64ビットでの運用が安定しており、リモートデスクトップでの操作はOpenGLが無効になる場合があるなど、いくつかの注意点もドキュメントとしてまとめられています。

また、空間再現ディスプレイやVRデバイスなど、高度な表示技術を活用する際には、より高性能なグラフィックカードと十分な処理能力を備えたCPUが必須となります。特に、複数の業務担当者が同時にInfiPointsを扱う現場では、並列作業を見越したネットワーク帯域やストレージサーバーの性能も検討するべき要素です。

7. 導入から実践までのステップ

InfiPointsをスムーズに導入し、3Dレーザースキャナーや点群データの本格的な活用を進めるためには、計画的なステップを踏むことが重要です。まず初めに、部門間や協力会社との目標共有を行い、点群技術を活用して何を解決したいのかを明確にすることが不可欠です。BIMモデルの構築や施工シミュレーション、あるいは文化財保護など、使い道がはっきりしていればシステム導入の判断も容易になります。

続いて、適切なハードウェアの選定に移ります。動作環境の要件を満たすPCやネットワークインフラを準備し、3Dレーザースキャナーを複数台用意する場合は、InfiPointsでスムーズにデータ合成できるよう計測の運用ルールを決めておくと良いでしょう。初期段階からチーム全体に基本的な操作説明を行い、ノイズ除去や寸法計測など、業務で多用される機能を共有しておくことがスムーズな運用につながります。

導入後は、社内のプロジェクトで実際に点群サンプルや、現場から取り込んだテクスチャー付きモデルなどを用いて試験運用し、問題点を洗い出すのがおすすめです。慣れてきた段階で本格稼働に移行し、CAD連携やVRデバイスへの表示、クラウドサービスでの点群データ共有など、より高度な機能を少しずつ取り入れていくと、社内の混乱も最小限に抑えられるでしょう。

7.1. 無料トライアルとデモ

InfiPointsの導入を検討する際は、まず「無料トライアル」を活用するのがおすすめです。これは正式版と同じ機能を一定期間試せるため、自社の業務フローに合った活用方法を実機で確認できます。また、エリジオンによるサンプルデータや資料が豊富に用意されており、操作説明をオンラインでも受けられます。

例えば、建築BIMモデル担当者であれば、過去の改修工事で取得していた点群があれば、それを使って実際にどの程度スピーディに3Dモデリングや干渉チェックが行えるかをチェックすると良いでしょう。あるいは、ほかのプロジェクトで使う予定のデータをデモ版に取り込み、CADモデリングを短時間で仕上げられるか試してみるのも有用です。

無料トライアル期間中に実功用を実感できれば、部門内や経営層を説得する根拠としても説得力が増します。ワークフロー上の疑問や運用の最適化については、ユーザーサポートを活用すれば解決しやすく、本番導入後のトラブルを未然に防ぐことが可能です。こうしたトライアル・デモ体験を通じてInfiPointsのメリットを実感し、導入へ踏み切る企業が近年増えています。

8. まとめ

InfiPointsは、点群データを扱うあらゆるステージで活用できる点群処理ソフトウェアです。複数の3Dレーザースキャナーから取得したデータ合成やノイズ除去、寸法計測を自動化すると同時に、CADモデリングやBIMモデルの構築を効率化し、最終的にはVRデバイスやクラウドサービスへも展開可能な拡張性を備えています。リニューアル工事や設備管理、文化財保護など、業界適用の幅広さは既に数多くの事例実績に裏打ちされており、導入による効果を短期間で実感できるケースが多いのも大きな特徴です。

顕在ニーズとしての時間短縮、コスト削減はもちろんのこと、潜在ニーズである技術者の作業負担軽減やDX推進など、InfiPointsが提供する価値は多方面に及びます。データ編集やビューアーファイル出力も簡易化されるため、設計段階のシミュレーションや干渉判定、事後の変更管理までをトータルにサポートできる点が注目されています。特に、新技術への適応意欲が高い建築BIMモデル担当技術者にとって、InfiPointsを活用することは、大幅なワークフロー変革への一歩となるでしょう。

2025年4月以降は価格改定が予定されており、より先進的な機能強化も期待されますが、導入を検討する際は無料トライアルやデモを活用することが有益です。付随する保守サポートや操作説明も充実しているため、社内でのスムーズな立ち上げが見込めます。3Dデータ活用の利点をフルに生かし、プロジェクトを効率よく進めたい皆さまにとって、InfiPointsは信頼できるパートナーと言えるのではないでしょうか。

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX

<参考情報>

株式会社エリジオン「Elysium InfiPoints」

https://infipoints.elysium-global.com/

株式会社エリジオン「Elysium InfiPoints BIMモデルの作成時間を4分の1に — リニューアル施工の省力化を実現」

https://infipoints.elysium-global.com/case-study/tonets

株式会社エリジオン「Elysium InfiPoints 点群データ活用で可能になった複雑な形状の鉄製品製作」

https://infipoints.elysium-global.com/case-study/shinsei

株式会社エリジオン「Elysium InfiPoints ゆびさきでめぐる世界遺産 ― ぐるぐる国立西洋美術館」

https://infipoints.elysium-global.com/case-study/nmwa

株式会社エリジオン「製品構成・仕様」 

https://infipoints.elysium-global.com/configuration

CADJapan.com「InfiPoints 価格」

https://www.cadjapan.com/products/items/infipoints/price.html

*2 上に同じ

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP