Rebroで図枠を上手に使う方法まとめ!基本操作を解説
国産BIM/CADソフトとして高い人気を誇るRebroは、プロフェッショナルの現場でも使用されているほど高度な運用にも対応している製品です。
そして、プロレベルの現場でRebroを使いこなす上では、製品の基本的な使い方への理解も必要になります。この記事では、そんなRebroを使って図枠機能をうまく使用する方法について、解説します。
目次:
- 図枠とは
- Rebroで図枠を作成する方法
- 図枠を登録・読み込む方法
- 図枠の編集・保存方法
- 図枠への文字入力方法
- 図枠化コマンドの使い方
図枠(図面枠)とは
そもそも図枠とは、製図作業において使用する図面の枠のことを指します。必要に応じて複数のサイズが図枠には存在しており、それらを使い分けることで適切なサイズの製図を行うことが可能です。
また、図枠にはある程度規定されたフォーマットも存在します。具体的な様式は組織によって異なりますが、基本的には図面を描くためのスペースが大部分を占め、右下あたりに表題欄が設けられているというものです。
表題欄には、そのプロジェクトで使用する部品名や材料名などの情報を書き込みます。情報の記載方法も図面を扱う組織や目的に応じて変わってくるため、採用しているフォーマットを確認することが重要です。
品名や品数、材質や尺度など、プロジェクトの遂行に必要な情報をここに記入した上で、初めて設計図としての役割を果たすことができます。
Rebroで図枠を作成する方法
Rebroは設備設計に強いBIM/CADソフトとして知られていますが、その際に必要な図枠の作成機能ももちろん実装しています。
ペーパー空間とモデル空間
Rebroで図枠を作成するにあたり、知っておきたいのがペーパー空間とモデル空間の違いです。
Rebroを使って作図を実施する際、二次元図面を描くためのペーパー空間と、三次元空間を司るモデル空間を使い分けて操作を行います。図枠の作成は二次元の図面に対して実施するため、作業で使用するのはペーパー空間です。
一方のモデル空間では、ビューの縮尺を変更したり、モデル要素を編集したりなどの立体的な作業を実施する上で役立ちます。
ペーパー空間とモデル空間は、いつでもRebro上で切り替えることが可能です。なおモデル空間ではビューの縮尺変更ができる一方、ペーパー空間ではできません。ペーパー空間は、常に1:1の尺度で二次元画面を操作することになるのは覚えておきましょう。
ペーパーモードの立ち上げと図枠の作成
ここでは、ペーパーモードを立ち上げる方法から作成方法を解説します。
Rebroで図枠を作成するには、まず[ペーパー]をクリックして[ペーパー]モードを立ち上げます。
実のところ、Rebroでは新たに用紙を作成すると初めから図面の枠そのものは書き込まれているため、手動で枠を作成する必要はありません。書き込む必要があるのは表題欄なので、
これを作成してやるだけで図枠は完了です。
表題欄を作成するには、[図形]タブを使用します*1。ここに線や文字などの2D図形が揃っているので、表題欄に必要なものを選んで組み立てれば、図枠は完成です。
用紙サイズを変更するには
図枠を作成したは良いものの、用紙の大きさが間違っていた、あるいは別のサイズでの図面が必要になったという場合は、用紙サイズを変更することで対応可能です。
用紙サイズの変更は、[レイアウト]タブから[用紙サイズ]を選びます。するとプロパティから変更したいサイズを指定することができるので、これを選び、OKをクリックすればサイズ変更は完了です。
用紙サイズの変更に合わせ、図枠要素も縮尺が自動で調整されるため、手動で切り替える必要がないのは便利なポイントと言えます。
図枠を登録・読み込む方法
作成した図枠は、Rebro上に登録しておくことができます。図枠の登録によって、ペーパー上に作成した図形や文字を図枠情報としてテンプレート化し、いつでも呼び出すことが可能です。
図枠の登録について
図枠の登録は、まず[ホーム]タブを開いて[登録]をクリックします。すると[図枠の登録]ダイアログが起動するので、必要事項の入力を進めましょう。
図枠を登録するには、登録する図枠の名前を入力する必要があります。用紙サイズは現在展開している用紙のサイズで表示されますが、[レイアウト]タブからサイズを変更することも可能です。
用紙サイズが確定したら、[登録対象]を決めます。図枠の登録は「現在のレイアウトにあるレイヤーのペーパー要素を図枠として登録します。」を選ぶことで実行できます*2。
図枠に文字を含んでいる場合は、[文字の置き換え]をクリックしてダイアログを表示します。図枠レイヤーにある文字がダイアログの[文字]欄に表示されることを確認しましょう。
[文字]欄の文字を書き換えたい場合、隣にある[タイトル]欄に置き換える文字を入力することで、図枠登録時にそちらの情報が表示されるようになります。
文字の登録が完了したら、最後にOKをクリックして図枠の登録は完了です。
図枠の読み込みについて
登録した図枠を読み込む場合は、[ホーム]タブから[図枠]をクリックします。すると「図枠集に登録された図枠を読み込む」という項目を選べるので、ここから呼び出したい図枠を選びましょう。
続いて[反映するレイアウト]から図枠として読み込みたいレイアウトにチェックマークを入れます。最後に[反映するレイヤー]を確認し、誤って選択されているペーパー要素がないかを確認できたら、OKをクリックして図枠の読み込みは完了です。
登録した図枠を削除する方法
登録した図枠を削除したい場合は、[ホーム]タブから[図枠]をクリックし「図枠集に登録された図枠を読み込む」を選びます。
続いて[編集]をクリックし、削除したい図枠を選択して[削除]をクリックすれば、削除手続きは完了です。
図枠化コマンドの使い方
Rebroで図枠を扱う際、もう一つ覚えておきたい機能として「図枠化」コマンドが挙げられます。図枠化コマンドは、他のCADソフトで作成された図枠をRebro上で使用したり、モデル空間で作図した図形や文字を図枠として使用したりする際に活躍します。
図枠化コマンドによって、これらの要素をペーパー要素に変換し、図枠として運用できるようになるからです。
図枠化コマンドを使用するには、まず[ホーム]タブから[図枠化]を選びます。変換したいレイヤーを選択して、必要な要素を全て指定できたらコンテキストメニューより[確定]を選び、変換は完了です。
まとめ
この記事では、Rebro運用には欠かせない図枠機能について紹介しました。図枠は図面作成の基礎となる要素であるため、正しくいつでも生成できるように備えておくことが重要です。
今回紹介した機能の使い方を理解し、製図作業の効率化に活かしましょう。
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出典:
*1 NYKシステムズ「テクニカルガイド 図枠」
https://www.nyk-systems.co.jp/dl/tecguide_frame_2020SP1_1.pdf p.1
*2 上に同じ p.6