1. TOP
  2. ブログ
  3. 画像生成AIでプロダクトデザイン、建築設計を効率化

画像生成AIでプロダクトデザイン、建築設計を効率化

昨今、急激に普及している画像生成AI。今や多くのツールがあり、多くのユーザーがいます。生成AIは、個人でイラスト生成を楽しむとイメージしがちですが、実はそれだけではありません。

今やさまざまな企業が画像生成AIの技術を取り入れ、プロダクトデザインや建築設計に応用しているのです。

今回は、画像生成AIをプロダクトデザインや建築設計に用いることのメリットや、実際の活用例を紹介します。

この記事を読むと、以下のことがわかります。
1.画像生成AIでプロダクトデザイン、建築設計を行う方法
2.画像生成AIでプロダクトデザイン、建築設計を行うメリット
3.画像生成AIでプロダクトデザイン、建築設計をした実際の事例

画像生成AIでプロダクトデザイン、建築設計を行う方法

画像生成AIとは、プロンプトと呼ばれる指示を文章で打ち込むと、画像を自動で生成してくれるものです。

個人がイラスト生成を楽しむのが主流でしたが、最近ではさまざまな企業が自社の商品や事業への活用を行っています。

なかでも、プロダクトデザインや建築設計に画像生成AIは有効活用できると言われているのです。

プロダクトデザインや建築設計では、一つのデザインを作り上げるために50~100個の素材集めを行い、そこから何パターンものプロトタイプを作成するのです。その後、そのうちのいくつかをブラッシュアップさせ、一つの作品を作り上げます。

ここで、画像生成AIの出番は2つあります。

1つは、素材集め。今までデザイナーや建築家は、書物やネットで探したり、実物を見に行き写真に残したりすることで、自分のイメージに近い、もしくは自分好みのデザインの素材集めを行っていました。たとえば、照明器具を一つ作り上げるにも、50~100個の照明の写真を集めるのです。

ここで活用できるのが、画像生成AI。「デザインの異なるスタンド型の照明の写真を50個生成して」などのプロンプトを打ち込めば、瞬時に生成してくれるのです。

画像生成AIの2つ目の出番は、プロトタイプ作成時です。プロトタイプとは、新しい製品の開発の過程の初期段階で制作しなければいけないもので、試作品のことを指します。

チームで一つのデザインを作り上げる場合、チームメンバーが頭の中で描いているイメージを具現化することでチームの認識を統一させるのに役立ちます。また、プロトタイプをブラッシュアップしデザインを完成させるため、案出しの段階で非常に重要な役割を担うのです。

この段階で画像生成AIを活用できるのです。自分の頭の中にあるイメージを言語化し、それをプロンプトして打ち込みます。すると数秒のうちにイメージが具現化できるのです。

画像生成AIでプロダクトデザイン、建築設計を行うメリット

画像生成AIでプロダクトデザイン、建築設計を行うことは、工数が削減できる、新たなアイディアが浮かんでくるなどのメリットがあります。それぞれ解説していきます。

工数が削減できる

画像生成AIを活用することで、素材集めやプロトタイプの時間は大幅に短縮されます。画像生成に要する時間は1画像につき数秒なので、仮に1画像5秒と仮定し、100個生成したとしても、10分もかかりません。

今まで数日かけて素材を集め、プロトタイプを作成してきた時間と労力が大幅に削減できるのです。

新たなアイディアが浮かぶ

画像生成AIを活用すると、新たなアイディアが浮かびます。その理由は3つです。

1つ目は、工数が削減され、アイディア出しに使える時間が増えるからです。先述したように、画像生成AIは大幅な工数削減が可能です。そのため、従来の時間設定から考えると、アイディア出しにかけられる時間が余ります。もちろんプロジェクト自体の期間を短縮することも可能ですが、あえて同じ期間を設定し、アイディア出しに更なる時間をかけることもできるのです。

そのため、今までよりも多くのプロトタイプを作成できたり、時間をかけることで新たなひらめきがあったりして、結果的に新たなアイディアが浮かぶ可能性があります。

2つ目は、自分では思いもつかないデザインを生成してくれる場合があるからです。画像生成AIは、人間の頭の中にあるアイディアを完璧に具現化できるものではありません。一語プロンプトが違うだけで、全く別の生成物が出来上がります。そのため、自分が思い描いていたものとはかけ離れたものを生成する場合もあるのです。その成果物の中には、自分では思いもつかなかったデザインがある場合もあります。そこからインスピレーションを受け、さらに新たなデザインが思いつく可能性もあるのです。

3つ目は、今までの自分の作風を排除することができるからです。新国立競技場の設計者である建築家の隈研吾氏は、画像生成AIを「否定の材料」として使っているそうです。※1

同氏は、画像生成AIツールに過去の自分の作品を学習させ、プロンプトを打ち込むと自分の作風の建物の画像が生成できるようにしています。「事務所の所員には自分の作品を超えるものを作ってほしい」と願う隅氏は、これを活用し、生成されるものとは異なるデザインを考えるよう指示しているのです。こうして、新たなアイディアが生まれ、新たな作品が出来上がるのです。

議論が活性化する

これは「新たなアイディアが浮かぶ」ことにも通じますが、画像生成AIを活用することによって、議論が活性化することも期待できます。

思いもよらないアイディアが出ることによって、マクドナルド理論が現実となるのです。マクドナルド理論とは、 バカバカしい案が出ることによって、皆がよりマシな案を積極的に出すようになるという理論です。

また、案出しの段階で多数のアイディアが出ることで、チームメンバーの競争心も掻き立てられます。

プロダクトデザイン、建築設計に画像生成AIを活用した事例

ここからは、画像生成AIをプロダクトデザイン、建築設計に活用した例を紹介します。

株式会社マンダム「冷肌ミスト リフレッシュミント」

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000062916.html

株式会社マンダムは化粧品メーカーで、男性用整髪料やフェイシャルペーパーが代表的な商品です。そんな同社は、株式会社プラグが開発した「パッケージデザインAI」を「冷肌ミスト リフレッシュミント」のデザイン開発初期段階で活用しました。AIが生成した画像をもとにデザイナーが作成し直し、商品デザインを完成させています。

従来2~3週間かかっていた初回提案を1週間に短縮し、通常の倍以上のデザイン提案に成功しています。その結果、通常3か月程度かかるデザイン開発期間を1か月半に短縮することができました。※2

株式会社大林組「AiCorb(アイコルブ)」

引用:https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20220301_3.html

株式会社大林組は大手建設会社です。そんな同社は、米シリコンバレーに拠点を置く研究機関のSRI Internationalと共同で設計支援ツール「AiCorb(アイコルブ)」を開発。2023年7月より社内運用しています。

AiCorbは、手描きのスケッチと建物をイメージしたプロンプトを基に、デザイン案を短時間で出力し、生成したデザインを基に3Dモデルを作成するツールです。

設計の初期段階で活用することで、デザイン案の立案において工数削減に役立ちます。また、たたき台として活用することで、発注者との認識のズレなくプロジェクトを進めていくのにも有効です。※3

まとめ

今回は、画像生成AIでプロダクトデザイン、建築設計を行う方法、活用のメリット、実際の企業事例を紹介しました。

画像生成AIは、個人の趣味の範囲にとどまらず、プロダクトデザインや建築設計に用いる企業が増えています。工数削減や新たなアイディア創造などのメリットがあり、今後活用する企業は広まるでしょう。

ぜひこの機会に、貴社でも活用を考えてみてはいかがでしょうか?

建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!

CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中

※1:建築家の隈研吾氏「自分を超えるために生成AIを使う、藤井聡太名人のように」|日経クロステック

※2:マンダムがパッケージデザインに生成AI活用 1週間で40案も制作|日経クロストレンド
※3:大林組のAIツールはビル外観を生成して3次元化もこなす、7月に社内運用開始|日経クロステック

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    カテゴリ一覧

    PAGE TOP